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August 12, 2010

日経ビジネスでスーパー特集、外資攻勢!

   日経ビジネス2010年8/9、8/16合併号で、スーパー特集が組まれた。タイトルは、「スーパー最終戦争、ウォルマート急襲、迎え撃つ日本勢」である。特集の冒頭の記事が衝撃的な内容でスタートしており、スーパー最終戦争を象徴する書き出しで始まっている。その冒頭の見出しであるが、「北海道、10年の興亡、イオン脱落、そして最後の決戦へ」である。小見出しは、「2000年、帝国の宣戦布告」、「2009年、勝者なき消耗戦」、そして、「2010年、青い目の刺客」であり、北海道商圏でのイオンの10年の軌跡をコンパクトに解説した記事からはじまる内容である。さらに、特集記事の最後は、「さらば“2強”」という見出しであり、イオンに加え、イトーヨーカ堂も外資にのみ込まれるのではないかという内容で終わる特集であり、イオンではじまり、イトーヨーカ堂で終わるという特集記事である。

   記事全体は全部で19ページ、見出しは、先のプロローグとエピローグに加え、巨艦・外資の破壊力(コストコ、メトロ、テスコ、ウォルマート)、奮闘・地方スーパーの局地戦(ヤオコー、ハローデイ、サンシャインチェーン本部)、国内勢「反撃の旗手」登場(神戸物産、バロー)であり、大きくこの3つの特集で構成されている内容である。特に、食品スーパーマーケットに関しては、「奮闘・地方スーパーの局地戦」のところで取り上げられているが、はじめの「巨艦・外資の破壊力」のところでも、日本地図の上に、主要食品スーパーマーケットがプロットされ、その売上高と昨対が示されている。そして、これと主要外資小売業を対比させ、「攻め込む外資、迎え撃つ地域店」というタイトルで図表化されており、圧巻である。

   この特集のタイトル、スーパー最終戦争とは、イオン、イトーヨーカ堂の2強と地域食品スーパーマーケットとの激しい局地戦争により、2強が体力を使い果たし、外資へのみ込まれ、その後、勝ち残った地域の食品スーパーマーケットが反撃にでて、外資との最終戦争がはじまるのではないかという内容である。最終とは日本の地域食品スーパーマーケットも最終的に外資にのみ込まれるのか、それとも勝ち残るのか、現在、その死闘前夜にあるということである。やや無理のある構図であるが、北海道、九州等では、まさにこの縮図とでもいうべき事態が、先駆けて起こりつつあるともいえる。ただ、これが日本全国でも同様な状況になるかは現時点では読めないといえ、この構図とは全く違う状況になる可能性もあるといえよう。

   最終戦争の結果、勝者がひとつに決まる、決戦のような戦いに食品スーパーマーケットと外資がなるのか、その前の段階でも、2強、イオンとイトーヨーカ堂が主要市場、関東、関西でも北海道、九州のようになるのか、予想は難しいといえよう。また、外資も現在デフレの追い風に乗っているが、今後とも好調に推移するかは分からず、カルフールがイオンに店舗を売却したように、逆の構図も当然考えられることである。むしろ、それぞれが、ある程度は戦いながら、住み分けてしまうこともありうることでもあり、収斂せず、均衡安定になるとも限らず、現時点で「スーパー最終戦争」とするにはかなり無理がある構図といえよう。

   今回の特集記事の中で、奮闘・地方スーパーの局地戦で取り上げられているヤオコー、ハローデイ、サンシャインチェーン本部、そして、国内勢「反撃の旗手」登場で取り上げられた神戸物産、バローの記事は興味深い内容であり、一読の価値十分である。特にヤオコー、ハローデイ、サンシャインチェーン本部が奮闘しているのは生鮮食品であり、ここがイオン、イトーヨーカ堂の2強、そして、外資と現時点では決定的に差別化されているところであり、最大の強みであるといえよう。しかも、この3社ともこの生鮮食品に経営資源の大半を投入し、従業員の英知を結集し、創意工夫を凝らし、独自固有の領域にまで高めているところがすごいといえる。また、神戸物産のライブキッチン、バローの低価格PBについての記事も興味深い内容であり、国内勢「反撃の旗手」登場といえるかどうかは別として、先の3社とは次元の違う取組みは注目といえよう。特に、神戸物産は業務スーパーが事業の中核であるが、今後は独自の技術、ノウハウで外食、惣菜へ本格参入とのことで、今後の展開が気になるところである。

   このように、「スーパー最終戦争」をテーマに掲げた日経ビジネスの特集記事であるが、確かに、北海道、九州等では最終戦争に近い動きもあるが、日本全国で見た場合、まだまだ最終戦争と呼ぶにはやや無理があるといえる。ただ、ここで取り上げられたイオン、イトーヨーカ堂と戦い、外資を迎え撃つ象徴として取り上げたれたヤオコー、ハローデイ、サンシャインチェーン本部、そして、反撃の旗手としての象徴的な企業、神戸物産、バローの記事は興味深い内容であり、日本の食品スーパーマーケットの強さが改めて浮かび上がっており、参考になるといえよう。次回、同じテーマで第2弾、50ページぐらい使い、日本全国の局地戦、外資との競合状況等の特集を期待したいところである。

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