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August 03, 2010

家計調査データ2010年6月度、食品98.1%!

   総務省統計局から、7/30、2010年6月度の家計調査データが公表された。結果は、外食を除く食品が1世帯、1日当たり1,947.93円となり、率にして、98.1%となり、消費環境は依然として厳しさが続いているといえよう。本ブログでは、家計調査データを食品スーパーマーケットの客単価(金額PI値)と連動を図るために、独自に工夫し、家計調査データでは1世帯1ケ月当たりの消費額を1世帯、1日当たりの消費額に換算している。また、その数字をさらに、消費世帯のみの消費額と消費世帯の割合に分解し、より、消費実態を深く掘り下げている。ここでは、これらの数字を駆使し、特に、食品スーパーマーケットとかかわりの深い商品について、その最新動向を解説したい。

   外食を除く食品については、1,947.93円(98.1%)となったが、全体は9,216.47円(99.7%)となり、0.3ポイント下がった。また、外食は391.27円(95.2%)と、食品以上に下がっており、結果、この6月度は、食品、全体、そして、外食ともに昨対を下回る厳しい消費状況であったといえる。それにしても、日本国民の平均的な消費生活はほぼ1日1万円であり、その内、約2,000円が食品に使われ、約400円が外食に使われているといえ、生活の実態が分かりやすい数字であるといえる。ただ、この数字がいずれも、昨対を割っており、食品スーパーマーケットを取り巻く消費環境は厳しさを増しているといえよう。

   そこで、食品について、まずは、大分類の動向を見てみたい。この6月度、消費を伸ばした部門であるが、乳卵類111.20円(100.2%)、調理食品253.23円(101.9%)、飲料141.33円(101.0%)、野菜・海藻293.60円(100.0%)の4部門である。こう見ると、伸びた部門もわずかな伸びに留まっており、残りの部門はすべて、昨対を割り、この6月度が厳しい消費であったことがわかる。その昨対を割った部門であるが、穀類218.77円(99.1%)、魚介類206.10円(94.5%)、肉類196.07円(93.9%)、果物92.10円(91.8%)、油脂・調味料112.83円(97.5%)、菓子類197.30円(97.1%)、酒類125.37円(99.6%)という状況であり、野菜・海藻類を除く生鮮3品が特に厳しい状況であったといえよう。ちょうど、すでに、本ブログでも取り上げたように、この状況は消費者物価指数とも連動しており、デフレがまさに、消費環境に影響を与えているといえよう。

   では、さらに、踏み込んで小分類を見てみたい。伸びた部門の中で特に、伸びた項目であるが、乳卵類ではバター2.23円(108.1%)、ヨーグルト25.53円(104.6%)が堅調な動きを示した。野菜・海藻ではじゃがいも8.97円(118.5%)、たまねぎ7.60円(113.4%)、干ししいたけ1.20円(112.5%)、梅干し5.60円(120.0%)、はくさい漬1.50円(109.8%)、こんぶつくだ煮3.23円(106.6%)等の伸びが高い。特に、いわゆる土物類の数字が顕著であり、これも、消費者物価指数では大きく高騰した項目であり、連動性が高いといえよう。調理食品では、弁当34.60円(105.2%)、うなぎのかば焼き9.53円(107.1%)、コロッケ5.63円(105.6%)等である。そして、飲料では、緑茶13.90円(109.2%)、炭酸飲料11.53円(109.8%)、乳飲料3.77円(105.6%)等である。これらの項目が、比較的堅調な結果となっており、この6月度の消費を牽引したといえよう。

   一方、これに対して、消費が大きく落ち込んだ項目を見てみたい。穀類では生うどん・そば8.43円(89.4%)、スパゲッティ3.27円(89.1%)であり、魚介類ではさんま1.23円(80.4%)、えび7.73円(82.9%)、かき(貝)0.10円(75.0%)、ほたて貝3.50円85.4%)、煮干し0.93円(82.4%)等である。肉類では牛肉が44.97円(88.1%)と大きく落ち込んでいる。果物ではぶどう3.30円(71.2%)、もも1.87円(58.9%)、メロン8.77 円(71.5%)、バナナ15.30円(83.9%)であり、特にバナナは昨年のバナナブームの反動も大きく、落ち込み幅が大きい。

   油脂・調味料では、食用油9.27円(88.5%)、マーガリン2.37円(85.5%)、しょう油5.53円(86.0%)等が落ち込みが大きい。菓子ではようかん2.13円(85.3%)、キャンデー5.50円(82.9%)、チョコレート菓子2.33円(88.6%)が大きく落ち込んでいる。そして、酒類であるが、清酒12.80円(87.9%)、ワイン5.73円(74.5%)等の落ち込みが大きい。ただし、発泡酒・ビール風アルコール飲料26.63円(141.2%)、ウイスキー3.60円(110.2%)と良く伸びている項目もあり、酒類は明暗が分かれている。ちなみに、猛暑関連であるが、先に上げた発泡酒・ビール風アルコール飲料26.63円(141.2%)、炭酸飲料11.53円(109.8%)以外では、アイスクリーム・シャーベット28.03円(102.7%)、グレープフルーツ3.97円(119.0%)、オレンジ3.23円(142.6%)等が良く伸びている。

   このように、この6月度の家計調査データの結果を見ると、全体的に厳しい消費環境であったといえる。すでに本ブログでも取り上げたように消費者物価指数のデフレ傾向を色濃く反映しており、消費環境が厳しい状況にあるといえよう。特に、消費者物価指数でもそうであったが、農産部門以外の生鮮食品が消費者物価指数を下げていたが、家計調査データでも同様な傾向が出ており、デフレと消費の伸び悩みはほぼ連動しているといえる。デフレは今後当面継続することが見込まれるので、恐らく、結果、消費も厳しい状況が続くものといえよう。ただ、猛暑による消費押上げ効果も出始めているともいえ、来月、この猛暑がどのように消費に影響を与えるか注目である。

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