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October 07, 2010

カスミ、2011年2月期、中間、減収増益!

   カスミが10/4、2011年2月期、中間決算を公表した。結果は営業収益1,098.36億円(-0.3%)、営業利益32.02億円(15.7%)、経常利益33.93億円(12.4%)、当期純利益 15.07億円(0.0%)となり、減収増益のやや厳しい決算となった。ただ通期は2.9%の増収予想であり、新店が後半にかけて集中するものと思われるが、やや気になる数字である。

   そこで、まずは、営業収益が減収になった要因を見てみたい。この中間決算時におけるカスミの新店は、「出店につきましては、瓜連店(茨城県那珂市)、FOOD OFFストッカー川口末広店(埼玉県川口市)の2店舗を開店しました。既存店の活性化では、真岡店、千代川店、田尻店の3店舗をディスカウント業態である「FOOD OFFストッカー」に業態転換しました。また、フィズ店、堀米店を閉鎖し、総店舗数は当第2四半期連結会計期間末現在138店舗となりました。」とのことで、2店舗開店、2店舗閉店であり、店舗数は138店舗とかわらず、売上高が伸び悩んだものと思われる。また、これに加え、既存店の客数は99.9%と堅調であったが、客単価が97.1%と伸び悩み、結果、売上高が96.9%となったことも大きいといえよう。

   それにしても、この中間でも結果、4店舗のFOOD OFFストッカーを出店しており、カスミのディスカウント業態へのシフトが際だっているといえよう。現在、カスミはFOOD OFFストッカーを26店舗(埼玉県6店舗、茨城県15店舗、千葉県3店舗、栃木県2店舗)展開しており、しかも、出店地域は首都圏全域へと広がりつつある。店舗構成比も138店舗の内、26店舗であるので、約20%弱となり、カスミの柱、主力業態となりつつある。また、最新のFOOD OFFストッカー川口末広店(埼玉県川口市)はイオンが以前マックスバリュエクスプレスとして出店した店舗の業態転換であり、今後、イオンのマックスバリュ不振店の業態転換にも活用される可能性が高く、その意味でも重要な首都圏における戦略業態となりつつあるといえよう。

   一方、今期、カスミの営業利益が好調であった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、74.46%(昨年73.99%)と0.47ポイント原価が上昇しており、価格競争の激しさに加え、カスミストアがFOOD OFFストッカーへ大きくシフトしていることも、その要因であるといえよう。一方で、カスミは、原価改善のために原価の低いPB、イオングループのトップバリューの積極的な導入を図っており、その構成比は4.7%(昨年4.2%)と、昨年よりも0.5ポイント上昇している。残念ながら、まだ、全体の原価を下げるまでにはいかなかったようである。結果、売上総利益は25.54%(昨年26.01%)となった。

   これに対して経費の方であるが、25.99%(昨年26.76%)と、0.77ポイント改善しており、経費の削減が大きく進んでいる。カスミも、「ローコスト化の取り組みでは、店内作業において時間帯毎の作業量に応じた適正な人員配置を行うことで、売場のサービスレベル向上と総労働時間のコントロールに取り組みました。また、業務の見直しによるコスト削減を継続強化しました。」とのことで、ローコストをキーワードに積極的に経費削減に取り組んだとのことである。また、「管理者のマネジメント能力向上を目的とした実践教育を継続強化し、その対象を営業現場の第一線を担うチーフ職にまで拡大しました。」とのことで、マネジメントにも力を入れおり、結果、大きく経費の削減が実現されたものといえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.45%(昨年-0.75%)と、まだ若干マイナスであるが、その数字は半減しており、経費の削減がマーチャンダイジング力の強化につながったといえよう。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.47%(昨年3.35%)のり、営業利益は3.02%(昨年2.60%)となり、増益を達成した。残念ながら原価の上昇は見られたが、それを大きく上回る経費の削減がなされ、結果、営業利益を押し上げたといえる。

   ちなみに、この中間期のカスミのキャッシュフローを見ると、新規出店にかかわる投資キャッシュフローが昨年の27.44億円から13.98億円と約15億円減少している。その中身はまさに新規出店関連への投資が昨年の23.65億円から11.36億円へと激減したことが大きく、これが新規出店を通じての売上増を阻んだ要因のひとつともいえよう。では、何にキャッシュを振り向けたかであるが、今期の営業キャッシュフローが昨年の80.97億円から66.21億円と約15億円減っているので、その分がまさに、投資削減分と一致しており、ここでキャッシュ配分のバランスをとったといえる。また、財務キャッシュフローでは長期借入金の返済を昨年とほぼ同額18.98 億円返済しており、有利子負債の削減も重視したキャッシュの配分である。

   このように、カスミの2011年2月期の中間決算は残念ながら減収となり、その要因はキャッシュを投資に十分に配分できず、新規出店が2店舗であったことと、競争激化により、既存店の昨対割れが大きかったといえよう。ただ、経費の削減は大きく進んでおり、利益の方は増益となり、マーチャンダイジング力もプラスに近づきつつある。今後、後半はキャッシュが好転し、新規出店が可能となれば、売上の方も回復する可能性は高く、まずは、次の第3四半期の動向に注目である。

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October 7, 2010 in 経済・政治・国際 |

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