Power Category 2010、Chain Store Age06/15号!
Chain Store Age、2010年06/15号のパワーカテゴリー特集の冒頭で、今回のPower Category 2010の解説を投稿した。見出しは、「Power Category で売場を活性化させる方法」である。Chain Store Age のPower Category の特集は年2回組まれるが、今回は、Power Category 2010、すなわち、2009年10月から2010年3月までの6ケ月間の注目カテゴリーのランキング特集である。
今回の注目カテゴリーは、グロサリー、酒、雑貨と3つに分かれており、それぞれのパワーカテゴリーを上げると、以下の通りである。グロサリーでは中華調味料、スパゲティ、お茶漬けの素、インスタントカップめん、ごま油、食用油、キムチ、炒め物調味料、白だし、ヨーグルト、食パン、ガム、ビスケット、クッキー、カップコーヒードリンク、ドリンク剤、インスタントコーヒー、マヨネーズ、低カロリー甘味料、ドレッシング、ルウカレー、ファミリーアイスである。
酒では、ビール、発泡酒、ワイン(果実酒)、ウイスキー、RTD(缶チューハイ・缶カクテル)、日本酒、新ジャンルアルコール飲料である。そして、雑貨では、シャンプー、ローソク、トイレ用芳香剤、室内用芳香剤、除湿剤、防虫剤、ティシュペーパー、家庭用手袋、たわし・スポンジ、身体洗い用品、生理用品、線香、接着剤、キャットフード、犬用品・用具である。
今回は、これらのPower Categoryをすべて事前に分析した上で解説を試みた。ポイントは4つ上げたが、中でも、はじめのポイント、「ベスト10の売上構成比に注目!」は、今回分析してみて、改めてカテゴリーの不思議さに驚かされる内容となった。従来から様々なカテゴリーのPOS分析を行ってきたが、実際にPOS分析を行うと、カテゴリーは大きく2つに分かれることがわかる。重点商品の売上構成比が極めて高いカテゴリーと、重点商品の売上構成比が極めて低いカテゴリー、すなわち、品揃えが極めて重要なカテゴリーである。
この2つのタイプのカテゴリーは当然のことであるが、マーチャンダイジング戦略が全く違ってくる。重点商品の売上構成比が高いカテゴリーは文字通り、重点商品を強化することが最大の活性化となるので、重点商品を絶対に欠品させず、鮮度も最高に保つことがポイントとなる。今回の分析の結果、重点商品の売上構成比が70%を超えるカテゴリーとして、ごま油77.3%、マヨネーズ74.8%、カップコーヒードリンク72.4%、ティシュペーパー71.9%、除湿剤70.8%、お茶漬けの素70.5%が上がってきたが、このような商品は食品スーパーマーケットの売場では数限りなくある。
そして、これらのカテゴリーとは正反対のカテゴリー、すなわち、重点商品の売上構成比が極めて低いカテゴリーであるが、このマーチャンダイジング戦略は、重点商品の強化を前提として、それ以上に、品揃えを充実させることが最大のポイントになる。この典型的な商品として、ワイン10.2%、キャットフード11.2%、身体洗い用品16.6%、ビスケット・クッキー18.0%、日本酒19.4%がこれに当たる。先の重点商品の売上構成比が高いカテゴリーとは全く正反対の傾向を示しているといえよう。このカテゴリーで仮に、品揃えを絞り込み、重点商品のみの強化をした場合は、まず売上げはとれない。むしろ、落としてしまうことがほとんどであり、これらの商品は可能な限り、品揃えを増やすマーチャンダイジング戦略をとることがポイントとなる。したがって、それなりのノウハウの確立が必要であり、一筋縄ではいかないカテゴリーであるといえよう。
これ以外にも、今回は、ポイント2で、「伸びているPower Categoryに注目!」、ポイント3で、「首都圏で注目のPower Category!」、そして、ポイント4で、「Power CategoryをよりPower化するために」と題し、Power Categoryの解説を試みている。特に、この中で、意外だったのは、「首都圏で注目のPower Category!」である。分析して見て、首都圏では意外に雑貨が地方と比べ点数PIが極めて高い商品が多かったことである。たとえば、除湿剤268.5%、犬用品・用具255.9%、キャットフード194.9%など、言われてみればと思うカテゴリーであるが、これほど、全国平均との差が大きかったのは意外であった。
首都圏で強いカテゴリーの大半が雑貨となったが、食品、酒でも少ないがいくつか上がってきている。たとえば、ワイン171.1%、ビール127.2%、低カロリー甘味料129.9%などである。都心部の食品スーパーマーケットはどうしても家賃が高くなり、店舗面積がとれず、雑貨、酒のスペースが十分にとれない面があるにも関わらず、このような高い数字がでることを考えると、マーチャンダイジング戦略を再検討することも必要であろう。
このように、Power Category2010で取り上げた各カテゴリーをつぶさに見ると、様々な発見があり、また、それぞれの特徴が明確に出ており、マーチャンダイジングの奥深さを改めて感じることができる。特に、この時期はデフレの真っただ中での数字でもあり、今後、しばらくはデフレ傾向は続くものと予想されるので、再度、今回の主要カテゴリーについては、重点商品、品揃え、販促を含め、マーチャンダイジング戦略を見直して欲しいところだ。次回は、6ケ月後になると思うが、今回のPower Categoryがどのように変化するか、注目したい。
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