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October 31, 2010

消費者物価指数、2010年9月度、昨対-0.6%!

   消費者物価指数(CPI)が10/29、総務省統計局から公表された。消費者物価指数(CPI)は日銀が事実上、インフレターゲットを採用したことにより、今月から金融政策とのリンクが図られるようになり、俄然、注目を集めるようになった。また、10/28からはすでに本ブログでも取り上げたがGoogleがGPIというGoogle独自の消費者物価指数の構築をGoogleショップの世界中の商品データよりはじめており、今後、ますます注目度が増すものといえよう。特に、Googleは速報性もあり、ネットに絞られるが、調査商品数も圧倒的に多く、今後、時間とともに、信頼度が増すものといえよう。これにより、日本はもちろん、世界中の消費者物価指数(CPI)も、再度、集計の仕組みを見直さざるを得なくなるのではないかと思われる。

   さて、その結果であるが、消費者物価指数(CPI)には、3つの総合指数がある。その3つの結果であるが、「総合指数は平成17 年を100 として99.8 となり,前月比は0.3%の上昇。前年同月比は0.6%の下落となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は99.1となり,前月と同水準。前年同月比は1.1% の下落となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.1となり,前月比は0.1%の上昇。前年同月比は1.5%の下落となった。」とのことで、いずれも前月比よりは同等ないしは、上昇しているが、前年同月比は下落しており、依然として、デフレ傾向が継続しているといえよう。また、CPIの由来ともいうべき、平成17年度比では、(1)99.8、(2)99.1、(3)97.1といずれも100を切っており、5年前の物価水準よりも下がっており、この数字を見ても、現在、デフレ傾向にあるといえよう。

   しかも、このデフレ傾向は、今回の数字と同時に公開された2つのグラフを見るとさらに鮮明である。1つは平成17年度比の5年間の推移の折れ線グラフであり、もうひとつは、前年同月比の5年間の棒グラフの推移である。まずは折れ線グラフであるが、驚くべきことに、(3)の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は平成18年10月以降、一度も100を超えたことがなく、むしろ、100のラインからの乖離が時間とともにひろがっている状況といえ、このグラフを見ると、深刻なデフレ環境が続いているといえる。また、(1) 総合指数、(2) 生鮮食品を除く総合指数は平成19年度から平成21年中盤までは100以上で推移していたが、その後、100を割り、この9月度まで100を超えることがなく、ほぼ1年間デフレ傾向が続いているといえる。

   次に棒グラフであるが、平成18年から平成19年度はプラスマイナス0でほぼ横ばいが続いていたが、平成20年度になるとすべての総合指数がプラスに転じ、ちょうどsinカーブの上向き上の格好となり、上に半円形で推移し、平成21年度になると、逆に下に半円形となり、今度はマイナスに転じた。まさに、sinカーブそのものと同じ推移である。ところが、sinカーブであれば、平成22年度は、またプラスに転じても良いが、実際のグラフはマイナスがそのまま続き、一向にプラスにならない横ばいの状況が続いている。明らかに異常な動きといえ、デフレ傾向の回復が見える気配が感じられず、物価はマイナスで止まってしまったような動きである。

   そこで、個々のこの9月度の状況を、特に、異常な状況が続く、前年同月比で見てみたい。まずは、大分類であるが、寄与度で見ると、総合指数-0.6%の中身であるが、マイナスの寄与度は公立高校授業料-0.39、私立高校授業料-0.10であり、この2項目で-0.49と大半を占める。ただ、これ以外でも、生鮮食品を除く食料-0.32、その他-0.49であり、必ずしも高校授業料のマイナスだけではなく、それ以上に、生鮮食料品をはじめ、その他もマイナスが大きい。逆に、プラスになった大分類であるが、相場高となった生鮮食料品0.45、電気代0.08、灯油0.08、ガソリン0.05、都市ガス代0.05と、いわゆるエネルギー関連の上昇が大きい。したがって、プラスは生鮮食品とエネルギー関連に絞られるといえ、これ以外でのデフレを脱却できる項目がほとんどないということが、深刻なデフレ環境が続いている要因といえる。

   では、さらに、デフレの要因となっている主な品目を見てみると、特に食品関連では、食用油-9.9、ビスケット-9.7、ミネラルウォーター-7.7、液体調味料-7.4、混ぜごはんのもと-7.4である。また、食品以外ではテレビ(薄型)-33.9、パソコン(デスクトップ型)-29.9、パソコン(ノート型)-22.1、カメラ-37.1等であり、これらが消費者物価をデフレに導いている主な品目である。

   このように、2010年9月度の消費者物価指数(CPI)が10/29に公表されたが、依然として全体の総合指数が-0.6%、その他の総合指数もマイナスが続いており、デフレ傾向が鮮明である。ここ数ケ月の推移を見ても、この9月度時点では、プラスに転じる気配が感じられず、当面、デフレ傾向が続きそうな状況といえる。すでに、11月に入り、今年も残すところ約2ケ月となった。これまでの消費者物価指数の推移をみる限り、今年はもちろん、来年前半もデフレ環境は続くものと予想される。食品スーパーマーケット業界としては、やや厳しい中間決算が終了し、後半戦に突入したが、デフレを前提した経営戦略を立案せざるをえず、今期は、厳しい決算が予想されよう。

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