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October 25, 2010

日本の人口を見る、2010年10月概算値!

   総務省統計局から10/20、日本の最新の人口が公表された。総務省統計局からは毎月20日前後に最新の人口が概算値として公表される。今月の数字はその概算値であるが、同時に5月度の確定値も公表されるので、毎月概算値を公表しながらも、5ケ月遅れで確定値を公表してゆく体制が組まれている。さて、その結果であるが、日本の全人口は1億2,738万人で、前年同月に比べ-13万人(-0.10%)の減少となった。これまであまり、日本の人口について詳細な数字を確認したことがなかったが、改めて見てみると、人口が国の根幹の数字であり、事業戦略を検討する上においても、重要な基本数字であることがわかる。特に、食品スーパーマーケットにとっては、人口動態はマーチャンダイジング戦略を構築する上において、少子高齢化が進む現状では最新の注意を払う重要な要素であるといえよう。

   さて、もう少し、最新のデータを見てみると、特に5歳刻みの年齢階級別人口であるが、0~4歳、5 ~9歳、10~14歳、15~19歳、20~24歳、25~29歳、30~34歳、35~39歳、40~44歳、45~49歳、50~54歳、55~59歳、60~64歳、65~69歳、70~74歳、75~79歳、80~84歳、85歳以上の18階級で分析されている。公表数字は生データのみであり、グラフにはされていないので、これをグラフにして見ると、最大値を示す階級は60~64歳の999万人(7.84%)である。巷間いわれているように団塊の世代といえ、高齢化が確実に進んでいることがわかる。ついで、大きな山となるのは、団塊の世代の子供であろう35~39歳の970万人(7.61%)である。したがって、この2つの山があり、0~4歳から35~39歳までは人口が増加し、35~39歳から60~64歳までは一旦下がって、また上昇する傾向があり、60~64歳以降は急激に減少してゆくグラフとなる。

   公表データではこの5歳階級別人口以外に少子高齢化を一目で判断できるように、さらに、0~14歳、15~64歳、65歳以上の数字が集計されているが、これを見ると、0~14歳(1,686万人:13.2%)、15~64歳(8,107万人:63.6%)、65歳以上(2,944万人:23.1%)という結果であり、まさに、少子高齢化を象徴している数字であるといえよう。ちなみに、75歳以上は1,424万人(11.2%)であり、0~14歳に近い数字であり、さらに高齢化が鮮明であるといえよう。しかも、これを5月確定の概算値で見ると、0~14歳人口は1,693.3万人で、前年同月に比べ-17万人(-0.99%)の減少、15~64歳人口は8,117.4万人で、前年同月に比べ-49.7万人(-0.61%)の減少、65歳以上人口は2,930.7万人で、前年同月に比べ55.2万人(+1.92%)の増加であり、少子高齢化が鮮明である。

   もうひとつ、公表データには平成12年(2000年)から2010年10月までの年度別人口の推移が示され、これについてはグラフも公表している。これを見ると、平成20年(2008年)が日本の転機であったことがわかる。大きな流れでは、平成12年(2000年)の1億2,561万人から平成16年(2004年)の1億2,626万人まで人口が伸び続け、ここでピークを迎える。その後、平成20年(2008年)の1億2,594万人までは何と横ばいに近い傾向が続くが、その後、平成21年(2009年)の1億2,582万人、そして、平成22年(2010年)に入ってからも、人口が下がりはじめている。特に、グラフで見ると明らかに右下がりの傾向が出ており、人口の減少傾向が鮮明である。したがって、平成20年(2008年)が転機であったといえ、ここから日本全体が人口減少傾向に入ったといえる兆候が明確であり、この10月度の最新データもその傾向を裏づけているといえる。

   最後に主要都市への人口集中度を見てみたい。対象都市として、札幌、仙台、東京都区部、名古屋、大阪、福岡の2000年度の人口と2010年9月度の人口を比較して見ると、札幌191.0万人(105%)、仙台103.7万人(103%)、東京都区部884.6万人(109%)、名古屋225.9万人(104%)、大阪266.8万人(103%)、福岡146.2万人(109%)であり、各都市部は全体の傾向と違い、人口が増加しているといえる。特に、東京都区部と福岡がほぼ2桁の伸びである。また、日本の全人口との比率、そして、この6都市の合計人口の中での各都市の割合を見てみると、札幌(1.5%、10.5%)、仙台(0.8%、5.7%)、東京都区部(6.9%、48.7%)、名古屋(1.8%、12.4%)、大阪(2.1%、14.77%)、福岡(1.1%、8.0%)であり、いかに東京都区部が大都市であるかがわかり、しかも、東京都区部に人口が流入しているといえる。

   このように改めて最新、2010年10月度の日本の人口を見てみたが、全体の人口が減少傾向を示す中、少子高齢化が確実に進みつつある姿がクローズアップされた結果であったといえる。一方、都市部には人口が流入している実態も浮かび上がり、特に、東京都区部は異常な人口となっているといえる。主要6都市の約50%を占める構成比であり、各都市の中でも明らかに異常な人口を抱えているのが東京都区部の実態である。食品スーパーマーケット業界としても、このような日本の人口の実情をしっかり認識した上で、今後の経営戦略を立てる必要があるといえ、2008年度が人口では転機を迎えたといえるので、改めてビジネスモデルを再検討する段階に来たように思う。

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