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October 30, 2010

N005:満足度95%、大都市直売所、消費者アンケート!

   「農業者所得向上流通調査」(農林水産省補助金交付事業)に着手して、早6ケ月が過ぎた。本調査の目的は大都市の直売所、および直売方法の実態を調査し、農業者の所得向上へ向けた課題抽出、農業者のメリット・デメリットを整理することにある。これまで、特に首都圏及びその周辺の直売所について調査し、すでに、1,000件に及ぶ主要直売所のデータベースができあがった。最新の農業センサス2010によれば全国には直売所が16,824件あるので、その膨大な数からいえば、まだまだ限られた直売所であるが、この中には個人農家の小さな直売所もあるので、主要直売所は数千件と推測され、1,000件の主要直売所のデータはそれなりに、現状の主要直売所の実態を表していると思われる。

   さて、今回は、本調査の結果速報ということで、おいおい、直売所の実態については集計ができ次第、報告してゆく予定であるが、大都市における直売所に対する消費者の声を紹介したい。テーマは、大都市における消費者が、大都市の直売所で野菜、果物等の農産物の購入を経験した方がどのくらいいるのか、また、その購入経験者の満足度、未購入者の期待度をアンケート調査から明らかにした結果である。

   ここで大都市とは東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の6都市を選んだ。この6都市は、本調査事業の対象地区でもあり、依然、本ブログでも取り上げた日本の人口が集中している代表的な大都市であるからである。ちなみに、それぞれの地区の人口と伸び率であるが、札幌191.0万人(105%)、仙台103.7万人(103%)、東京都区部884.6万人(109%)、名古屋225.9万人(104%)、大阪266.8万人(103%)、福岡146.2万人(109%)であり、すべての都市が100万人を超え、人口も伸びている。また、いかに、東京都区部が異常な人口密集地であるかもわかる。

   日本の人口は2008年度を境に減少傾向が鮮明であるが、この数字のように都市部は人口増が続いており、今後、依然として有望なマーケットであるといえよう。ただ、少子高齢化が激しい勢いで進んでおり、これまでの延長では消費者の需要は獲得できず、柔軟なビジネスモデルの構築が課題となろう。

   このような大都市の消費者へのアンケートであるが、ネットを活用し、約1,000人に調査を行った。その結果は、大都市の直売所で野菜、果物等の農産物を購入したことのある消費者は約30%となった。何と、約70%が大都市の直売所での経験がないという結果である。いかに、大都市においては直売所を利用する機会がないかが浮き彫りになったといえる。先に見たように全国には16,824件も直売所があるにも関わらず、大都市での直売の経験者は約30%であり、まだまだ大都市では直売所の認知度が低いといえよう。逆に考えれば、大都市での直売所は有望な市場であるともいえ、今回の調査事業のまさに目的、大都市での農業者の所得向上をはかれる機会が多いともとれる。

   では、その約30%の大都市の直売所での購入経験者の内、再度、直売所で野菜、果物を買いたいですかと聞いたところ、驚くべきことに、約95%が買いたいとの答えだった。これは予想外の高い数字であり、大都市の消費者がいかに直売所での野菜、果物の購入を経験した方は望んでいるかがわかった。これも逆に考えれば、既存の大都市の野菜、果物を販売する食品スーパーマーケット、GMS、SC、八百屋等に課題があるということであり、大都市の消費者の潜在需要が改めて浮き彫りになった結果となった。

   一方、未購入者約70%に、もし、大都市に直売所ができた場合、そこで、野菜、果物を購入しますかと尋ねたところ、50%強の方が買うと答えている。逆に50%弱の方が買わないと答えており、ほぼ2分した結果となった。これも興味深い結果であり、購入経験者の方がもっと直売所に期待しているのかと思っていたが、意外に、低い数字であり、特に、購入経験者と比べ大きなギャップがあることがわかった。

   以上が消費者の大都市における直売所の認知度であり、購入経験者の満足度であり、そして、未購入経験者の期待度であるといえよう。まだまだ、直売所は大都市においては認知度が低いが、一旦経験すれば満足度は極めて高く、逆に経験しないと期待度はさほど高くならないという結果である。

   このように、大都市における直売所はまだまだ認知度が低いことが改めて浮き彫りになった。実際、今回調査をしてみて、首都圏においても、また、地方の大都市においても大都市のど真ん中にはほとんど直売所がないのが実態であり、大都市は直売所という業態にとっては、明らかに空白地帯であるといえる。そもそも、直売所自体が地産地消を原点に産地直売所から自然発生的に始まった経緯があることを考えると当然といえば当然である。ただ、今後はこの空白地帯の大都市においても、少しづつではあるが直売所ができつつあり、今回のアンケート結果が示すように購入経験者の消費者の満足度は異常に高いことから、いずれ、業態として一定のシェアを占めることになろう。この返の最新状況も踏まえ、引き続き、調査を継続し、随時、本ブログでもその結果を公表してゆきたい。

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