コンビニ売上速報、2010年9月度、異常値!
2010年9月度のコンビニの売上速報が(社) 日本フランチャイズチェーン協会から10/20、公表された。結果は異常値、すべての指標がプラスとなり、全体の売上高は15.0%、既存店の売上高も12.9%となり、2桁の大幅上昇となった。その要因はもちろん、「たばこの値上げ直前による買いだめ効果」であるといえ、taspoの再来ともいえるたばこ需要が9月、1ケ月間に集中し、これが日本全国、約4万店舗のコンビニの売上高を大きく押し上げた要因である。このたばこの値上げの影響は食品スーパーマーケットにも及んでおり、多くの食品スーパーマーケットでたばこカテゴリーの金額PI値が軒並み大幅に上昇しており、グロサリーの全カテゴリーでNo.1の金額PI値となる食品スーパーマーケットが続出、まさに、たばこ旋風が日本中のコンビニ、そして、食品スーパーマーケットに吹き荒れた9月度であったといえよう。
実際、商品構成比および売上高前年同月比を見てみると、この売上速報では大きく4つのカテゴリーに分かれている。日配食品、加工食品、非食品、サービスであるが、この内、たばこが含まれるカテゴリーは非食品である。その非食品の数字を見ると、構成比40.1%(昨対43.9%)と、異常値であり、いかに、この9月度、たばこがコンビニに莫大な売上高をもたらしたかがわかる。これは8月度の非食品の構成比30.1%(昨対-0.5%)と比べて見ると、一目瞭然であり、明らかに異常値である。極論すれば、コンビニはたばこ屋の延長と考える方が良いくらいの数字といえ、日本中のたばこ需要をいっきにコンビニが担っているともいえる。
実際、たばこの品揃えは食品スーパーマーケットよりもコンビニの方が良いといえ、どんなに小さなコンビニでもたばこは最重点商品となっており、100種類はレジの上に掲げてあるのが通常であり、コンビニを支える商品となっているといえる。では、実際、どのような商品が売れたのかであるが、参考に、食品スーパーマーケットであるが、その商品の一部と金額PI値を見てみてみると、以下のようになる。
マイルドセブン20本×5(金額PI値1,198.88円)、セブンスター20本×10(1,100.94円)、 マイルドセブン・スーパーライト20本×5(1,098.97円)、セブンスター20本×5(1,098.97円)、マイルドセブン20本×10(892.36円)、マイルドセブン・スーパーライト20本×10(871.12円)、セブンスター20本(853.87円)、マイルドセブン・ライト20本×10(803.66円)、キャスター・マイルド20本×10(797.92円)、マイルドセブンスーパーライト20本(692.92円)、マイルド7プライムSPライトBOX20本×10(546.92円)、PMマールボロウルトラライトKS10P(542.83円)、マイルドセブンライト20本(538.35円)、マイルドセブンワン100SBOX20本×10(520.37円)、チェリー20本×10(514.25円)、キャスターマイルド20本(502.54円)、マイルドセブン20本(500.18円)となる。
こう見ると、ほぼ、この9月度のたばこは生鮮食品並の商品ボリュームであったことがわかる。食品スーパーマーケットの生鮮食品は金額PI値1,000円(1人当たり1円)が最重点商品であり、ついで500円(1人当たり0.5円)が重点商品であるので、まさに、セブンスター、マイルドセブンはトマト、きゅうり、バナナ、まぐろ、ぶり、こま切れのようなボリューム、金額PI値であり、平台で思い切って、場合によっては対面販売で売っても良かったぐらい金額PI値が高い数字であったことがわかる。
さて、コンビニの9月度の数字にもどると、売上高は15.0%、既存店も12.9%と大きく伸びたが、その中身、客数、客単価はどうであったかを見てみたい。まず、客数であるが、3.8%の増加であり、既存店も2.1%と伸びているが、微増である。一方、客単価であるが、何と10.8%、既存店も10.6%といずれも2桁の大幅な伸びである。しかも、客単価は2008年11月から、先月、2010年8月までの、ほぼ2年間毎月昨対を割っていたので、約2年ぶりの客単価増、しかも、2桁増であり、明らかに異常値である。したがって、今回のコンビニの売上高の大幅な上昇は客数ではなく、客単価であり、しかも、たばこがまさに客単価増に大きく貢献しての結果であるといえる。
それにしても、taspoの時もそうであったが、たばこがここまで、コンビニの売上高に影響を与えるとはびっくりである。しかも、日本全体のコンビニに影響を与えた訳であり、いかに、コンビニとたばことの因縁が深いかがわかる。そして、気になるのは、来月、すなわち、10月以降の反動である。Taspo効果の時も大きな反動であったが、taspoは約1年続いての影響であったが、今回は短期集中、まさに、この9月度だけといっても良く、たばこの値上げが終われば、需要が一気にしぼむことになり、8月の状況に逆もどりとなろう。しかも、猛暑効果もすでに終わっており、経済情勢は依然として、円高、デフレと厳しい状況が続いており、この様相は中長期化する可能性が高いといえる。来月、すなわち、この10月以降、コンビニ各社がどのような対策を打ち出すか、その動向に注目である。
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