食品スーパーマーケット売上速報、2010年5月、98.0%!
(社)日本セルフサービス協会から6/25、食品スーパーマーケットの売上速報が公表された。この売上速報はこの4月からはじまった食品スーパーマーケット業界団体3社、(社)日本セルフサービス協会、オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会の統合集計であり、現時点で食品スーパーマーケットを網羅する統計データとしては最も精度が高く、かつ、規模も大きく、信頼できる統計データであるといえる。その結果であるが、5月度は総売上高7,553.42億円となり、前年同月比は98.0%となり、厳しい結果となった。
集計対象となった食品スーパーマーケットの概要であるが、(社)日本セルフサービス協会455社、約8,000店舗、オール日本スーパーマーケット協会58社、1,125店舗、日本スーパーマーケット103社、7,604店舗であり、3団体合計では571社、約16,729店舗となり、年間売上高は14兆1,645億円となる。ただし、この5月度に回答した企業数は268社であるので、約半分弱となる。
ちょうど、公表直前、6/20の(社) 日本セルフサービス協会のツイッターを見ると、「25日に統計調査の発表が控えております。もっと早くという意見もあるようですが、他の団体の統計と比べ企業数もケタ違いに多く、しかも企業規模が小さいという特性があり、なかなか難しいですね。実際に担当してみて、スーパーマーケットに売上高を報告していただく難しさを痛感しています。」とのことで、その苦労がしのばれる。ただ、これは食品スーパーマーケット業界にとっては極めて重要、貴重な統計データであるので、何とか頑張って欲しいところである。
さて、統計データにもどると、総売上高は7,553.42億円、前年同月比は98.0%であったが、その内訳は青果987.59億円(構成比13.1%)、前年同月比100.4%、水産689.92億円(9.1%)、97.8%、畜産740.00億円(9.8%)、97.4%、惣菜654.41億円(8.7%)、100.1%、一般食品その他3,368.91億円(44.6%)、97.8%、非食品1,112.56億円(14.7%)、95.9%という結果である。この数字は新店も入れた全店ベースでの集計結果であり、まさに、現状の食品スーパーマーケットの実態を表しているといえよう。昨対を超えた部門は青果と惣菜であるが、青果は相場高の影響が大きいといえ、実質は厳しい状況であったといえよう。惣菜も伸びはわずかであり、この5月度、食品スーパーマーケットは厳しい状況であり、売上高が伸び悩んでいることが浮き彫りになったといえる。
では、これを地域別に見てみると、北海道、東北エリア99.7%、関東エリア96.4%、東海、北陸エリア99.1%、関西エリア98.0%、中国、四国エリア98.5%、九州、沖縄エリア99.4%であり、全エリア昨対を下回っており、厳しい状況である。ちなみに、集計総店舗数であるが7,056店舗、総売場面積11,772 ,236平米(505.57坪)、店舗平均月商10,705万円であり、単純年商換算では、約13億円弱となる。
以上がこの5月度の食品スーパーマーケット業界の売上速報であるが、この調査の正式名称は、「スーパーマーケット販売統計調査」であり、今後とも毎月同様の数字が月末に公表される予定である。また、この調査に加え、実は、もうひとつ大きな調査を実施している。「スーパーマーケット景況感調査」であり、これは三協会会員企業の中核店を対象に売上動向、収益率動向、客単価動向、地域経済情勢の4項目について、3ヶ月前と比較した現状、及び今後2~3ヶ月の見通しについて、「良い」から「悪い」までの判断を5段階で調査している。これを景況感指数(DI:Diffusion Index)として公表し、50以上なら景気の現状や見通しが改善したとみる企業が多く、50以下なら厳しい見方が多いという。
そこで、この景況感調査についても、その概要を見てみたい。まず、売上DIであるが、「前月より1.6ポイント低下し、45.6となった。見通しDIは、0.4ポイント低下し、46.6であった。」とのことで、現状も今後も厳しい売上げといえよう。収益率DIであるが、「収益率に対する現状判断DIは、43.5となり、前月より1.0ポイント低下した。見通しDIは、1.1ポイント低下し、45.9であった。」とのことで、売上げよりもやや厳しい現状と見通しといえよう。次に、客単価DIであるが、「客単価に対する現状判断DIは、40.6となり、前月より1.8ポイント低下した。引き続き客単価の落ち込みが収益の圧迫要因となっている。見通しDIは、0.7ポイント低下し、43.1であった。」とのことで、客単価も厳しい現状と見通しである。そして、地域の景気DIであるが、「地域の景気に対する現状判断DIは、41.5となり、前月より0.6ポイントの増加(改善)となった。見通しDIは、0.8ポイント増加(改善)し、43.1であった。」とのことで、厳しいながらも、若干改善傾向が見られるようである。
このように、2010年5月度の食品スーパーマーケット業界の売上速報は昨対98.0%となり、青果、惣菜は若干のプラス、その他はすべてマイナスという厳しい売上げであった。また、各地域の売上げもすべてマイナスという厳しい状況である。さらに、景況感も売上DI、収益率DI、客単価DI、地域の景気DI、すべての現状、見通しともに厳しい状況である。したがって、当面、食品スーパーマーケット業界は厳しい経営環境が続くものといえよう。次回、6月度は7月の後半に公表予定であるが、その動向が気になるところである。
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