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May 03, 2010

セブンイレブンジャパンとセブン&アイH!

   2010年2月期の食品スーパーマーケット業界の決算の発表がほぼ終了した。全体的には厳しい決算が多く、減益となる食品スーパーマーケットが多い。このような中で、小売業界のトップ、セブン&アイHの中核企業セブンイレブンジャパンの決算がどのような状況であったかを見てみたい。

   セブン&アイHは事業構造を大きく6つに分けて管理している。2010年2月期の営業収益の合計は5兆1,112.97億円であったが、その内訳は、コンビニエンス事業(構成比38.30%)、スーパーストア事業(構成比39.24%)、百貨店事業(構成比17.95%)、フードサービス事業(構成比1.68%)、金融関連事業(構成比2.14%)、その他の事業(構成比0.65%)となる。コンビニエンス事業とスーパーストア事業が2トップであり、ついで、百貨店事業が続く事業構造である。

   ところが、これが利益、特に営業利益となると、2,266.66億円の内訳は、コンビニエンス事業(構成比80.85%)、スーパーストア事業(構成比6.23%)、百貨店事業(構成比0.60%)、フードサービス事業(赤字)、金融関連事業(構成比13.26%)、その他の事業(構成比0.24%)となる。2トップが、コンビニエンス事業の1トップとなり、営業収益の構成比2.14%の金融関連事業がこれに続くことになる。コンビニエンス事業が利益の源泉であり、セブン&アイHを支えているといえよう。

   では、そのコンビニエンス事業であるが、今期の営業収益は1兆9,685.55億円(昨対-14.7%)となり、大きく減収となった。一方、営業利益は1,838.37億円(昨対-13.8%)と、こちらも減益となり、結果、減収減益の厳しい決算となった。これが、セブン&アイH全体が営業収益5兆1,112.97億円(-9.5%)、営業利益2,266.66億円(-19.6%)、経常利益2,269.50億円(-18.7%)、当期純利益 448.75億円(-51.4%)となった大きな要因のひとつである。

   そこで、このセブン&アイHの中核事業、コンビニネス事業について、ここでは、特に、セブンイレブンジャパンについて、見てみたい。まず、この営業収益1兆9,685.55億円(昨対-14.7%)の中身であるが、セブンイレブンジャパンの数字は4,077.95億円(昨年3,997.83億円:102.00%)と増益である。コンビニエンス事業は減収となったが、セブンイレブンジャパンは増収である。では、全体が減収となった要因は何か、これが、海外のセブンイレブンにある。

   今期のコンビニエンス事業 の営業収益1兆9,685.55億円の内、セブンイレブンジャパンの占める数字は4,077.95億円であるので、約20%強であり、残り、80%が実に海外のセブンイレブンの連結数字である。店舗数で見れば、国内のセブンイレブンが12,753店舗であるのに対し、海外はエリアライセンシー店18,407店舗に加え、直営6,389店舗が加わり、24,796店舗となる。また、セブンイレブンジャパンはフランチャイズ主体の事業構造であるため、加盟店収入のみの決算への計上となるため、結果、営業収益は海外比率約80%という数字となる。

   したがって、海外の連結では円高の影響を受けることに加え、特に、アメリカではガソリンの売上構成比が高く、石油相場の影響も大きく受ける。今期も為替レートは昨年が1ドル103.48円で計算していたが、今期は1ドル93.65円と円高となったため、10%以上の影響が生じることになる。セブン&アイH自身も、「コンビニエンスストア事業:ガソリンの単価下落による約1,900億円、円高による約1,500億円の減収要因がありました。・・・」と、コメントしているように実に約3,400億円の減収要因となっており、これが、今期のコンビエンス事業の減収の最大の要因といえよう。

   では、営業利益はどうかであるが、セブン&アイHのコンビニエンス事業の営業利益は先に見たように、1,838.37億円であるが、この内、セブンイレブンジャパンの営業利益は1,562.20億円(全体1,780.60億円:87.73%)であり、減益とはなったが、全体の構成比は約85%であり、利益貢献度が極めて高いといえよう。約80%の営業収益比の海外のセブンイレブンの営業利益への貢献度はわずか約15%である。したがって、セブンイレブンジャパンのコンビニエンス事業における利益貢献はもちろん、セブン&アイHの中でも約70%となり、セブン&アイH全体に占めるセブンイレブンジャパンの存在がいかに巨大なものであるかがわかる。

    気になる営業利益が減益となった要因であるが、営業総利益は4,420.76億円(昨対4,376.18億円:101.01%)とわずかに増加している。一方、経費の方は2,858.56億円(昨対2,595.58億円:110.13%)と大きく増加しており、経費の上昇が営業利益が減益となった要因である。特に、地代家賃112.22%、広告宣伝費135.96%等の上昇が大きかったといえよう。

   このように、セブンイレブンジャパンのセブン&アイHへの事業貢献度は極めて大きいといえ、営業収益では10%弱であるが、営業利益では約70%となる存在感であり、企業グループ全体の利益を大きく牽引している。また、海外のセブンイレブンはコンビニエンス事業の約80%の営業収益となるが、円高、ガソリン等の影響を強くうけるため、不安定要因が高く、今期の営業利益貢献度もコンビニエンス事業のわずか約15%である。規模と質とが反比例関係にある事業構造といえる。セブン&アイHとしては、今期決算を受けて、1トップが鮮明となったセブンイレブンジャパンを中核にどう構造改革に踏み込むのか注目である。

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