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October 02, 2010

イトーヨーカ堂、都心型食品スーパー1号店、オープン!

   10/1、イトーヨーカ堂が都心型、小型食品スーパーマーケットの1号店となる店舗を東京都杉並区、阿佐谷にオープンした。面積は約880平米(250坪強)と、イトーヨーカ堂としては初となる小型サイズの食品スーパーマーケットである。早速、夕方であるが、オープン当日、阿佐谷に行き、売場を視察した。人ごみの中に、恐らく、成城石井の前社長、現セブン&アイHの顧問、大久保恒夫氏がおり、びっくりした。真剣に店舗の隅々を点検しており、今後、この新規事業にも取り組んでゆくのではないかと思われる。実際、売場の商品構成を見ると、どこか成城石井の店舗を彷彿とさせるものがあり、良く似た商品構成のカテゴリー、チョコレート、水、加工肉等の商品が随所に見られた。

   もともと東急ストアの撤退した場所に居抜き出店したとのことで、駅前の典型的な都心型、食品スーパーマーケットの立地である。商圏人口はプレス資料に寄れば、700m圏内に2.6万人、1.6万世帯が居住しているとのことで、1世帯当たり1.62人とまさに、都心部の典型的な立地である。それにしても、700m圏内に1.6万世帯とはすごい立地である。通常の食品スーパーマーケットの立地は半径1km圏内で5,000世帯から7,000世帯ぐらいといえ、その2倍から3倍、いかに都心部が人口密集地かがわかる。また、世帯人口1.62人は単身世帯が多いといえ、これも都心ならではの人口構造といえよう。

   東急ストアがなぜ撤退したのかが気になり、視察後、周辺の競合状況を見てみたが、道路を挟みすぐ横に西友の駅前タイプのGMSがあり、食品は2層で展開、1階惣菜、日配、グロサリー、2階に生鮮、そして、3階住関連、4階以降衣料品と展開しており、しかもKY政策が徹底したウォルマート流の地域No.1のEDLP政策、価格競争では歯がたたなかったのではないかと思われる。また、生鮮食品では、駅中に生鮮3品のカテゴリーキラーがあり、青果の九州屋、魚の北辰、肉のニュークイックと強力な生鮮売場がある。したがって、これらの競争の中で、どのような戦略を打ち出すか、特に限られた店舗面積での戦いであり、厳しい競争が続き、撤退せざるをえなかったのではないかと思われる。

   このような激しい価格競争、そして、高鮮度の生鮮食品の競争の中で、イトーヨーカ堂がどのようなコンセプトを打ち出したかであるが、その答えは、独自の領域を開拓し、徹底するという戦略であるように思える。全体的にディスカウント路線はとっていない。西友、ウォルマートのようなプライスを全面に打ち出す商品はまずない。むしろ、阿佐谷商圏では容易に手に入らない商品を随所に品揃えしており、しかも、商品説明を丁寧に電子棚名札も活用し、解説している商品が多い。商品説明を見ているだけで楽しくなる商品が多いといえる。象徴的なのはエンドで展開された焼酎であり、森伊蔵、百年の孤独など数万円のプレミアム焼酎が並んでいることである。また、チョコレートも海外産の本格チョコレート、加工肉も生ハムの充実した品揃えなど、この辺はまさに、成城石井の売場に良く似ているといえる。

   そして、もうひとつのポイントは惣菜を徹底強化している点である。しかも、店内調理商品が多く、揚げたて、出来立てを強く打ち出しているのが特徴である。弁当も西友の298円のような価格訴求品はなく、498円が基本の品揃えとなっている。西友、ニュークイックの惣菜とも決定的な差別化をはかる意図が明確である。そして、この惣菜を中心に店舗全体のレイアウトが斜めに2分されており、生鮮3品、グロサリー中心の素材商品群との明確なゾーニングの区分けがなされているのが特徴である。

   その生鮮3品であるが、これも九州屋、北辰、ニュークイックと差別化をはかるため、イトーヨーカ堂得意の顔の見える野菜、果物等を全面に打ち出しているのが特徴である。ニュースリリースでは全国4,200名以上の生産者から届く、新鮮で安全、安心な「野菜」「果物」「お肉」「お魚」「たまご」を販売しているとのことで、随所にこのようなブランドがあり、トマトなどは60%から70%がこの商品で占められていた。また、約250坪と店舗面積が狭いので、青果は多段、高密度の品揃えであり、魚と融合した売場ともなっていた。さらに、グロサリーのマヨネーズ、ドレッシングと青果売場、味噌、しょうゆ等の調味料と鮮魚、精肉売場が融合しており、新しい試みの斬新なレイアウトである。

   このように10/1、イトーヨーカ堂の都心型、食品スーパーマーケット1号店が阿佐谷にオープンしたが、この1号店をかわきりに、当面、東京23区内に10店舗、そして、主要都市に100店舗を作り、この新業態をGMS、SC(アリオ)、NSCにつぐ収益の柱に育ててゆくという。商圏内の差別化はみごとに出来たといえるが、この1号店が阿佐谷の700m商圏、1.6万世帯から支持を得るまでには、新しい試みが多く、やや時間がかかるものと思われる。目標売上高は年商約20億円であるとのことで、坪効率は約800万円の予想である。恐らく、2店舗目、3店舗目も比較的早く出店するのではないかと思われるが、次の店舗がどこを修正し、どこを強化するか気になるところである。

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October 2, 2010 in 経済・政治・国際 |

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