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July 29, 2010

コンビニ、売上速報、6月度、全体12ケ月ぶりプラス!

   (社)日本フランチャイズチェーン協会が7/20、2010年6月度の売上速報を公表した。結果は全体の売上高が6,605.13億円、昨対0.9%となり、12ケ月ぶりにプラスに転じた。店舗数は42,889店舗であり、対象チェーンは、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11チェーン、ほぼ日本のコンビニを網羅しており、信頼のできる数字である。ただ、既存店は-1.5%と13ケ月連続ダウンとなっており、依然として、コンビニを取り巻く消費環境は厳しい状況が続いているといえよう。

   では、全体の売上高が0.9%のプラスに転じた要因であるが、来店客数と客単価で見てみると、客数は11.89億人(1店舗当たり924人)となり、2.2%のプラスであった。一方、客単価は555.4円と-1.3%のマイナスとなった。したがって、客単価のダウンを客数でカバーした形であり、客数アップが売上アップの要因である。では、さらに、その客数が伸びた要因であるが、店舗数は先に見たように42,889店舗であり、これは、昨年と比べ1.6%の増加である。ところが客数は2.2%のプラスであるので、店舗数以上に客数がのびており、新店の客数が予想以上に伸びた結果であり、新店の客数が特に好調であったと思われる。

   そこで、コンビニの客数の状況であるが、7/28の日経MJで恒例の2009年度のコンビニ特集を組んでおり、その中にコンビニの1店舗当たりの平均来店客数ランキングが掲載されている。それを見ると、No.1はJR東日本リテールネットであり、1,844人(-3.6%)である。以下、No.5まで鉄道系が続く。No.2は小田急商事1,747人(-1.5%)、No.3阪急リテールズ1,549人(8.5%)、No.4ジェイアールサービスネット岡山1,485人(-6.7%)、そして、No.5ジェイアールサービスネット広島1,303人(-)という結果である。残念ながら、これらのコンビニは先の(社)日本フランチャイズチェーン協会の集計の対象外であるが、すごい数字である。いかに、駅中のコンビニの客数が多いかがわかる。

   ちなみに、客単価であるが、JR東日本リテールネット338円(-1.7%)、小田急商事366円(1.7%)、阪急リテールズ330円(-2.4%)、ジェイアールサービスネット岡山350円(-2.2%)、ジェイアールサービスネット広島355円(-)であり、客数とは対照的に低い数字であり、(社)日本フランチャイズチェーン協会の対象チェーンの平均555.4円と比べてもかなり低い数字といえる。駅中のコンビニは客単価よりも客数をあげることで売上げアップをはかっているのが鮮明である。

   さて、(社)日本フランチャイズチェーン協会の対象チェーンにもどると、全体の数字は堅調な結果となったが、既存店はどうかを見てみたい。まず、既存店の売上高であるが、先に見たように、-1.5%と13ケ月連続のマイナスとなったが、その要因は客数0.04%、客単価-1.6%と、客単価のダウンが原因であるといえる。全店も客単価はダウンしており、この6月度の数字を見る限り、コンビニの客単価のダウンが鮮明であり、これを必死に客数でカバーしようとしている姿が浮かび上がる。

   そこで、先と同様、日経MJのコンビニ特集の客単価のランキングを見てみたい。No.1ハセガワストア861円(3.5%)、No.2大津屋717円(-8.1%)、No.3コスモスジャパン640円(-1.5%)、No.4セブンイレブン・ジャパン604円(-2.7%)、No.5サークルKサンクス573円(-2.4%)、No.6ローソン569円(3.4%)、No.7シー・ヴイ・エス・ベイエリア558円(-2.8%)、そして、No.8ファミリーマート540円(-2.0%)という状況である。No.1のハセガワストアを除き、軒並み客単価ダウンであり、2009年度の平均数字であるが、厳しい状況であることがわかる。ただ、上位はほとんど、(社)日本フランチャイズチェーン協会の対象チェーンであり、客単価のダウンは見られるが、その数字はコンビニ業界ではトップクラスであるといえよう。

   再び、(社)日本フランチャイズチェーン協会の6月度の売上速報にもどるが、では、商品別ではどうかを見てみたい。日配食品0.6%(構成比33.5%)、加工食品0.3%(構成比30.2%)、非食品0.2%(構成比31.6%)、そして、サービス11.3%(構成比4.7%)という結果であり、いずれもプラス、特に、構成比は小さいがサービスの伸びは顕著である。ただ、%の伸びはサービスを除くとわずかであることから、全体、既存店同様、客数に支えられた伸び率であるといえ、商品で見ても、客単価の伸びはサービス以外厳しい状況であるといえよう。

   こう見ると、この6月度のコンビニの数字は全体の売上高は12ケ月ぶりにプラスに転じ、明るい兆しも見え始めたともいえ、特に、すべての商品部門がプラスになったことが大きいといえよう。ただ、依然として、既存店の売上げは13ケ月連続でマイナスが続いているのも事実であり、特に、客単価の落ち込みが、全体も同様に原因といえる。その意味で、今後、コンビニの売上げが回復基調になるかどうかは、この客単価にかかってきたといえ、7月以降、各社の客単価がどのような推移となるか注目といえよう。

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