イオン、“NEW GENERATION”GMS 幕張1号店オープン!
イオンが9/18、元カルフール1号店、幕張店を改装し、今後のGMS改革のモデル店舗となる“NEW GENERATION”GMS 1号店をオープンした。この店舗には、「イオンのGMS改革の答え。それは「専門性の高い売場を集合させた」GMS」とのことで、専門店に特化したGMSがGMS改革の核心であるとのイオンの決意が込められており、今後、全国のGMS改革のモデルとなる1号店であるという。
では、どこにGMS改革の核心があるかであるが、イオン自身は「「イオン幕張店」は、従来のGMSにあった、商品カテゴリーごとの売場分類という枠を超え、さらにGMS事業会社による「直営売場」と専門店事業会社による「専門店ゾーン」という垣根もなくし、各売場がお客さま視点で商品やサービスを展開する「専門性の高い売場」の集合体といたしました。・・」と述べており、2つの垣根をとっぱらい、専門性の高い売場の集合体をつくったことにあるとのことである。
この言葉を象徴するように、9/18のちらしを見ると、全部で8ページ構成となっているが、1ページ目にワインのボトルが10本並べられ、それぞれのラベルに今回のGMS改革を象徴する専門店の名前が貼られており、専門性を強くイメージする内容となっている。そして、2ページ目には8つのボトルに応じた専門店の紹介がある。トップバリュコレクション(ファッション)、アール・オー・ユー(雑貨)、アスビー(靴)、ペットシティ(ペット)、ヘルス&ビューティ(H&BC)、未来屋書店(書籍)、クレアーズ(アクセサリー)、ザ・ボディショップ(化粧品)である。そして、3ページ目はそのレイアウト図となっており、特に、このレイアウト図を見ると、この8店舗に加え、さらに専門店が強調されたものとなっている。ちらしの3ページをすべて使い、専門店イメージを強く打ち出しているのが特徴であり、それだけ、専門店がGMS改革の象徴的な位置付けであるといえよう。
そのレイアウトを見ると、1階にはペットシティとサイクルショップ(自転車)を核店舗に配置しており、ここが1階からの導入部分となる。そして、もともと、この店舗は2階がメインであり、その2階のレイアウト、ここが今回のGMS改革の核心となる改革の場となる。これを見ると、2つの垣根、商品カテゴリーごとの売場分類、そして直営、専門店の区別を取り払った売場であるが、全体が大きく2核で構成された配置となっている。1階のペットシティの真上に食品売場が配置され、逆側、1階のサイクルショップの真上に今回の改革の象徴であるアール・オー・ユー(雑貨)が1,500㎡で配置され、その横にアスビー(靴)、未来屋書店(書籍)が配置され、強力な専門店の核売場を作っているのが特徴である。
そして、衣料品関連に関しては、その通路向かいに、トップバリュコレクション(ファッション)と新インナー売場が配置されている。さらに、食品側とこのトップバリュコレクションをつなぐ形で新H&BC売場が配置されており、全体としては、購買頻度の高い商品(食品)から購買頻度の低い商品(衣料、住関連)へという流れが2核の間でゆるやかに埋められており、その意味で垣根をとりはらった商品ゾーニングを意図した売場を目指しているといえよう。
さて、ちらしにもどると、4ページ目はトップバリュコレクションとインナーウェアの訴求であり、5ページ目は日曜雑貨とサイクルショップ、6ページ目、7ページ目は輸入食品の新ブランド、そして、8ページ目は生鮮3品等の食品である。通常のGMSのちらしでは食品ないしは衣料品から入るが、今回の幕張店は専門店から入り、最後、食品になるという、ちらしにおいても“NEW GENERATION”GMS 1号店を強く意識した内容となっており、これがイオンのGMS改革の答えであるとの主張が強く打ち出されている。
イオンは、「全国にあるイオングループの既存のGMS店舗は、「イオン幕張店」を皮切りに新たな進化を始めてまいります。同店をモデル店舗とし、各商圏特性や競争環境をふまえて、地域のお客さまのニーズの高い売場を選択して準核店舗として配置することで、商業施設全体を専門性の高い売場の集合体に進化させます。」とのことで、このパターンで、今後、全国のGMSの改革に踏み込むとのことである。
このように、9/18、イオンがGMS改革の答えを幕張店で、専門店強化に大きくシフトすることで提示したが、気になるのは、経営数値である。イオンの2010年2月期の決算数値は原価72.0%、売上総利益28.0%、経費36.4%、差し引き、マーチャンダイジング力-8.4%、その他営業収入11.3%、結果、営業利益4.7%という数値である。今回のGMS改革はこの中のどの数値が大きく変化し、GMSの構造改革につながるのかである。恐らく、専門特化することにより、集客力が増し、売上高がアップし、原価の改善、その他営業収入を改善し、さらに、坪効率を引き上げ、結果、固定費を下げ、経費削減につなげてゆきたいのではないかと思われる。今後、全国にこの幕張方式が浸透することにより、イオンの経営構造がどう変化するか注目である。
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