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September 05, 2010

家計調査データ、年齢別消費額を見る!

   家計調査データは様々な家計の消費額が公表されている。大きくは2つに分かれ、ひとつは用途分類、そして、もうひとつは品目分類である。この2つの違いは、「「用途分類」とは、世帯で購入した商品を、その世帯で使うか、それとも他の世帯に贈るかという使用目的によって分類する方法であり、「品目分類」とは,この用途にかかわらず、同じ商品は同じ項目に分類する方法である。」少し分かりにくいが、たとえば、同じ菓子でも、自ら食べる菓子、贈答用に使う菓子があった場合、品目分類では一緒になるが、用途分類では、この2つを分け、贈答用は交際費として処理し、その中の食料として集計される。したがって、用途分類の方が同じ食品でもやや小さな数字となり、品目分類の方がやや大きな数字となる。この7月度の直近で見ると、約1割ぐらいの差といえ、食品の約10%は各家計は贈答用に消費しているようである。

   さて、今回の「年齢別消費額を見る!」は、この家計調査データの中では、品目分類では集計されておらず、用途分類に集計されており、この中の「世帯主の年齢階級別」の消費額で確認することができる。ただ、ここでも食料は外食を含むため、外食を抜いた純粋な食料品で見ることにする。また、9/1の日経MJでは全く別の角度、すなわち、ネットアンケート調査(アリックスパートナーズ調査分析)から世代別の食品購入額を導きだしており、その結果、60代が最多であり、月間4万円強、その理由は来店頻度の高さにあるとのことである。そこで、その結果と家計調査データとの比較も試みてみたい。

   まずは、家計調査データの数字であるが、外食を除く食品であるが、55,669円である。日経MJの数字は最大でも40,000円強であり、しかも、60代ということであり、やや低い数字のように見える。ただ、この調査は食品スーパーマーケット、GMS等での食料品の買い物のネットアンケート調査結果である。一方、家計調査データの数字は食品スーパーマーケット、GMSにかかわらず、家計でのすべての食料品に対する支出であり、それ以外で買い物をした場合も足されるので、原則、家計調査データの方がやや高めに出るものといえよう。ただ、10,000円以上も差が出るのかどうかは何ともいえないが、結果として、それだけの差が生じたといえる。

   ただ、問題は60代の食料品の消費額が高いかどうかであるが、家計調査データでは、年代を様々な角度から切って集計している。はじめの集計は5歳刻みであり、次の集計は10歳刻みである。そして、さらにもうひとつ集計があり、これも10歳刻みであるが、違いは前者が25から34、35から44など、5からはじまるのに対し、30から39など、0から始まるところである。したがって、今回の日経MJとの比較では、後者がそれに近いといえ、ここでは、これをもとに年齢別消費額を見てみたい。

   その結果であるが、~ 29歳(32,922円)、30 ~ 39歳(43,893円)、40 ~ 49歳(57,544円)、50~ 59歳(61,716円)、60 ~ 69歳(59,067円)、70歳 ~(54,361円)という結果であった。したがって、家計調査データでは50~59歳が、60~69歳よりもやや消費額が多いという結果となったが、その差は大きな差ではなく、わずかな差といえ、50~69歳までの高齢者の食料品の高い傾向が出ているといえる。30~39歳、40~49歳よりも明らかに高いといえ、日経MJとは若干のずれがあるが、その傾向はほぼ同じ結果であるといえよう。

   ちなみに、大分類で見た場合、特に60~69歳の消費が高いかというと、魚介類7,085円(50~59歳6,191円)、野菜・海藻8,907円(50~59歳8,359円)の2つは顕著な結果となっている。また、70歳以上のNo.1は果物3,405円(50~59歳2,578円、60~69歳3,281円)であり、年代が上がればあがるほど高い消費額となっている。逆に、若い世代の消費が強い大分類は~29歳、30~39歳ではなく、40~49歳では穀類7,452円(50~59歳6,773円)、肉類6,734円(50~59歳6,191円)、菓子類5,807円(50~59歳5,207円)、飲料5,443円(50~59歳5,154円)である。

   こう見ると、家計調査データで見ると、消費の牽引役は50~59歳であり、ついで、60~69歳と50歳以上がこと食品に関しては消費の中核にあるといえ、40~49歳、30~39歳が消費の中心でないことが明らかである。特に、生鮮食品ではこの傾向が堅調であり、先に見たように、果物では70歳以上がNo.1世代であり、びっくりである。日経MJの結果はその意味で、傾向としては、ほぼ、同じ結論であるといえる。

   日経MJでは「リタイア層に的を絞れば、様々な店舗づくりのアイデアが出てくるはずだ。」、さらに、「・・新業態の開発は、小売各社にとって魅力的な未開拓地に思えてならない。」と結んでいるが、これは、日経MJのアンケート調査結果からも、家計調査データからも、自然に導かれる有力な結論のひとつといえよう。確かに、これまでは、30~49歳ぐらいまでを中心顧客と見て、マーチャンダイジング、そして、マーケティングを実践してきたといえるが、この結果を見る限り、50~69歳を主力に据える時代になったといえよう。

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