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October 09, 2010

POS/RDS分析セミナー、終了、セミナー解説、前半!

   10/8に実施したPOS/RDS分析セミナーが終了した。このセミナーは、経済産業省所管の財団法人、流通システム開発センター主催、株式会社マーチャンダイジング・オン協力のもとで行われ、私がメイン講師を務めさせていただいたものである。私もはじめての挑戦であるfree&free(セミナ―料金、RDSのPOSデータ)のセミナーであり、どうなることかと思ったが、会場は75名が入るスペースに、食品スーパーマーケットの方を中心に、卸、メーカーの方など80名を超える方が参加されたとのことで、満杯となった。

   今回のセミナーのテーマは、「自社、地域POSデータ活用により、店舗をリフレッシュ、売上、顧客満足度アップ」であり、内容は2つ、「自社と地域POSデータのPI値活用方法大公開!」と、「POSデータを店舗改装に活かすノウハウ大公開」である。特に、RDSのPOSデータは独特なPI値を採用していることもあり、テキストは、PI値の基礎講座も入れ、約30ページ、関係資料を入れると約50ページ近くとなり、かなり内容の濃いものとなった。いずれ、本テキストについては、今回参加できなかった方のために、何らかの形で無償でご提供させていただく予定である。また、セミナー内容をビデオにもとったので、RDSに参加されている企業、今後、新たに参加される企業には無償でご提供させていただく予定である。

   さらに、セミナーの中でも詳しく解説させていただいたが、菓子パンの無料診断については、当面、これも無料で継続させていただく予定であり、PI研のホームページから申し込めるので、食品スーパーマーケットの方は、RDS同様1店舗から申し込み可能であるので、検討いただければと思う。特に、菓子パンの品揃えを全面的に見直したい店舗は参考になるものと思う。

   菓子パンは食品スーパーマーケットの全商品の中でも、最も重要な商品であり、従業員の方がマーチャンダイジングの基本を学ぶ上においても最適の商品である。特に菓子パンは品揃えが命であるが、自社だけで品揃えを考えると、徐々に少なくなり、縮小均衡になってゆく傾向があり、結果、顧客の満足を得ることができなくなる。RDSのPOSデータでは、月間約1,000SKUの品揃えがPI値付きで提供されており、これを自社の菓子パンのPOSデータとマッチングさせ、フルに活用することによって、次月度からガラッと品揃えが変わるはずであり、結果、顧客から絶大な支持が得られるものと思う。

   さて、セミナーの内容であるが、冒頭でPI値についての基本的な解説から入った。特に、この日は金曜日であり、ちょうど、日経MJで新製品週間ランキングが公開されることもあり、そのランキングの基本となるPI値についてまず解説した。日経MJではランキングの順位を金額PI値順で見ているが、この金額PI値がRDSのPOSデータ同様、独特なPI値を活用している。PI値は様々な種類があり、日経MJの金額PI値は取扱い店舗のみの客数を分母にしたPI値であり、対象全店舗の総客数を分母にしてはいない。実は、PI値には大きく2つのPI値があり、ひとつは、日経MJ、そして、RDSでも使用している取扱い店舗のみのPI値であり、もうひとつは、全店舗のPI値である。

   この2つは実は密接な関係があり、全店舗のPI値=客数PI値×取扱い店舗のPI値で関係づけることができる。客数PI値は取扱い店舗の客数/全店舗の客数である。したがって、本来、取扱い店舗のPI値は客数PI値と共に存在しているPI値であり、理論的には必ず、客数PI値を明示する必要がある。ところが、日経MJでは、この客数PI値が明示されておらず、その代用としてカバー率、すなわち、取扱い店舗率が示されている。ただ、このカバー率を取扱い店舗のPI値に掛けても、全店舗のPI値にはならず、あくまで、客数PI値の参考となるに過ぎない。本来、取扱い店舗のPI値を示すのであれば、客数PI値は不可分の指標として必然的に付いてくるものであるが、意外に落としてしまう場合が多いので、ここをしっかり押さえることがポイントであることを初めに解説した。なお、今後のRDSのPOS分析には、客数PI値は必須の指標となる予定であり、理論的にも実践的にも活用しやすくなるものと思う。

   そして、これについでセミナーの前半で、特に深く解説した内容は、前回のブログでも取り上げたMD評価表、その基礎となるMD方程式についてである。これについては、前回のブログを参照いただければと思うが、基本は、金額PI値=PI値×平均単価であり、金額PI値とPI値(数量)は並列でなく、従属関係にあり、マーチャンダイジングの目的は金額PI値が基本であり、PI値、平均単価はその手段でしかないという点をじっくり解説した。そして、この原理を今回のRDSのPOS分析には全面採用していることを実際の生データを用いて解説した。これについては、稿を改めて、再度、本ブログで取り上げたい。特に後半では、PI値のレイアウトへの活用についても解説し、RDSのPOSデータをどう店舗改装に活かすか、特に、客数PI値が極めて重要な役割を担うことを、実際のRDSのPOSデータと改装図面を用いて解説した。

   PI値に関してはこれ以外にも、様々な実践のノウハウがあり、これについてもポイントのみを解説した。たとえば、PI値活用のための基準値設定のポイント、発注への応用、粗利PI値、ちらしPI値、エンドPI値、さらには、最先端のID-PI値についてもそのさわりを解説した。以上がセミナー前半の内容であり、タイトルをつけるとすると、「知っているようで知らないPI値の真実」とでもなろうか。そして、次回、後半は、「RDSだからできる、自社のPOSデータをPI値で生き返らせる方法」とでもなろうか。

・・続く!

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