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July 11, 2010

マルエツ、2011年2月期決算、減収減益!

   マルエツが7/9、2011年度2月期、第1四半期決算を公表した。結果は、営業収益804.41億円(-6.0%)、営業利益 20.64億円(-2.6%)、経常利益20.10億円(-2.8%)、当期純利益-1.96億円となり、減収減益、しかも、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。当期純利益が赤字となった要因は、特別損失として賃貸不動産の転貸損失引当金繰入額等を計上しためであるが、それを差し引いても、厳しい決算であったといえよう。マルエツ自身も、「お客様の低価格志向が依然として強く、企業間の激しい価格競争が続いており、厳しい経営環境となっています。・・」と、コメントしており、経営環境が極めて厳しい状況であったとの認識である。

   そこで、特に、マルエツが減益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、70.96%(昨年71.94%)となり、昨年よりも0.98%下がっており、原価の改善が進んだ。この厳しいデフレ、それに伴う価格競争が激しい中、原価が改善している。結果、売上総利益は29.04%(昨年28.06%)となり、粗利が改善した。一方、経費の方であるが、28.69%(昨年27.42%)と、1.27%と大幅に上昇しており、原価とは一転、経費の上昇が見られる。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.34%(昨年0.63%)と半減した。原価は改善したが、経費がそれ以上に大きく上昇したため、差し引き、マーチャンダイジング力が厳しい結果となったといえる。それにしても、経費の上昇幅がかなり大きく、原価の改善を打ち消した形となり、厳しい利益構造となったといえよう。

   そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入がのるが、その数字は、2.28%(昨年1.89%)と上昇し、結果、営業利益は2.62%(昨年2.53%)と上昇した。決算概要では、営業利益が減益となったが、営業利益率で見ると、昨年を上回っており、営業利益は改善している。ただ、それ以上に、売上高が-6.0%と減少したことが響き、営業利益高では、減益となる結果となった。したがって、今期のマルエツは営業利益率では増益となったが、営業利益高では、売上高が減少し、減益となるという結果であり、売上ダウンが経営に大きく影響したといえよう。

   そこで、次に、売上高が減少した要因を客数、客単価から見てみたい。まずは、今期に入って、3ケ月間の売上高の昨対の推移であるが、3月(93.3%)、4月(94.7%)、5月(94.2%)と、厳しい状況である。その中身であるが、既存店の売上高、客数と客単価の状況を見ると、3月(売上高93.3%、客数95.7%、客単価97.5%)、4月(94.7%、95.3%、99.4%)、5月(93.7%、96.6%、97.0%)という状況である。したがって、客数、客単価ともに厳しい状況にあり、結果、既存店の数字が上がらず、全体の売上げに大きく響いているといえよう。

   一般に客数減は商圏構造によることが大きく、客単価減はマーチャンダイジングによることが大きいが、マルエツの状況を見ると、双方が落ちており、商圏構造も、マーチャンダイジングも大きく変化し、その変化に対応できていないようである。ただ、本来、既存店が厳しい状況にあっても、新店でカバーし、売上げは既存店ほど落ち込むことはないといえるが、結果を見ると、全体の売上げも94%前後であり、新店も思うように進んでおらず、既存店の厳しい状況がダイレクトに全体へ反映された形となったといえよう。
 
   そこで、マルエツの出店余力を見てみたい。まずは、自己資本比率(純資産比率)であるが、45.39%(前決算時46.68%)と若干減少したが、食品スーパーマーケットの平均が約40%であり、若干高めの自己資本比率である。したがって、約50%強を負債に依存する財務構造となっているが、その中身は有利子負債が274.30億円(前決算時293.09億円)となり、総資産の21.33%(前決算時23.22%)と、金額で約20億円、率で約2%改善している。一方、出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金等の合計であるが、872.33億円(前決算時873.05億円)とほぼ前決算時と同じ数字であり、総資産に占める割合は、67.85%(前決算時69.17%)と、約70%の比率である。
   
   したがって、ここから出店余力、すなわち、自己資本比率でどこまで、出店にかかわる資産をカバーできているか、自己資本比率-出店にかかわる資産を算出して見ると、-22.46%(前決算時-22.49%)と、約-20%強であり、かなりの部分を負債に依存する出店構造であり、ほぼ、有利子負債分に当たる比率である。したがって、キャッシュを新規出店よりも、有利子負債の削減に優先的に配分せざるを得ず、新規出店が思うようにできない財務構造にあるといえよう。
   
   このように、今期、2011年2月期の第1四半期のマルエツの決算は厳しい結果となり、率では営業増益となったが、額では売上高が93.68%となり、カバーできず、営業減益となった。それだけ、売上高のダウンが響いたといえる。しかも、既存店は客数、客単価ともにダウンし、厳しい結果となった。本来、既存店が厳しい状況にあっても、新店を順調に出店できれば、全体では、売上高を維持、成長させることも可能であるが、マルエツの場合は、出店余力も-22.46%と低く、成長戦略を描くには厳しい財務状況にある。今後、このような厳しい状況を打開するには、まずはキャッシュの獲得といえ、今後、マルエツが、特に、今期、厳しかった経費の改善を含め、キャッシュの獲得をどのように改善してゆくのかが課題となろう。次の決算である中間がどのような結果となるか、その動向に注目である。

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