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September 20, 2010

RDSデータをどう自店のPOS分析に活かすか?

   RDSデータは全国約100社、約400店舗の食品スーパーマーケット等のPOSデータである。このデータは通常、RDSに参加している約400店舗のPOSデータを財団法人流通システムサービスセンターが定期的に収集し、集計し、RDSのデータサービス企業を通じてメーカー、卸等へ販売している。RDSデータを購入したメーカーは、自社の既存商品、新商品等の検証に使い、さらに、新たなマーケティング戦略の策定に活用しているのが実態である。したがって、RDSデータはメーカー、卸が活用することが主な目的であるといえる。

   では、この貴重な全国約100社、約400店舗のRDSデータを食品スーパーマーケットが活用する方法がないのかということなるが、これがある。しかも無料、さらに1店舗から活用することが可能である。ちなみに、現在、RDSに参加している食品スーパーマーケットは、ラルズ、ホクレン農業協同組合連合会、カネスエ、エーコープあいち、紅屋商事、マックスバリュ中部、みやぎ生活協同組合、ヤマザワ、関西スーパーマーケット、トーホーストア、マルト、オータニ、塩原屋、天満屋ストア、ベイシア、イズミ、与野フードセンター、東急ストア、サミット、生活協同組合連合会ユーコープ事業連合 、いちやまマート、田子重等であり、全国ほぼ満遍なく地域の食品スーパーマーケットが参加しているのが実態である。

   さて、食品スーパーマーケットが1店舗からこのRDSデータを活用する方法であるが、財団法人流通システムサービスセンターへインターネットか電話で申し込めば良い。それだけである。あとは、基本手続き後、イネターネットへ接続するためのID、パスワードが送られてくる。その後、POSデータを財団法人流通システムサービスセンターへ送りはじめれば、毎月、自店のPOS分析データに加え、自店の地域のRDSデータをインターネット画面で確認することが可能となる。ここまで、食品スーパーマーケット側では原則無料であり、かかる費用としては、通信費と分析用のパソコンぐらいである。

   問題は、自店のPOSデータと自店の地域のRDSデータをどう分析し、自社のマーチャンダイジングにどう活かすかである。これまでは、その解決方法として、「比べて点検WEB」という、RDSのインターネット画面の中で行われていた。これが今回、すでに、本ブログでも取り上げたが、10/8(金)の「POS/RDS分析セミナー」で、はじめてお披露目になる予定であるが、「新比べて点検WEB」に切り替わり、自店のPOSデータとRDSデータとが全カテゴリー、全SKUで比較可能な本格的なPOS分析が可能となる。帳票もMD評価表が採用されることになり、金額PI値=PI値×平均単価で分析され、自店とRDSの金額PI値比較、PI値比較、平均単価比較が可能となる。RDSの商品分類はJICFISコード分類となっているため、食品でいえば約200のカテゴリーとなるが、すべてのカテゴリー、そして、単品のPOS分析が全面的に可能となる。

   実際、現在、クライアントで試験的に活用しはじめたが、実に便利である。これまでは、自店のPOSデータか自社の他店のPOSデータとの比較しかできなかったために、まず、重点商品の選定が十分でなかった。売れている商品は問題ないが、売れない商品が本当に売れないのか判断がしにくかったからである。ひょっとすると、売り方を変えれば、売れるのではないかと思う商品もどのくらい売れるのかが判断がつかなかった。それがRDSデータと自店の商品を金額PI値=PI値×平均単価で分析することにより、まず、どのくらい金額PI値が見込めるのかが判別でき、しかも、PI値に問題があるのか、平均単価に問題があるのかが一目瞭然となった。したがって、重点商品の選定には抜群の力を発揮している。

   さらに、品揃えになると自店の問題点が鮮明になる。まず、客数PI値で見て、その数値が高く、しかも、金額PI値も高いにも関わらず未導入の商品が多々見つかったことである。今回、無料診断で菓子パンをスタートさせているが、菓子パンでいえば、毎月約1,000SKUがRDSにはあり、自店はせいぜい数100SKUであるので、品揃えの課題が歴然としていることがわかる。これまでは、なかなか品揃えの改善に踏み切れなかったものが、RDSデータですぐにアクションが可能となったことである。ちなみに、RDSデータの総SKU数は月間約50,000SKUとなるので、その地域で販売されたデータは地域性の高いものを除き、ほぼ網羅されているので、品揃えを見直すには最強のPOS分析データであるといえる。しかも、これをMD評価表形式で一目で、SKUまでわかるように工夫しているので、誰でも、簡単に、活用できるものとなった。

   このように、RDSは一種のクラウドといってよい仕組みであるといえるが、食品スーパーマーケット業界にとっては、今回の新たな仕組み、「新比べて点検WEB」は1店舗から無料で参加可能であるので、大いに活用して欲しいITであるといえよう。これまで、RDSデータはメーカーが活用することが主眼であったといえるが、実は、MD評価表にPOSデータが落ちるのであれば、MD、まさに、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングの改善に直結する仕組みといえ、今後は、むしろ、RDSデータを食品スーパーマーケットが積極的に活用して欲しいところである。

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