コンビニ売上速報、2010年7月、売上Up、客単価Down!
8/20、(社)日本フランチャイズチェーン協会から、2010年7月度のコンビニの売上速報が公表された。異常な猛暑が続いた7月度の数字であり、どのような結果となるかが注目される中、全体は2.6%、既存店は0.5%増となり、全店は2ケ月連続のプラス、既存店は14ケ月ぶりのプラスとなる快挙となった。ただ、既存店の客単価は-1.8%と20ケ月連続のマイナスであり、客数が2.3%となったことが売上げを押し上げる要因となっており、客数アップ、客単価ダウンが気になるところである。ちなみに、対象コンビニはココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、
デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの10社、42,995店舗の結果であるので、ほぼ、日本のコンビニ全体を網羅しているといえる。
そこで、客単価の動向を過去20ケ月間見てみると、6月度-1.6%、5月度-2.3%、4月度-1.9%、3月度-3.4%、2月度-2.6%、1月度-3.8%、2009年12月度-2.9%、11月度-3.0%、10月度-2.8%、9月度-2.9%、8月度-3.8%、7月度-3.1%、6月度-4.8%、5月度-1.5%、4月度-2.0%、3月度-0.7%、2月度-1.3%、1月度-0.4%、2008年12月度-0.8%という状況である。見事に、客単価が20ケ月連続でマイナスであり、依然として、客単価に関しては厳しい状況が続いているといえよう。
一方、客数について、ここ数ケ月の動きを見てみると、6月度0.04%、5月度-1.0%、4月度-1.8%、3月度-1.6%、2月度-2.6%、そして、1月度-1.6%という推移であり、けっして、客数が安定しているわけではなく、7月度がこれまでの推移と比べ、堅調な伸びを示したといえ、6月までは、客数、客単価ともに厳しい状況が続いていたといえる。したがって、猛暑の影響は客単価には反映されず、客数に反映されたといえ、やや意外な結果といえよう。
そこで、商品面からこの7月度の動向を見てみると、(社)日本フランチャイズチェーン協会自身は、「当月は梅雨明け以降、晴れの日が多く月平均気温もかなり高くなり、東日本を中心に日最高気温が35℃以上の猛暑日となるなど厳しい暑さとなった。その影響を受け、個別商品動向としてはアイスクリームや冷し麺、飲料など、夏物商材が好調であった。・・」とコメントしており、アイスクリーム、冷やし麺、飲料などが好調であったとのことである。実際、これらを含む加工食品(構成比31%)の売上高は5.8%と高い伸びを示している。全体が2.6%であるので、2倍以上の伸びである。ちなみに、加工食品の内容は、「ソフトドリンク(乳飲料を除く)、アルコール飲料(日本酒、ウイスキー、ワイン等)、アイスクリーム、」等であり、これらが全体を押し上げたといえよう。そして、冷やし麺などが含まれる日配食品(構成比34.3%)であるが、3.5%と、加工食品ほどではないが、全体の2.6%以上の伸びとなっており、やはり、日配食品も全体を牽引したといえよう。
逆に、非食品(30.4%)は-2.2%と全体の2.6%を下回っており、やや厳しい結果となった。特に、この7月度は昨年のtaspoの余韻が若干残っており、その反動もあったものと思われる。ただ、8月からは昨年も数字が下がっており、taspo効果は8月で完全に切れたといえ、今後、この雑貨は来月、すなわち、8月以降数字が伸びてくるものと予想できる。したがって、8月以降も前半の猛暑に加え、後半、残暑が続けば、コンビニ全体の数字は期待できそうな状況といえる。ちなみに、コンビニのもうひとつの分類、サービス(4.3%)であるが、構成比は低いが、伸び率は7.8%と最も高く、注目である。その中身は、「コピー、ファクシミリ、宅配便、商品券、ギフト券、乗車券、各種チケット、テレフォンカード、宝くじ、D.P.E、レンタル、航空券、宿泊券、クリーニング等」であり、何が伸びたかは公開されていないが、興味のあるところである。
こう見ると、この7月度のコンビニは売上げは確かに伸びたが、その要因は客数に支えられた伸びであり、その客数を牽引したのが、アイスクリーム、冷やし麺、飲料などの猛暑関連商品といえよう。ただ、肝心の客単価はむしろ下がっており、しかも、20ケ月連続でマイナスであり、この7月度は一時的な売上増であるといえ、コンビニの売上げが復活したとはいえず、依然として厳しい状況にあるといえよう。ちなみに、コンビニの既存店の客単価であるが、2008年度平均が587.4円、2009年度平均が572.8円、そして、7月度568.5円、6月度549.8円、5月度558.2円、4月度562.9円、3月度566.6円、2月度566.2円、1月度573.6円であるので、かなり、深刻な客単価の推移であるといえる。
現在、すでに8月半ばとなっているが、猛暑はまだ続いており、8月度もほぼ7月度と同様な傾向となる可能性が高いといえ、堅調な売上増となるものと予想される。ただ、既存店の客単価は先に見たように依然として厳しい状況が続くものと予想され、この客単価の回復がコンビニの本格的な回復のバローメーターともいえよう。今後、いつ、既存店の客単価が反転し、プラスに転じるか、注目したい。
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