PLANT、2010年9月期、期第3四半期決算、減収増益!
PLANTが7/30、2010年9月期の第3四半期決算を公表した。結果は売上高614.92億円(-4.5%)、営業利益15.14億円(168.5%)、経常利益14.24億円(223.1%)、当期純利益7.71億円(136.7%)と、減収大幅増益となり、売上高の方は依然として厳しい状況が続いているが、利益の方は大幅な増益となった。なお、残り3ケ月を加えた通期予想であるが、売上高870.00億円(0.1%)、営業利益22.00億円(52.7%)、経常利益20.00億円(78.0%)、当期純利益10.00億円(61.4%)と増収増益、売上高の方もわずかに昨対を超える予想であり、やや売上面では気になるが、PLANTの業績回復、特に利益の改善が鮮明である。
PLANT自身は、「・・消費者の生活防衛意識から低価格・節約志向がなお一層強まり、低価格販売による競争激化で商品単価が下落し、買上点数も減少したことから厳しい経営環境となりました。・・」とのことで、売上高は、平均単価、買上点数の減少、すなわち、客単価の減少が大きく、厳しかったとのことである。一方、利益に関しては、「・・利益におきましては、従来から取り組んでまいりました「在庫管理」「値入向上とロスの削減」のほか、昨年8月より導入した「生鮮管理システム」の本格稼動により、粗利益率の改善が図れました。また店舗運営において人時生産性を意識した人事管理が定着したことにより作業効率の向上が実現し、主に人件費や販売費を売上高に応じてコントロールすることができた結果、・・」とのことで、業務改善が大幅な増益につながったとのことである。
そこで、実際、PLANTの収益構造がどのように変化したのかを原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、80.13%(昨年80.69%)と0.56ポイント減少しており、PLNATのコメントをまさに反映しているといえよう。結果、売上総利益は19.87%(昨年19.31%)と改善した。PLANTのコメントにもあったように、「・・低価格販売による競争激化で商品単価が下落し、・・」という中で原価を改善しており、結果これが利益の改善に寄与したといえよう。一方、経費の方であるが、17.41%(昨年17.92%)となり、0.51ポイント改善した。まさに、経費コントロールが利益改善に結びついた結果といえよう。したがって、利益を原価、経費ダブルで1.07ポイントと大きく改善しており、大幅な増収を達成したといえる。ちなみに、PLANTの粗利19.87%、経費17.41%は2010年度、決算公開企業約50社の中では、いずれもベスト5位入る低さであり、原価小、経費小の典型的なマーチャンダイジング構造である。
PLANTはその他営業収入がないため、結果、差し引き、マーチャンダイジング力=営業利益となり、2.46%(昨年1.39%)と、大幅な営業利益の改善となった。売上高は苦戦したが、原価、経費をバランス良く改善し、利益を確保しており、PLANTの業務改革が確実に進み、浸透しているといえよう。今後は、さらに収益性を高めると同時に、いかに、売上高を引き上げるかに焦点が当たりはじめたといえよう。
その売上高の直近、この7月度の結果であるが、全体の売上高-6.2%、客数-1.2%、客単価-5.0%という結果である。下期4ケ月(4月から7月まで)の類計でも売上高-5.3%、客数-1.0%、客単価-4.3%という状況であり、売上高は厳しい状況が続いており、通期予想の売上高0.1%の達成は難しい状況のように思われる。ただ、利益は順調といえ、売上高のマイナスをカバーし、プラスに転じ、ほぼ予想どおりゆく勢いであるといえよう。
さて、PLANTの財務面も見てみたい。まずは、キャッシュフローであるが、売上高が低迷している大きな理由は新店が財務上出店できない状況にあり、既存店のみの売上高でカバーせざるをえないことによる。実際、投資活動によるキャッシュフローの出店にかかわる投資、有形固定資産の取得による支出を見ると、昨年は-1.81億円であったが、今期は-0.09億円であり、実質、新店への投資は0であり、当面、新店の予定はないといえよう。したがって、既存店の活性化が売上高を引き上げることになり、売上高は依然として厳しい局面が続くといえよう。
また、財務を大きく圧迫している有利子負債の状況であるが、財務活動によるキャッシュフローを見ると、前期は6.73億円のプラスと有利子負債の増加がみられるが、今期は-22.22億円と大きくマイナス、すなわち、返済をしており、結果、トータルの有利子負債は168.70億円(総資産対比47.40%)となり、昨年の190.94億円(50.41%)から改善している。ただ、まだ、総資産の50%近い数字であり、依然として、財務を大きく圧迫している。純資産比率も20.53%(昨年17.43%)という状況であり、厳しい財務状況といえ、新規出店は当面、厳しい状況にあるといえよう。
このようにPLANTの2010年9月期の第3四半期の決算は減収増益と、売上高は財務状況が厳しく、新店を出せない状況にあり、既存店のみの集計であり、やや厳しい結果となったが、利益は業務改善が浸透しはじめ、確実に改善しており、大幅な増益となった。当面、PLANTとしては、既存店の活性化に注力せざるをえない状況にあるといえるが、利益が上向いたことは大きく、今後、財務の改善、そして、新店の出店へとつながる流れができつつあるといえよう。本決算まであとわずかであるが、今期、どこまで、利益の改善につながるかその結果に注目である。
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