小売業売上高ランキング、日経MJ、ベスト100を見る!
恒例の日経MJ、小売業売上高ランキング2010が6/30、公表された。結果は約500社の平均売上高が昨対-1.6%と、1967年のこの調査が開始されてからはじめて前年を下回り、改めてデフレ環境の中、小売業の売上高が厳しい状況が浮かび上がった。業態別で見ると、都市百貨店、地方百貨店ともに-8.7%、持ち株会社-4.8%、全国スーパー(GMS)-4.7%、生協-2.5%、地方スーパー-0.4%、地域スーパー-0.1%と、軒並みマイナスとなり、プラスとなったのは、コンビニエンスストア4.0%、専門店2.8%のみであった。
この調査は日経MJが小売業を営む店舗を持つ企業および協同組合の1,528社が対象であり、調査票を郵送し、回収している。今回はこの内、762社(有効回収率49.86%)であったという。また、上場企業に関しては、日経新聞のNEEDS(データバンク)も活用しているという。したがって、ほぼ日本の主要小売業は網羅しており、現時点における小売業界の実情が明確に浮かぶ上がっているといえよう。
その結果であるが、No.1は昨年同様セブン&アイ・ホールディングスであり、5兆1,112.97億円(-9.5%)であった。No.2も昨年同様イオンであり、5兆543.94億円(-3.4%)であり、この2社がともに5兆円を超え、断トツの売上高である。そして、No.3がこれも昨年同様ヤマダ電機であり、2兆161.40億円(7.7%)と、ほとんどの小売業が昨対を切る中、プラスとなった。参考にビックカメラであるが、No.13となり、昨年の11位から順位を落とし、売上高は5,891.77億円(-6.6%)と昨対を割った。池袋本店でのヤマダ電機との激しい競争が全体へ影響を与えたのではないかと思われる。
家電業界はビックカメラは厳しい数字であったが、総じて好調であり、No.9のエディオン8,200.30億円(2.1%)、No.13のケーズホールディングス6,486.28億円(13.0%)と、エコポイントの追い風もあったと思うが、プラスとなった企業が半分近い。逆にマイナスとなったのは、先にあげたビックカメラに加え、No.11のヨドバシカメラ6,836.20億円(-2.5%)、No.19のコジマ4,382.55億円(-4.7%)であった。
順位にもどると、No.4も昨年同様、三越伊勢丹ホールディングス1兆2,916.17億円(-9.5%)、No.5も昨年同様、ユニー1兆1,344.27億円(-4.7%)であり、ここまでが小売業界で1兆円の売上高を超えた企業である。また、単独では、イオンリテールが1兆8,503.01億円(-9.1%)、イトーヨーカ堂1兆3,878.31億円(-5.1億円)と、この2社が1兆円を超えている。
また、気になる小売業としては、ファーストリテイリングが昨年の12位からNo.10に入り、6,850.43億円(16.8%)と急激な売上高の伸びである。また、No.15には昨年の22位から躍進、ドン・キホーテが入り、4,808.56億円(18.8%)と、急成長を遂げている。全体としてはベスト9までは変化がないが、10位以降変化があり、小売業界もこのデフレ環境で様々な影響が出始めているといえよう。
さて、このような中で、食品スーパーマーケット業界であるが、No.14に昨年の15位からイズミが入り、4,921.40億円(-1.6%)となり、食品スーパーマーケット業界ではトップの売上高となった。これについで、No.17、食品スーパーマーケット業界では2位にライフコーポレーションが4,688.58億円(1.3%)で入り、この2社が小売業界ベスト20位以内に入った企業である。
以下、食品スーパーマーケット業界3位以下、10位までを見てみたい。3位(No.24)は平和堂3,857.31億円(-6.4%)、4位(No.26)はイズミヤ3,685.91億円(-3.3%)、5位(単独のため順位なし)はヨークベニマル3,487.35億円(-0.0%)、6位(No.28)はバロー3,449.00億円(2.5%)、7位(No.31)はマルエツ3,369.38億円(-1.6%)、8位(No.32)はベイシア3,176.01億円(3.4%)、9位(No.34)はフジ3,026.86億円(-5.8%)、そして、10位(No.37)はオークワ2,895.23億円(4.7%)である。以上が、2010年度、食品スーパーマーケットの売上高ベスト10である。
さらに、もう少し、食品スーパーマーケット業界の順位を追ってみたい。11位(No.42)アークス2,707.22億円(6.6%)、12位(No.45)コープこうべ2,505.00億円(-5.8%)、13位(No.46)コープさっぽろ2,441.92億円(2.3%)、14位(No.47)万代2,437.45億円(4.4%)、15位(No.48)サミット2,383.37億円(0.8%)、16位(No.52)いなげや2,236.62億円(-2.0%)、17位(No.53)カスミ2,169.01億円(4.1%)、18位(No.54)オーケー2,158.41億円(12.1%)、19位(No.57)ヤオコー2,064.96億円(-0.9%)、そして、20位(No.59)マルナカ2,049.62億円(4.2%)である。以上がベスト20位の食品スーパーマーケットであるが、奇しくも、ここまでが売上高2,000億円以上の食品スーパーマーケットである。
このように、2010年度の小売業の売上高は厳しい数字となり、この調査がはじまって以来前年を割るという結果となった。食品スーパーマーケット業界も例外ではなく、ここに上げたベスト20位の内、昨対をクリアーしたのはライフコーポレーション、バロー、ベイシア、オークワ、アークス、コープさっぽろ、万代、サミット、カスミ、オーケー、マルナカの11社、約半分であり、9社が昨対割れという状況である。日経MJの1面では、「投資厳選、海外出店へカジ」、「市場開拓へ国境超え」との見出しで、今後、小売業も海外、特に中国等、アジア市場の開拓が成長戦略の鍵を握るとのことであるが、少子高齢化が急激に進む国内市場のみでは確かに成長は厳しいものとなろう。今後、食品スーパーマーケットはもちろん、小売業がどのように海外市場へ動いてゆくか、その動向に注目である。
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