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October 15, 2010

直売所調査、中間報告終了!

   今年の5月に農林水産省補助金事業の直売所の調査を始めて4ケ月が経過した。やっと中間報告をまとめる段階までこぎつけ、10/14、農林水産省にて中間報告を行った。まだまだ先は長く、来年3月まで続く調査事業であるが、一歩一歩進めて、調査の完成度を上げてゆきたいと思う。直売所はいまや農業の6次産業化の販売拠点となりつつあり、自然発生的にはじまった産地直場所が徐々に大型化してゆき、かつ、都市部へと近づきつつある。野菜、果物だけでなく、加工品、花き、米、その他特産品、さらに、レストラン併設の直売所も増え始め、まさに、農業、農村の6次産業化の販売拠点となりつつあるといえる。

   ただ、残念なことに、都市部にはまだまだ一部の道の駅を除き、本格的な直売所は少なく、今後の課題となっている。現在は、マルシェ、食品スーパーマーケットのインショップ、そして、オイシックス、パルシステム、ラディッシュボーヤなどの通販などが主流であるといえる。現在、調査事業では、直売所については、先に大都市周辺の直売所の実態調査を先行しており、特に、首都圏、1都6県の主要直売所、約1,000件の実態をほぼまとめ終えたところである。今回の中間報告も、この首都圏の主要直売所の実態調査報告がポイントであり、そこから、農業生産者の所得、特に都市部の直売所において、いかに所得向上につなげるかの現時点での課題をまとめたものである。

   さて、首都圏の約1,000件の直売所の実態であるが、どう分析するかについて、いろいろ検討したが、3つの角度からクロス分析をして見ることにした。その理由は、直売所の研究論文はここ10年間だけでも多岐に渡っており、特に、農林水産省の各地の出先機関、農政局では、地産地消の観点から、大規模な調査が幾度となく実施されている。したがって、原則、それらの調査結果とも連動が図れるようにと思い、経営(運営)主体別、販売金額別の2つのクロス分析を採用することにした。

   そして、もうひとつは、今回の顧問をお願いしている千葉大学教授、斎藤修農業博士の指導のもとに、距離別のオリジナルのクロス分析を試みた。この3つを並べて1枚の分析表にすると、まさに、直売所の実態が浮かび上がり、約1,000件の直売所のイメージを瞬時に掴むことができる。最終報告では全国数千件の直売所の分析結果が全体、そして、地域ごとに数表化される予定であるが、今回は中間報告ということでもあり、まずは、首都圏約1,000件のまとめの中間報告が主体となった。

   その中身であるが、ポイントをいくつか見てみたい。まずは、直売所の原則は地産地消であるが、いわゆる地場産の割合はどのくらいかというと、約80%が平均である。これを経営(運営)主体別に見ると、生産者の直売所が90%と高く、JAが意外に低く66%となる。また規模別に見ると、さらに特徴が鮮明であり、年間500万円未満の直売所は94%と最も高く、年間3億円を超える直売所は61%と低くなる。また、距離別に見ると、20km圏内は58%であるが、60km以上は78%と高くなる。したがって、小規模、生産者の産地直売所ほど地産地消が際だっており、都市部、大規模、組織体の直売所ほど、地場産率が低くなり、様々な商品を取り入れていることがわかる。

   では、農業生産者は直売所にどのくらい集まっているかであるが、平均約70件ぐらいとなる。これもクロス分析で見ると、規模別では500万円未満では14件であるが、1億円を超えると100件をこえ、3億円を超えると200件近くとなる。また距離別で見ると、20km圏では40件前後であるが、60km以上になると100件を超えてくる。ただ、これを売上金額で見ると、平均は何と128万円となり、直売所の農業生産者は年間100万円を超えることが、まずはポイントでることがわかる。これもクロス分析して見ると、5,000万円クラスの直売所で50万円ぐらい、1億円を超えると100万円、3億円を超えると、300万円となり、規模と農業生産者の所得とは明確な相関があるといえる。さらに、距離で見ると、20km圏内は200万円近いが、60km以上は100万円となり、都市部ほど、所得が高いという結果となる。

   また、首都圏の主要直売所約1,000件の平均売上高であるが、9,434万円であり、ほぼ1億円となる。これもクロス分析すると、生産者主体の直売所は約3,000万円であるが、JAで1億強、市区町村主体の直売所となると2億円強となり、経営(運営)主体で規模が違うといえる。規模別で見ると、500万円未満の直売所の平均は172万円であり、意外に小さい。また、3億円以上は5億円強であり、こちらは逆に大きいといえよう。そして、距離別であるが、意外に20km圏内の都市部が約7,000万円、60km以上が1億円と産地直売所の方が売上規模が大きいという結果となった。

   このように、首都圏の直売所の実態をほぼつかむことができたが、今後は、さらに、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡周辺の直売所の実態に迫り、大都市直売所における農業生産者の所得向上にあたっての課題を明確にする予定である。まずは、中間報告も無事終了し、いよいよ、後半戦に入り、全国規模での調査へと移ることになるが、来年3月まで目いっぱい有効に時間を使い、調査事業に取り組んでゆきたいと思う。いずれ、専用のホームページを公開する予定であるが、それまでは、本ブログを通じ、時々、経過を報告したいと思う。

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