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August 22, 2010

フリーミアムが注目されている!

   IT MedeaというIT関連のホームページを見ていたら、興味深い記事が掲載されていた。ループス・コミュニケーションズ社の斎藤徹氏の記事である。タイトルは「「ソーシャルゲーム」はどうして儲かるんだろう?- その重要指標と収益方程式を考察する」であり、その中の一節に、「フリーミアムモデル ~ 顧客数と利用者単価をともに向上させる奇跡のモデル」というテーマの記事がある。まさに、客数と客単価のことであり、ソーシャルゲーム、すなわち、mixi、GREE、DeNA(モバゲー)などが、客数と客単価を同時に向上させるビジネスモデルを作りあげたという内容である。そして、その鍵となるキーワードが「フリーミアム」であるという。

   実際、その注目度は半端ではなく、この記事の冒頭で、ひとつのグラフが掲載されている。Virtual Goods Investment Reportからの引用であるが、世界中のファンドマネーがソーシャルゲーム分野に熱い視線を注いでいるというグラフであり、昨年度(2009年)後半から異常にソーシャルゲーム分野への投資が増加しており、それまで四半期ベースで100億円前後であった投資が、第4四半期には約850億円となり、明らかに加熱している。記事では、その理由が、ソーシャルゲーム業界が金脈、すなわち、フリーミアムモデルを作り上げたことにあるということである。

   ちなみに、フリーミアムとはfreemium = free + premiumのことであり、freeと premiumを合わせた造語である。ごく単純化すれば、free で客数をアップし、premiumで客単価アップにつなげ、結果、客数と客単価が2重螺旋状に相乗効果を発揮しながら伸びてゆくということである。したがって、このフリーミアムに目覚めたモバゲー、ここ最近稀に見る大ヒットゲームといわれる怪盗ロワイヤルがまさに、そのフリーミアムの象徴ともいうべき金脈のゲームとして注目されているとのことである。

   ちなみに、斎藤氏の関連記事、「決算発表から読む3大SNSの現状と今後」も興味深い内容であり、この中でmixi、GREE、DeNA(モバゲー)の直近の決算比較をしており、まさに怪盗ロワイヤルのDeNA(モバゲー)が圧倒している決算結果となっている。そして、その記事の最後に米国Business Insider誌の記事を取り上げており、Google、Yahoo、Twitter等のユニークビジターあたりの2009年度売上高が比較されている。記事では日本円に換算しており、これを見ると、トップはGoogleで138円、ついでAOL90円、Yahoo45円、・・、Twitter5円となっており、Googleの優位性が明らかである。ただ、同じ指標で日本の企業を比較すると、DeNA(モバゲー)で 約506円,GREEで約260円となるという。したがって、いかに、怪盗ロワイヤルがすごいかが鮮明であり、Googleの4倍弱という圧倒的な数字であり、この指標では日本が世界をリードしているといえる。

   興味深いのは、フリーミアムも、今、示したユニークビジターあたり売上高も客数、客単価の問題であり、IT業界も食品スーパーマーケット同様、客数と客単価をいかに伸ばし、売上げを上げるかという点においては全く同じ土俵にいるという点である。そして、このフリーミアムという客数、客単価を同時に引き上げる方程式を開発したがゆえに、劇的に企業業績を向上させ、しかも、投資家から熱い視線が注がれているという点である。

   ちなみに、客単価をIT業界ではどう表現しているかであるが、ARPU: Average Revenue per Userという指標で表している。そして、このUserがいわゆるページビューとなるか、先程のGoogleのようにユニーク会員になるかで分けているが、これは、食品スーパーマーケットでは金額PI値(客単価)かID金額PI値かの違いであり、全く、同じ指標を活用していることがわかる。先ほどの国内主要3社のARPU、すなわち、金額PI値であるが、mixi61円(広告52円、会員9円)、GREE177円(広告32円、会員145円)、DeNA(モバゲー)344円(広告30円、会員314円)という状況であり、この会員がまさにフリーミアムの金額PI値であり、ここで3社の差が決定的となっていることがわかる。しかも、DeNA(モバゲー)は怪盗ロワイヤルが大きく牽引しているという。

   では、ソーシャルゲーム業界で熱い視線が注がれているフリーミアムの食品スーパーマーケット版はないのか、すなわち、客数と客単価を同時にアップさせる方法はないのかというと、実は、古くから取り組まれている定番中の定番の販促手法、「試食」がそれに当たるといえよう。「試食」は、まさにフリーで客数を増やし、本体購入で客単価を引き上げる究極のフリーミアムといえ、何のことはない、これがソーシャルゲーム業界でいうフリーミアムの正体であるといえよう。したがって、「試食」の中に、客数、客単価を同時に引き上げるノウハウがまだまだ埋もれているといえ、ここを再度、食品スーパーマーケットとしても、見直し、再構築し、その応用問題を解くことが、今後の活性化の鍵を握っているといえよう。

   記事の中では客数が増える仕組みとして、口コミを指標化しており、バイラル係数 = 既存利用者から紹介された新利用者/既存利用者という指標で紹介されており、これが100%を超えた時、客数が増加するとのことであり、IT業界では重要な指標のひとつであるという。食品スーパーマーケットでいえば、既存顧客の満足度が次の新規顧客獲得につながるということであり、突き詰めれば、来店頻度をいかに引き上げるかに通じよう。

   このように、意外であるが、怪盗ロワヤルと食品スーパーマーケットは客数、客単価、そして、その同時追求を狙ったノウハウ、フリーミアムで繋がっているといえ、約300ある食品スーパーマーケットのカテゴリーひとつひとつを怪盗ロワイヤル化してゆくことが活性化の決め手になることを示唆しているといえよう。そして、これも、食品スーパーマーケットのIT化のひとつであろう。

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