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May 06, 2010

野菜相場、4月の動向、依然高値?

   4月は天候不順から野菜の相場が異常値となり、食品スーパーマーケットの野菜の価格が大きく上昇するなど、異変が続いた。野菜は需要供給の法則がダイレクトに相場によって反映され、入荷が少ない時は相場が上昇し、逆に、入荷が多い時は相場が下落するという結果となる。したがって、食品スーパーマーケットも野菜の相場が大きく上昇すると、価格への転嫁をせざるをえず、店頭価格が異常値となる。価格政策については、食品スーパーマーケットは相場が5%から10%ぐらいの変動であれば、さほど店頭価格は変えないが、20%、30%、そして50%ともなると、さすがに、たえられず、店頭価格へも相場を反映せざるをえなくなる。

   そこで、この4月度の野菜がどのような相場状況であったのかを東京中央卸売市場の週間の野菜の相場情報をもとに見てみたい。まず、4月の第5週、4/23から4/28のゴールデンウィーク前の直近の野菜の相場を見てみたい。一目見て明らかに高いという数字が並ぶ。前年同期比150%以上価格が上昇した野菜を見てみると、さつまいも198%(相対、千葉)、ねぎ170%(相対、千葉)、セルリー169%(せり、静岡)、レタス166%(せり、茨城)、ピーマン165%(相対、茨城)、はくさい155%(相対、茨城)、なす154%(せり、高知)という状況である。200%近い野菜もあり、明らかに異常値といえる。食品スーパーマーケットの店頭でもねぎ、レタス、はくさい、なす等の野菜の価格が上がっているのが現状といえよう。

   これについで、120%以上の相場上昇が見られた野菜であるが、だいこん149%(せり、千葉)、キャベツ148%(せり、神奈川)、きゅうり148%(相対、埼玉)、ピーマン144%(せり、茨城)、キャベツ142%(相対、神奈川)、だいこん141%(相対、千葉)、トマト141%(せり、栃木)、かぶ133%(相対、千葉)、にんじん133%(相対、徳島)、レタス145%(相対、茨城)、ねぎ149%(せり、千葉)、きゅうり129%(せり、埼玉)という状況である。ほぼ、全面高といって良い状況であり、野菜が、明らかに異常値である。逆に、昨対を下回った野菜であるが、そらまめ85%(相対、鹿児島)のみであり、その他の公表されている主要野菜の相場はすべて昨対を上回っており、いかに、直近の4月度、第5週の野菜が高いかがわかる。

   ちなみに、入荷量を見ると、総入荷量が87%であり、野菜の供給がいかに少ないかがわかる。したがって、需要供給の法則が働き、当然、相場上昇が起こることになる。個々の野菜の入荷量を前年同期比でみると、そらまめ59%、なす67%、ピーマン72%、だいこん78%、トマト80%、じゃがいも82%、きゅうり83%、かぶ84%、セルリー85%、たまねぎ86%、こまつな87%、レタス88%、キャベツ90%、はくさい90%、ねぎ90%、ふき94%、ほうれんそう97%、なましいたけ97%、にんじん103%、たけのこ105%、かぼちゃ110%、さつまいも112%という状況である。昨対100%を超える入荷量の野菜もあるが、わずかであり、野菜の絶対量の不足が続いている状況である。

   東京中央卸売市場の相場情報のコメントを見ると、「「キャベツ」は28日に1,000トン以上の大量入荷があり価格も後半は下げた。「レタス」は前週と同じで低温から全国的に出回り少なく、価格はほぼ保合も前年比大幅高。「はくさい」も前週と同じで春物少なく増量は5月になりそうで、価格は当面強めの展開。・・」とのことで、気温の低さが、入荷不足の原因であることがわかる。ただ、5月に入って気温も上昇しており、今後、逆に野菜の大量入荷があると、相場は一転下げに転じるので、今後の動向をしっかり見る必要があろう。

   ここで、さらに、4月第1週から、この第5週までの推移が高めに動いている野菜を見てみたい。ねぎ(170%、271%、233%、193%、196%)、キャベツ(148%、176%、172%、100%、113%)、レタス(166%、136%、135%、115%、121%)、はくさい(155%、147%、127%、86%、57%)、きゅうり(148%、159%、150%、115%、104%)、なす(154%、154%、127%、137%、-)、ピーマン(144%、120 %、116 %、117%、75%)、さつまいも(198%、164%、123%、120%、106%)、にんじん(133%、131%、113%、103%、97%)等である。4月度前半は昨対を切る週もあるが、第3週目ぐらいから、急激に相場が上昇していることがわかる。

   このように、この4月度の野菜の5週間の相場の推移を見ると、前半はさほど高い数字ではなく、上昇気味の推移であったが、中旬頃から、気温が下がり、急激に各野菜の入荷不足が起こり、相場が急上昇したことがわかる。そして、この直近の第5週においては、昨対150%以上の野菜が増え、200%近い相場となった野菜も生じ、野菜全体が相場高になった異常事態が発生しているといえよう。このまま、このゴールンウィークに流れ込んだことにより、依然として、野菜の相場高が続いているといえよう。今後、ゴールデンウィーク明け、野菜がどのような相場となるか、この5月相場の推移に注目である。

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