MD評価表とは?
本日、10/8は、POS/RDS分析セミナー当日である。私の持ち時間は、14:10から15:40までの90分であり、今回、テキストを2つ用意させていただいた。ひとつは、「PI値の基礎講座」、そして、もうひとつはメインテキストの「自社と地域POSデータのPI値活用方法大公開」である。このテキストは、何らかの形でセミナー同様無料で一般公開してゆきたいと考えており、いずれ本ブログで告知する予定である。また、本セミナーの内容については改めて、本ブログでも取り上げる予定であるが、ここでは、今回のセミナーの根幹となっているMD評価表について解説したい。
MD評価表とは、文字通り、マーチャンダイジングを評価する帳票のことである。PI研オリジナルであり、いまから約20年前、まだ船井総研の時代であるが、1992年10月に基本方程式、MD方程式を開発し、そのMD方程式にそって、各指標を帳票化したものであり、MD評価表と名付けた。原理は極めてシンプルである。そもそも売上高は客数と金額PI値(客単価)に分解できる。そして、金額PI値(客単価)は売上高/客数であるので、この売上高を売上数量×平均単価と分解することによって、金額PI値(客単価)は(売上数量×平均単価)/客数となる。したがって、この内、売上数量/客数はPI値であるので、結果、金額PI値(客単価)はPI値×平均単価と分解できる。
ここから、売上高は、売上高=金額PI値(客単価)×客数=PI値×平均単価×客数と分解でき、これがMD方程式である。マーチャンダイジングはPI値の改善、平均単価の見直し、そして、客数アップが優先順位であるので、その順番に各指標を並び替えた。MD評価表は、このMD方程式の中の、特に、金額PI値(客単価)=PI値×平均単価に着目し、この順番に帳票化し、マーチャンダイジングを評価できるように工夫したものである。したがって、マーチャンダイジングの評価は金額PI値が基本であり、これが結果であり、目標となる。PI値、平均単価は原因であり、手段である。良く勘違いされるのが、PI値を評価してしまい、PI値を結果と見、目標とする場合があるが、これは間違いである。金額PI値=PI値×平均単価であるので、左辺が結果、目標であり、右辺が原因、手段である。
したがって、どんなマーチャンダイジング手法をとってもかまわないが、金額PI値が上がらなければ、たとえ、PI値、平均単価が上がったとしても間違いである。ただ、最新の新MD方程式はIDを組み込んだID-POSのMD方程式が開発されており、これは売上高=ID金額PI値×ID=ID客数PI値×金額PI値×IDとなり、ここから新MD評価表はID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値に着目した帳票となる。この場合はID金額PI値が結果であり、目標となる。ID客数PI値、金額PI値は原因となり、手段となるので、金額PI値の位置づけがかわり、結果、目的ではなくなる。この場合のマーチャンダイジングの評価はID金額PI値となるので、仮に、金額PI値が下がってもID客数PI値が上がり、ID金額PI値が上がれば、正しいマーチャンダイジングとなる。
話をもとにもどし、金額PI値であるが、金額PI値=PI値×平均単価であるので、金額PI値が上がるケースは3つある。PI値のみが上がる場合(平均単価が下がる)、平均単価のみがあがる場合(PI値が下がる)、そして、双方が上がる場合である。同様に、金額PI値が下がる場合も3つあるので、マーチャンダイジングの評価は上がった場合が3パターン、下がった場合が3パターンの合計6パターのどれかに治まることになる。理想は金額PI値が上がり、その中身のPI値、平均単価双方が上がった場合であり、次善はPI値のみ上がった場合であり、ついで平均単価のみ上がった場合となる。逆に最悪は金額PI値が下がり、その中身、PI値、平均単価双方が下がった場合である。
したがって、この原理をRDSの地域POSデータに応用すれば、RDSの地域POSデータと自店のPOSデータをMD評価表に落とすことができ、自店のマーチャンダイジングをRDSの地域POSデータと比較し、評価することが可能となる。これが今日のPOS/RDS分析セミナーのポイントである。したがって、はじめて、RDSの地域POSデータと自店のPOSデータがMD方程式にもとづく、MD評価表に落とすことが可能となり、これによって、日本中の食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングを単品レベルで評価できるようになったといえる。それが、まさに、10/8、今日から、無料で全国の食品スーパーマーケットがRDSに参加すれば、たとえ、自社にPOS分析システムがなくても、毎月MD評価表に落ちるようになり、自社のパソコンのインターネットで閲覧できるようになる。
約20年前にMD方程式を開発した時は想像もできなかった世界であり、しかも、RDSの地域POSデータも、MD評価表の使用、そして、このセミナーもすべて無料であり、すごい時代だと思う。特に、今回の仕組みは1店舗から可能であり、小規模のPOS分析が十分にできない食品スーパーマーケットにとっては朗報である。また、大規模の食品スーパーマーケットの場合は、各店長が自分の店舗のマーチャンダイジングの実態を判断することもでき、意欲のある店長は自社のマーチャンダイジングの強化、そして自らの成長のためにも大いに活用して欲しい仕組みである。
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