家計調査データ2010年5月期、食品、97.2%!
家計調査データの最新、2010年5月度が6/29、総務省統計局から公表された。結果は、外食を抜いた食品の消費額は1世帯、1日当たり、2,039.97円(97.2%)となり、厳しい結果となった。本ブログでは家計調査データと食品スーパーマーケットのPOSデータ分析、特に、金額PI値との連動をはかるために、月間の消費額を1日当たりに修正している。また、消費額を消費世帯のみの消費額と、消費世帯の割合に分け消費額の伸びた要因、伸び悩んだ要因を掘り下げている。ちなみに、食品は2,039.97円(97.2%)であったが、全消費額は9,055.29円(98.3%)であり、やや数字は高いが、マイナスであり、厳しい結果であるといえよう。
全体が昨対マイナスとなった要因を大分類で見てみると、マイナスとなったのは、食品2,039.97円(97.2%)、外食476.97円(98.3%)、住居553.58円(98.4%)、家具・家事用品274.06円(86.3%)、被服及び履物416.94円(96.1%)、保健医療376.39円(97.2%)、教育308.26円(80.4%)という状況であり、大部分の消費が下がっている。特に、家具・家事用品、教育が80%台であり、深刻である。ただ、教育は高校の授業料無料化がはじまったことにより、大きく下がっているといえる。
一方、消費が上昇した大分類であるが、光熱・水道697.55円(104.2%)、交通・通信1,251.52円(110.0%)、教養娯楽1,086.06円(102.6%)、諸雑費700.94円(100.3%)である。特に、交通・通信が良く伸びているが、これは、自動車の購入が140%と大きく増加したためである。また、それに連動し、自動車維持費が良く伸びており、自動車関連の消費増が大きかったといえよう。
では、食品の方はどのような状況であったかであるが、食品も大部分の項目が昨対を割っており、伸びたのはわずかな伸びであるが、野菜・海藻290.48円(100.2%)、調理食品255.48円(101.8%)であり、これ以外の項目はすべてダウンした。この内、野菜・海藻に関しては相場高による野菜の平均単価上昇がその要因といえ、実質、マイナスともいえよう。
一方、マイナスの項目であるが、穀類212.77円(94.5%)、魚介類215.00円(97.7%)、肉類203.90円(94.3%)、乳卵類108.94円(99.1%)、果物82.55円(94.9%)、油脂・調味料106.87円(95.2%)、菓子類217.00円(96.8%)、飲料136.58円(95.9%)、酒類111.03円(93.7%)である。軒並み、95%前後となり、いかに、この5月度の消費が厳しい状況であったかがわかる。
そこで、これらの項目の中で、気になる主な分類を見てみたい。まずは、バナナ14.94円(80.8%)、消費世帯のみ19.82円(82.8%)、消費世帯の割合75.3%(97.6%)である。昨年のバナナブームの反動もあり、今期は大きく落ち込んでおり、特に、消費世帯のみの消費額が落ちているのが特徴である。ついで、ウイスキー3.65円(97.4%)、消費世帯のみ100.14円(93.7%)、消費世帯の割合3.6%(104.0%)という結果である。これは、興味深い結果であるといえ、消費世帯は増えているが、消費世帯のみの消費額は下がっており、PI値か平均単価のダウンが考えられるが、恐らく、平均単価のダウンが消費に影響を与えているのではないかと思う。
そして、これ以外の80%台の消費が深刻な主な項目であるが、食塩1.52円(78.3%)、8.81円(86.3%)、17.2%(90.8%)、ジャム3.35円(87.4%)、12.73円(88.4%)、26.4%(98.9%)、キャンデー6.29円(83.7%)、13.84円(84.4%)、45.5%(99.2%)、チョコレート7.52円(86.3%)、17.04円(89.0%)、44.1%(96.9%)、緑茶20.03円(86.3%)、72.66円(82.9%)、27.6%(104.0%)、ミネラルウォーター5.94円(89.8%)、25.43円(95.6%)、23.3%(93.8%)、そして、ビール 34.58円(88.8%、101.95円(93.4%)、33.9%(95.1%)という状況である。この中では、特に、ビールが深刻な状況であるといえ、消費世帯の消費も、消費世帯の割合も減少している。
これに対して、消費が110%以上伸びた主な項目であるが、かに 2.23円(115.0%)、54.29円(107.1%)、4.1%(107.3%)、あさり4.77円(112.1%)、15.66円(103.8%)、30.5%(108.0%)、しじみ1.58円(132.4%)、14.40円(108.3%)、11.0%(122.3%)であり、なぜか、あさり、しじみの貝類が良く伸びている。特に、消費世帯が増えており、今後の動向に注目である。
これ以外では、魚介のつくだ煮3.00円(129.2%)、22.62円(115.9%)、13.3%(111.4%)、みかん1.48円(127.8%)、22.38円(113.3%)、6.6%(112.8%)、オレンジ4.06円(118.9%)、18.38円(108.7%)、22.1%(109.3%)、いちご11.90円(111.5%)、26.69円(104.6%)、44.6%(106.6%)、カステラ2.90円(113.9%)、23.28円(114.2%)、12.5%(99.8%)、おにぎり・その他11.23円(115.2%)、23.65円(106.3%)、47.5%(108.4%)、紅茶2.35円(114.1%)、23.06円(113.7%)、10.2%(100.3%)、発泡酒・ビール風アルコール飲料24.26円(122.5%)、101.80円(97.7%)、23.8%(125.4%)という状況である。
このように2010年5月度の家計調査データは食品2,039.97円(97.2%)、全体9,055.29円(98.3%)とともに下がっており、消費全体が低迷していることがわかる。消費者物価指数を見ても、デフレ傾向は鮮明であり、当面、デフレは継続しそうである。したがって、消費の上昇は期待しづらい状況にあるといえよう。食品スーパーマーケットとしては、この状況を前提に今後の経営戦略を検討してゆく必要があるといえよう。消費を喚起することは重要な政策であるが、デフレ、そして、消費が伸び悩む中でも、利益が取れる強い体質づくりが当面の優先的な経営課題といえよう。
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