野菜、猛暑、相場不安定!
サミット滝野川紅葉橋店の9/1から9/5までの5日間連続での98円の生活応援大均一祭のちらしが飛び込んできた。ほぼちらし表面、全面での98円訴求、しかも、「野菜・果物が均一価格でお買得!」という青果を強くアピールしたちらしである。ここ最近、青果の相場は猛暑の影響を強く受け、不安定な相場となっており、食品スーパーマーケットの青果部門にも大きな影響を与えている。特に、野菜が相場高で異常値となるものが続出しており、その緩和を強く狙ったサミットのちらしといえよう。
実際、ちらしに打ちだされた野菜、果物の商品を見ると、群馬などの国内産なす3本、長野産ぶなしめじ、新潟産ブナピー(ホワイトぶなしめじ)約100g入各1枚、メキシコまたはカリフォルニア産アボガド1コ、韓国産またはオランダ産パプリカ(各色)各1コ、岩手などの国内産ピーマン1袋、静岡などの国内産セロリ1本、アメリカ産ブロッコリー(輸入)1コ、栃木などの国内産にら1袋、山形などの国内産つるむらさき1袋、新潟などの国内産長ねぎ2L1本、大分県産JAおおいた中津・宇佐支所より直送・味一ねぎ約50g入1袋、群馬などの国内産キャベツL1/2切1パック、高地産しょうが1袋、北海道などの国内産かぼちゃ1/4切1パック、宮崎産洗いごぼう1袋、長野産えのき茸(大袋)約200g入1袋、宮崎産千切りだいこん(切干)1袋と野菜が強く打ち出されている。一方、果物は、フィリピン産バナナ約600g入1袋、南アフリカ産グレープフルーツ(スタールビー・ホワイト)各1コのみである。
いずれも98円均一での訴求であり、しかも、これらの写真も大きく掲載されての訴求であり、いかに、青果、特に、野菜を強くサミットが意識し、消費者にアピールしているかがわかる。ちなみに、肉は9点、魚は9点、これ以外にも、日配、菓子、食品、そして、雑貨も豊富に訴求されており、表面は80%以上がこの98円均一での訴求となっており、これが、今日現在も、サミット紅葉橋店で販売されている。
さて、この背景にあるのが、この猛暑による野菜の相場高であるといえる。ただ、すべての野菜が高騰しているわけでもなく、逆に、相場が下がっているものあり、不安定な相場といった方が正解といえよう。そこで、実際の野菜の相場がどのような状況であったのかを、東京都中央卸売市場の直近の数字で確認してみたい。8月第4週、8/20から8/26の相場状況であるが、上昇した野菜は、前年同期比で見ると、価格は、ほうれんそう153%(入荷69%)、トマト152%(入荷90%)、いんげん149%(入荷68%)、こまつな144%(入荷81%)、きゅうり141%(入荷98%)、にんじん129%(入荷80%)、だいこん121%(入荷84%)であり、以上が120%以上価格が上昇した野菜である。
逆に同時期、相場が下がった野菜であるが、なす46%(入荷115%)、はくさい71%(入荷111%)、キャベツ75%(入荷100%)、レタス78%(入荷119%)、とうもろこし78%(入荷159%)、ピーマン79%(入荷91%)と、以上が80%以下の野菜である。こう見ると、ほぼ、価格と入荷とは反比例の関係にあるといえ、まさに、需要供給の法則が相場によって形成されているといえる。また、サミットの98円均一はどちらかというと相場高の野菜よりも、相場安の入荷が多い野菜に多く、また、比較的価格の安定している輸入商材に多いといえよう。当然といえば、当然であるが、入荷が少ないものを安定供給することは至難の業であり、逆に、入荷の多いものは安定供給しやすいので、自然、そうなるといえよう。
ちなみに、この週の相場感であるが、「今週の1日の平均入荷量は、5,505トンで、前週比は4%増で、前年同期比では2%減となった。今週も引き続き全国的な高温と降雨もあったが、基調高から出荷促進され入荷は前週比増加し、・・」とのことで、入荷が促進されつつあるとのことである。ただ、一方で、「野菜は今週もレタスの高値が目立ち、きゅうり・トマトも高騰し、今後も品薄が予想されることから相場は堅調となった。」とのことで、どうもプラスマイナス両極端の相場がしばらく続きそうである。きゅうり、トマトなどの入荷が弱く相場高の野菜と、逆になす、レタスなどの入荷が多く、相場安の野菜と対照的な動きとなり、不安定な相場が続くと思われる。
このように、ここへ来て、野菜の相場が猛暑の影響を強く受けたと見え、不安定な動きとなり、相場が入荷量によって、両極端な動きとなっているのが現状である。まだ、しばらくは猛暑が継続するとのことであり、このような野菜の不安定な相場は続くと思われる。したがって、食品スーパーマーケットとしては、サミット滝野川紅葉橋店のちらしのように、市場に大量に出回りはじめた野菜に関しては、いかに量をさばき、率ではなく、額を確保する政策を強く打ち出すことが課題となろう。逆に、入荷が極端に少なく、相場高となった野菜に関しては、値頃感を重視し、小分け、少量販売等により、質を重視し、率を追う政策がポイントとなろう。ただ、消費者は当然、相場高の商品をより安く望んでおり、既存の流通以外の仕入れ、相場安の商品との粗利ミックス等により、どこまで値頃に近づけられるがポイントとなろう。9月以降、食品スーパーマーケットの青果売場、特に、野菜のマーチャンダイジングがどのように変化するか注目である。
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