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June 13, 2010

ワインの重点商品、Chain Store Age 6/15、PI値検証!

   Chain Store Age 、2010年、6/15号へワインのMD特別リポートを寄稿した。ワインについては、以前、3年前になるが、2007年、11/15号で同様にワインのMD特別リポートを寄稿したことがあるが、それ以来の本格的なワインのPOS分析である。特に、前回が3ケ月間、2月から4月までの累計、延べ約6,000万人の客数(レシート枚数)の数字であったが、今回は2009年4月から2010年3月までの丸1年間のPOS分析である。客数も約2億5,000万人という膨大な数をもとにしたPI値分析となった。商品数も5,972品とすごい品数である。

   ワインがこんなに品揃えがあるのかと思われるが、これが日本の代表的な食品スーパーマーケット約100社、約400店舗の丸1年間に販売実績のあったワインの全商品であるので、事実といえよう。したがって、食品スーパーマーケットのワインのバイヤーは、この約6,000品目の中から、売場に約100品から200品を選定する訳であるので、至難の業といえよう。特に、小型食品スーパーマーケットのワイン売場は30品から50品ぐらいが限界といえ、まさに、バイヤーの腕の見せ所といえる。

   今回のChain Store Age、6/15号では、この膨大なワインを2つの軸をもとにPOS分析を行い、この中から、食品スーパーマーケットが品揃えすべき重点商品を選定してみた。2つの軸とは、本文でも解説したが、バイヤーの目(客数PI値)と顧客の目(金額PI扱店)である。また、POSデータの提供はTOPNAVI-NETである。特に、TOPNAVI-NETは金額PI値の総店と扱店が算出され、そこから客数PI値も逆算できるので、実務的なPOS分析に踏み込むことができ、便利である。

   本文でも解説したが、バイヤーの目(客数PI値)とは、ワインの導入店舗の客数/全店舗の客数であり、この数値を見ることにより、全体顧客のどのくらいの割合を対象とした結果のワインであるかがわかる。実際の数字を見るとびっくりするが、5%以上の客数PI値の商品が約6,000品の中でわずか111品しかなく、いかに、ワインの品揃えが各店大きくばらついているかがわかる。

   一方、顧客の目(金額PI扱店)であるが、これは、ワインの売上金額/そのワインの導入店舗のみの客数であり、まさに、顧客のワインの金額支持率がみれる。これに対応する指標が金額PI総店であるが、これはワインの売上金額/全店舗の客数であり、そのワインを導入していない店舗も、導入している店舗もすべて含まれるため、顧客の支持率が少しボケてしまう数字である。したがって、金額PI扱店の方が顧客の支持を強く表している指標であるといえ、重点商品の選定にはより重要な指標となる。

   ちなみに、これらの指標の関係であるが、金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店であり、金額PI総店がまさに総合評価指標、すなわち、結果を表し、客数PI値、金額PI扱店がその原因を表しているといえ、今回のワインの重点商品は、バイヤーの目(客数PI値)と顧客の目(金額PI扱店)で選定し、結果、総合評価に至っているといえる。

   このような考え方でワイン約6,000品目の中から重点商品を選定すると、客数PI値5%以上、金額PI扱店200円以上の珠玉のAランク商品が25品、客数PI値5%以上、金額PI扱店が100円から200円までのBランク商品が62品、そして、客数PI値1%以上5%以下、金額PI扱店200円以上のCランクの商品が99品、合計、重点商品は186品となり、その金額PI総店は全体の49.5%になった。これがまさに、この1年間のワイン6,000品目から選びぬいた食品スーパーマーケットの重点商品といえる。

   この186品の中から、誌面の都合上Aランク全25品、Bランク上位20品のみを掲載しているので、今後のワインの重点商品の選定の参考にしていただければと思う。さて、本文でも解説したが、特に、Aランクには1.8Lの大容量の商品が多く登場しており、Bランクには750mlの中容量の商品が多く、これを見る限り、ワインの容量分割は極めて重要であることがわかる。

   また、今回は、1年間のワインのPOS分析でもあるので、参考に、年間のPI値分析も解説した。これを見ると、まさに、11月、12月がワインのピークであり、しかも、今回選定した重点商品186品はいずれも、11月、12月ともに貢献度が高く、改めて重点商品の大切さが浮かび上がっている。また、やや意外だったのは、この時期は平均単価が跳ね上がるのではないかと想定していたが、実際は圧倒的に数量PI値が跳ね上がっており、数量PI値アップの戦略がより重要であるといえる。今年、2010年度のワインの年間計画を立てる際に参考にしていただければと思う。

   このように食品スーパーマーケットでは恐らく圧倒的な品揃えの多いワインについても、POSデータをPI値分析して見ると、重点商品はかなり限定することができ、まずは、これらの重点商品をしっかり販売、しかも年間を通じて販売することが重要であり、その基礎ベースの上に品揃えをどう考え、変化させていくことがポイントであることが、改めて明確になったといえよう。ワインのマーチャンダイジングは、まずは、ワインの重点商品をしっかり決めるところからスタートしたいところだ。

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