Google、2010年12月期、第3四半期決算、増収増益!
10/14、Googleが2010年12月期、第3四半期決算を公表した。結果は第3四半期のみの営業収益では72.86億ドル(22.55%、約6,000億円)、累計では208.81億ドル(22.99%、約1兆7,000億円)となり、大幅な増収となった。また営業利益の方は、25.47億ドル(営業収益比34.95%、昨対22.80%、約2,000億円)、累計では、73.99億ドル(営業収益比35.43%、昨対26.89%、約6,000億円)と、営業収益同様、大幅な増益となった。この結果について、CEOのエリック・シュミット氏は、「素晴らしい結果だった。主力事業が好調に推移し、新たにスタートさせたディスプレイ、モバイル事業も勢いがある。引き続き、計画どおりに、人材、商品に対し、積極的な投資をしてゆきたい。」と、コメントしており、Googleの経営状況が極めて良好な状況にあるといえ、実際、好調な第3四半期決算となった。
この好調な決算結果となったGoogleのコア事業とは何かであるが、その中核は、広告事業であり、Google web sitesが四半期累計で137.72億ドル(構成比65.95%、昨対21.86%)、Google Network web sitesが62.97億ドル(構成比30.15%、昨対22.91%)であり、合計構成比96.10%と、まさに、広告収入のみといっても良く、その他は5%以下という内容である。したがって、GoogleはWeb広告代理店といってもよく、日本でいえば、電通、博報堂のWeb版とでもいうべき企業であるといえる。ただ、広告を企業からの依頼を主体に掲載するのではなく、自ら、積極的に、広告価値のある検索、地図、動画、書籍等に投資を行い、これらを無料化することで、新たな広告市場を自ら作り上げ、そこに企業の広告を誘導するビジネスモデルを作り上げたところに真骨頂があるといえよう。
そこで、Googleがどのように豊富なキャッシュを回しているかを、この第3四半期決算のキャッシュフローを見てみたい。まずは、営業活動によるキャッシュフローであるが、75.55億ドル(約6,000億円)である。その内、59.62億ドル(構成比78.91%)は当期純利益であり、いかにキャッシュを稼ぎ出す力が強いかがわかる。営業利益率も営業収益比で35.43%であり、小売業では考えられない高い数字であり、この利益率が高いキャッシュを生み出す要因となっている。これ以外の主なプラス項目では、株式関係の収入が9.80億ドル(構成比12.97%)、減価償却費が7.87億ドル(構成比10.41%)である。
一方、投資活動によるキャッシュフローであるが、-78.31億ドルであり、営業活動によるキャッシュフローをやや超えており、積極的な投資をしている。したがって、差し引き、フリーキャッシュフローは-2.76億ドルであり、そのマイナスを財務活動によるキャッシュフローで補っている。ちなみに、Googleの現金関連であるが、貸借対照表を見ると、112.57億ドル(約9,000億円)という巨大な金額を保有しており、これは、総資産533.42億ドル(約4兆4,000億円)の21.10%と、高い比率である。ほぼセブン&アイHの2011年2月期の中間決算の19.0%に近い数字であり、キャッシュに強くこだわる経営哲学が感じられる。
では、その投資活動によるキャッシュフローの中身であるが、最も大きな投資は、有価証券であり、-375.89億ドル(約-3兆円)であり、考えられないような巨大な金額である。ただ、これに近い金額の有価証券の満期や売却収入が何と+303.69億ドルあり、差し引き、約-70億ドル(約-5,000億円強)となる。ちなみに、有形固定資産関係であるが、-14.73億円ドル(約-1,200億円)であり、さほど大きな金額ではない。ちなみに、Googleの資産であるが、先に見た現金関連が大きな資産であるが、実は、それ以上に大きな資産があり、有価証券関連となるが、何と221.23億ドル(構成比41.47%、約1兆8,000億円)と巨額な資産となる。ついで、M&Aののれん関連が60.99億ドル(約5,000億円)、有形固定資産55.06億ドル(約4,500億円)となる。したがって、資産は圧倒的に現金関連が60%を超え、主となり、固定負債は総資産の26.04%と、約1/4に過ぎない。また、当然、純資産も高い数字であり、81.15%と、超健全な財務状況であり、負債が20%弱と安定している。利益剰余金も253.24億ドル(約2兆円)と豊富な内部留保であり、財務には十分な余裕がある状況である。
そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、フリーキャッシュフローの-2.76億ドルのマイナス分をカバーする形で、12.98億ドル(約1,000億円)であり、十分にカバーしている。これに、若干微調整が入り、結果、キャッシュフローはトータル10.59億ドルのプラスとなった。その中身であるが、3ケ月以上の有価証券の満期が13.84億ドル(約1,000億円)が大きく、これが財務キャッシュフローをプラスにした要因である。
このように、Googleの2010年12月期の第3四半期決算は2桁の増収増益の好決算となり、絶好調である。Googleの収益源の95%以上がネット広告であり、この収入が大幅に伸びたことが要因である。しかも、Googleは国際企業であり、その営業収益の構成比はアメリカ48%、海外52%とほぼ半々、海外比率がじわじわと構成比を高めており、バランスが良く、今後、海外展開次第ではまだまだ成長する可能性は高いといえよう。また、純資産比率は80%を超える超安定財務であり、資産の20%を現金関連で保有しており、これに有価証券を入れると、60%を優に超え、豊富なキャッシュである。したがって、いつでも、1兆円を超える巨額な投資が即座にできる財務状況にあるといえ、今後、Googleがいつ、どう動くか、目をがせない状況が続くといえよう。
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