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May 30, 2010

食品スーパーマーケットの借入れの実態!

   食品スーパーマーケットの決算もほぼ終了し、現在、その集計をしており、6月中にはまとめ、昨年同様、財務3表連環分析2010として、公表してゆく予定である。それまでは、全体の動向は2009年度版をもとに、必要に応じて、2010年度の速報値を交え、財務3表に関して解説してゆくつもりである。さて、今回は、食品スーパーマーケットの借り入れについての実態を様々な角度から取り上げてみたい。

   まず、全体像であるが、決算公開企業約50社の総借入金額、短期借入と長期入れの合計は1兆740.58億円であるので、約1兆円である。約50社であるので、単純平均では約200億円となる。ちなみに、純資産は1兆5,767.06億円、約1.5兆円であるので、食品スーパーマーケットのビジネスは金融機関と密接な関係で成り立っていることがわかる。それぞれ総資産との比率を見ると、有利子負債は27.7%、純資産は40.7%であり、その合計、いわゆる投下資本は約2兆5,000億円となる。したがって、決算公開企業約50社の投下資本は約2兆5,000億円であり、この巨大な資本を活用して、ビジネスに取り組んでいるといえる。そして、その結果、得られる営業キャッシュフローは、すなわち、キャッシュは2,944.51億円、約3,000億円であるので、キャッシュ効率を計算すると、12.0%となる。これが財務から見た食品スーパーマーケットの実態といえる。

   これまで本ブログで取り上げた主な食品スーパーマーケットのキャッシュ効率は10%強であり、近い数字であるので、これが食品スーパーマーケットビジネスの財務面から見た現状といえよう。ところで、少し角度を変えて、この有利子負債約1兆円と売上高との関係を見てみると、決算公開企業約50社の売上高が7兆8,244.85億円、約8兆円弱であるので、有利子負債の売上対比は約12.5%となる。総資産は3兆8,724.45億円、約4兆であるので、ちょうど、売上高の約1/2であり、売上対比で見た方が比率は約半分となり、低くなる。

   以上がマクロに食品スーパーマーケット全体を見た場合の有利子負債の位置付けとなる。まとめると、決算公開企業約50社の有利子負債は約1兆円、ちなみに、短期、長期の比率はやや長期が多いが、ほぼ半々である。また、総資産対比では約30%弱、売上高対比では約15%弱であり、したがって、食品スーパーマーケットは総資産の約2倍の売上高となる業態である。また、純資産は約1.5兆であるので、投下資本は合計約2.5兆円、営業キャッシュフローは約3,000億円であるので、キャッシュ効率は12%となる。これが食品スーパーマーケットの現況といえよう。

   では、これを踏まえて、有利子負債を中心に2009年度の決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの個々の状況を見てみたい。まず、有利子負債が総資産対比で50%を超える食品スーパーマーケットは、マルヨシセンター62.8%、天満屋ストア56.3%、PLANT55.6%、スーパーバリュー55.2%、マツヤ52.4%、ドミー50.5%である。さらに、40%までを見てみると、丸久46.5%、北雄ラッキー46.3%、イズミ44.8%、丸和44.6%、エコス44.5%、ヤマナカ41.9%、マックスバリュ東北41.0%、バロー40.3%となる。

   同様に売上対比で見るとどうかを見ると、先に見たように、売上高と総資産の比率は約2:1であるので、売上対比20%までの食品スーパーマーケットを見ると、PLANT48.2%、天満屋ストア44.7%、イズミ36.2%、マルヨシセンター30.9%、丸和30.4%、ドミー30.1%スーパーバリュー29.9%、イズミヤ26.9%、ダイイチ 24.8%、マツヤ21.8%、Olympic21.4%、丸久21.4%、バロー21.2%、平和堂20.9%、アークランドサカモト20.2%フジ20.1%となる。

   逆に、総資産対比で10%以下の食品スーパーマーケットは、オオゼキ0.0%、マックスバリュ東海0.0%、ヨークベニマル0.0%、マックスバリュ西日本0.3%、アオキスーパー0.8%、東武ストア3.7%、サンエー4.4%、ヤマザワ5.2%、九九プラス7.0%、ユニバース8.9%、いなげや9.7%となる。同様に、売上対比5%までの食品スーパーマーケットを見ると、オオゼキ0.0%、マックスバリュ東海0.0%、ヨークベニマル0.0%、マックスバリュ西日本0.1%、アオキスーパー0.2%、九九プラス1.4%、東武ストア1.4%、ヤマザワ2.2%、サンエー2.8%、いなげや3.4%、ユニバース3.4%、大黒天物産3.5%、アークス4.4%、カスミ4.8%となる。

   参考に、キャッシュ効率、営業キャッシュフロー/投下資本(有利子負債+純資産)が20%以上の食品スーパーマーケットを見ると、ライフコーポレーション36.4%、ハローズ35.4%、大黒天物産30.4%、オーケー27.7%、マックスバリュ西日本23.9%、ジョイス23.0%、マックスバリュ中部22.6%、サンエー21.4%、アオキスーパー20.3%、スーパーバリュー20.2%となる。ただ、少し、注意が必要なのは金融機関の休日と決算日が重なった2009年2月期決算は営業キャッシュフローが買掛債権の増加により、膨らんでおり、その返を差し引く必要がある。

   このように、決算公開企業約50社を中心に食品スーパーマーケットの借入れの実態を総資産、売上、そして、キャッシュフロー、さらには、参考に純資産も交えて見てみたが、現時点での基準としては、総資産対比で30%、売上対比では15%以下が望ましいといえよう。これを超えてくると有利子負債が経営に重くのしかかりはじめ、財務状況が悪化し、厳しい経営を強いられるといえよう。また、キャッシュ効率は異常値を抜いて、10%以上は目指したいところであるといえる。

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May 30, 2010 in 経済・政治・国際 |

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