食品スーパー、売上速報、2010年8月度、101.0%!
社団法人新日本スーパーマーケット協会から9/28、2010年8月度の売上速報が公表された。この売上速報はオール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、そして、社団法人新日本スーパーマーケット協会の食品スーパーマーケット業界3団体合同の調査レポートである。今回の回答企業は264社であり、その総合計の売上高は、8,069億9,422万円となり、伸び率では101.0%となった。小売業界の中では最大の統計数字であり、しかも、GMSは入っておらず、食品スーパーマーケットが主体であり、まさに、食品スーパーマーケット業界の食品スーパーマーケットの数字であり、規模、質ともに信頼のできるデータである。
特に、生鮮3品、青果、水産、畜産、そして、惣菜についても売上速報が公開されており、まさに食品スーパーマーケット独特の統計データであり、ここまで、この規模で数字が明らかになるのは食品スーパーマーケットが日本に誕生してはじめてのことである。食品スーパーマーケット業界にとっても、小売業界にとっても意義のあることであり、感慨深いといえよう。そこで、その生鮮3品、惣菜の結果であるが、青果1,044億118万円(構成比12.9%、昨対103.0%)、水産704億5,723億円(構成比8.7%、昨対97.9%)、畜産755億7,716万円(構成比9.4%、昨対98.6%)、そして、惣菜762億6,654万円(構成比9.5%、昨対103.1%)となった。
青果と惣菜の伸びが堅調であり、全体を牽引しているといえる。特に、惣菜の構成比が9.5%となり、水産の8.7%、畜産の9.4%を抜き去り、青果の12.9%に次ぐNo.2の部門となったことが大きいといえよう。10年前の食品スーパーマーケットでは考えられなかったことであり、それだけ、惣菜が食品スーパーマーケットの柱となったといえ、しかも、売上げを力強く牽引しているといえる。この構成比は食品スーパーマーケットによってまちまちであり、青果の強い食品スーパーマーケット、水産、畜産の強い食品スーパーマーケット、そして、惣菜の強い食品スーパーマーケット等あり、何を企業の柱にすえるかにより、違ってくる。ただ、マクロに見ると、食品スーパーマーケット業界全体ではやはり青果が生鮮、惣菜の中ではNo.1部門であるといえ、改めて、この12.9%は他の部門と比べても頭ひとつ抜けた数字であるといえる。
ついで、一般食品・その他3,680億5,007万円(構成比45.6%、昨対102.0%)、非食品合計1,122億4,203万円(構成比13.9%、昨対98.7%)である。その他には日配、菓子、酒等が入ると思われるが、日配独自の数字も見たいところである。ただ、日配の場合は食品スーパーマーケットにより分類がまちまちであり、たとえば、パンをどうするか、冷凍食品をどうするか、あるいは、練製品、漬物をどうするかにより、売上構成比が大きく違ってきてしまうので、全体の統計を取るのが難しいといえ、今回も分けられなかったのではないかと思われる。
ちなみに、この264社の食品スーパーマーケットの総店舗数は7,051店舗であり、1社当たり26.7店舗となり、約30店舗が標準的な食品スーパーマーケットであるといえよう。総売場面積は11,673,598平米であるので、1店舗当たり501.6坪となる。したがって、食品スーパーマーケットの平均売場面積は約500坪といえる。また、平均月商は1億1,445万円であるので、単純年間換算で13.73億円となる。ここから坪売上を算出すると273.7万円となる。こう見ると、この264社、7,051店舗の食品スーパーマーケットの平均イメージは年商約15億円弱、店舗面積約500坪、坪効率約300万円弱であり、企業としては、この様な食品スーパーマーケットを約30店舗チェーン展開しているといえる。そして、青果をNo.1部門として、惣菜、畜産、鮮魚の順に売上が高く、生鮮3品+惣菜の合計構成比は40.5%、これに食品、菓子、日配等が加わり、実に86.1%が食品で占められているといえ、500坪の大半が食品で埋まっているイメージである。
さて、この食品スーパーマーケットの売上速報は、もうひとつ、地域別の売上も集計されている。これを見ると、北海道・東北エリア101.2%(45店舗)、関東エリア100.5%(68店舗)、東海・北陸エリア100.2%(62店舗)、関西エリア102.4%(36店舗)、中国・四国エリア100.4%(37店舗)、九州・沖縄エリア100.9%(16店舗)という状況である。関西エリアの伸びが最も高いのが意外であるが、全エリア昨対100%を超えており、この8月度は全国的に堅調な伸びであったといえよう。
このように食品スーパーマーケット業界の2010年8月度の売上速報が社団法人新日本スーパーマーケット協会から公表されたが、デフレ環境の厳しい経営環境の中、猛暑のプラス効果もあったと思われるが、101.0%と堅調な伸びとなった。特に、青果、惣菜、そして、地域では関西が全体を牽引したといえる。それにしても、百貨店、GMSが苦戦する中、食品スーパーマーケット業界は比較的好調といえる。ちょうど、食品スーパーマーケット業界は、この8月度を組み入れた中間決算が現在続々と公表されはじめているが、この堅調な8月度の売上を反映し、中間決算結果も比較的堅調な結果となるのではないかと思われる。来月9月度も猛暑は続いているので、当面、この堅調な売上げは続くのではないかと思われ、次回、9月度の結果が気になるところである。
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