バロー、次世代省エネルギー実験店舗、草津にオープン!
バローが5/13、スーパーマーケットバロー草津店(滋賀県草津市)をオープンした。バロー189店舗目の店舗であるが、注目は、この店舗が次世代の省エネルギーの実験を兼ねた経済産業省所管の独立行政法人、新エネルギー・産業技術総合開発機構(略称NEDO)の公式プロジェクトの一環であるということである。最終的には、ゼロ・エミッション・ビル(二酸化炭素(CO2)の排出量を概ね0とする)を目指しており、そのための食品スーパーマーケット業界では唯一の実験店舗である。ここで確立されたゼロ・エミッション技術が将来の食品スーパーマーケットの新店開発に活用されてゆくことになる可能性が高く、食品スーパーマーケット業界としても環境問題に真正面から取り組む実証実験店舗といえよう。
今回、NEDOが認定した研究開発項目は、1.中小事務所ビルにおける再生可能エネルギーと次世代技術を組み合わせたZEB化の実証(東京瓦斯株式会社、東京ガス都市開発株式会社)、2.「省エネ進化するビル」モデル実証実験(三菱電機株式会社)、3.ゼロ・エミッション・ビル実現に向けた技術開発(新日鉄エンジニアリング株式会社)、4.オフィスにおけるパーソナル環境の統合制御を行う省エネインターネット(省エねっと)の運用実証事業(株式会社竹中工務店、株式会社TAKイーヴァック)、5.「理想の教育棟」における次世代省エネルギー等建築システム実証事業(国立大学法人東京大学)、6.複数建物連携によるキャンパス内建物群の省エネルギー運用実証事業(国立大学法人東京農工大学)、7.赤穂ロイヤルホテル ゼロエミッションホテルプロジェクト(株式会社オオキコーポレーション)、8.株式会社バロー草津新店におけるゼロ・エミッション店舗開発実証事業(オリックス株式会社、株式会社バロー、鹿島建設株式会社)の8つである。
まさに、日本の将来のゼロ・エミッションを目指す環境技術の研究開発プロジェクトといってもよいといえる。このプロジェクトは、公募により対象企業が決定され、KEDOから技術開発テーマの助成率の2/3 以内で助成金が助成される内容である。したがって、研究成果は広く公開されることになり、今後の、ゼロ・エミッションを目指し、バローの実証実験結果は、食品スーパーマーケット業界で活用が可能となる。
そもそもKEDO(独立行政法人、新エネルギー・産業技術総合開発機構)とは、どのような法人であるかであるが、経済産業省所管の独立行政法人であり、事業内容は、(1) 産業技術開発関連業務、(2) 新エネルギー・省エネルギー関連業務が2大柱であり、職員数1,000人、事業規模約2,000億円である。その大半は運営費交付金収益約1,400億円、補助金等収益約500億円であるので、まさに、国を挙げての国家プロジェクトであるといえる。
そして、今回のバローが選定された研究開発プロジェクトは、「民生部門のエネルギー消費は、最終エネルギー消費量の3割以上を占めており、産業部門、運輸部門に比べて過去からの増加が顕著である。民生部門は業務部門と家庭部門に区分されるが、とりわけ、オフィスビルを中心とする業務部門のエネルギー消費は、民生部門の過半を占める上に家庭部門よりも増加が著しい。・・」との認識から生まれたものである。そして、最終目的を「2030年までにビルにおける年間のCO2排出量を概ねゼロとするゼロ・エミッション・ビル(以下、「ZEB」という。)の実用的概念の確立と普及を図るため、技術実証事業を助成する。」ということがその目的である。
さて、実際のスーパーマーケットバロー草津店のゼロ・エミッションを目指した省エネの状況であるが、バローの地元紙、岐阜新聞によれば、「既存のスーパーマーケット(SM)と比べて、年間35%の二酸化炭素(CO2)削減を目指す、・・」という。そして、店舗面積は1,700平米(約500坪)、助成金を除いた総事業費は4.7億円であるという。また、「売り場中央の照明に長寿命のLED(発光ダイオード)を採用したほか、通路やレジスペースに自然光を取り入れる天窓を設けた。オール電化や太陽光発電システム、ショーケース用冷凍機の高効率室外機など、消費電力を抑える計15の設備を取り入れた。」とのことであり、「同規模店舗の年間の消費電力量は約100万キロワット時に対し、実験店は37万キロワット時減らせる計画で、年間の電気代も700万円ほど削減できる。・・」という。ちなみに、この実証実験は4年間で、その成果はホームページで公開されるという。
このように、食品スーパーマーケット業界もゼロ・エミッションを目指す時代になったといえ、今後、安全、安心に加え、環境への配慮がより重要な経営課題になるといえよう。その意味で、バローが今回のプロジェクトに唯一、食品スーパーマーケット業界はもちろん、流通業界で採用された意義は大きいといえ、2030年、これから20年後の食品スーパーマーケットの環境重視の未来型店舗づくりを目指して、しっかり、この研究成果を食品スーパーマーケット業界全体として取り入れてゆきたいところである。
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