コンビニ、売上速報、2010年10月度、-3.7%!
注目のコンビニの売上速報、2010年10月度が(社)日本フランチャイズチェーン協会から11/22、公表された。9月度はたばこの値上げによる駆け込み需要が売上高を押し上げ、速報値で昨対15%増と異常値が出ており、その反動がどのくらいになるか注目されていた。結果は-3.7%減となり、微妙なマイナス、大きな落ち込みとはならず、むしろ、善戦したといえよう。ちなみに、この10月度までの売上速報の数字であるが、10月度-3.7%、9月度+15.0%、8月度+2.9%、7月度+2.6%、6月度+0.9%、5月度-1.1%、4月度-1.4%、3月度-2.6%、2月度-2.0%、1月度-2.7%という推移であり、10月度はやや落ち込み幅が大きいが、9月度の異常値を考慮すると、さほど大きな落ち込みではないといえよう。
特に、商品部門ごとの売上速報を9月度と比較して見ると、日配食品4.6%(9月度1.0%)、加工食品1.7%(9月度1.3%)、非食品-19.3%(9月度43.9%)、サービス8.8%(9月度4.5%)という結果であり、たばこを含む非食品以外の部門はむしろ数字が伸びており、昨年対比で見ても、9月度の昨年対比で見でも、好調といえる。明らかに、たばこの問題に絞られているといえ、今後、たばこの買いだめが一段落すると、非食品もプラスになり、全体もプラスに転じる可能性が極めて高いといえよう。したがって、この9月度のコンビニの売上速報は9月度のたばこの値上げに対する駆け込み需要の反動はあったものの、その影響を抜けば、堅調な売上高であったといえよう。
今回のこの10月度のコンビニの売上速報はマスコミ各社も注目していたと見え、各社が様々な記事を掲載している。その一部をネットから拾ってみると、「コンビニ売上高5.9%減 10月、「たばこ特需」の反動」(日経新聞)、「コンビニ売上高10月5.9%減、たばこ駆け込みの反動」(朝日新聞)、「コンビニの10月売り上げ低調、たばこ反動減で」(読売新聞)、「たばこ反動にプレミア路線で対抗 10月コンビニ、5・9%減も客足戻る」(MSN産経ニュース)、「たばこ反動減、コンビニも打撃=5.9%マイナス-10月」(時事通信)、「たばこ増税コンビニ直撃」(TBS)という見出しである。
この(社)日本フランチャイズチェーン協会のコンビニの売上速報は、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの10社の統計数字であるが、全体は-3.7%であったが、各社の数字には大きなばらつきがあるという。先の各社の記事の中で、日経新聞を見ると、セブンイレブン・ジャパン-2.1%、ローソン-3.1%であるのに対して、たばこの売上構成比の高いサークルKサンクス-11.1%、ミニストップ-10.6%、ファミリーマート-9.9%と2極化しているという。また、11月に入り、すでに売上高がプラスに転じたチェーンも出ているといい、コンビニの売上高がゆるやかなに回復する動きもみられるという。
MSN産経ニュースでは、これを裏付けるように、各社のコメントを掲載しているが、「10月当初は、たばこの売り上げが4~5割減ったが、思ったより速いペースで戻っている」(セブン-イレブン・ジャパン)、「11月中旬の段階で来店客数が前年を上回る水準に回復した」(ローソン)とのことで、特に、この2チェーンは売上高が回復基調に入っているといえよう。特に、「各社とも「ここでしか買えない」というプレミアム商品を強化するなどの反動減対策が効果を発揮している。」とのことで、プレミアムがキーワードのようである。
さて、ここで、もう少し、10月度の数字を確認してみたい。全体の売上速報は-3.7%であったが、既存店は-5.9%ともう少し厳しい状況である。店舗数が43,268店舗(1.7%)と新店が増加したことが全体の数字を押し上げたといえる。では、客数、客単価はどうであったかであるが、客数-2.6%(既存店-4.4%)、客単価-1.1%(既存店-1.5%)であり、売上高減の要因は客単価よりも客数が大きいといえる。
ちなみに、客単価の金額であるが、10月度558.8円(既存店553.0円)、昨年10月度565.0円(既存店561.6円)であり、昨年と比べ約7円のダウンである。7円の客単価は200円の商品のPI値3%強であり、コンビニの客数約1,000人で30個の数であり、1日30個プラスで売れるかが課題となる。逆に、平均単価を210円強と10円強のアップでも良い。実際のコンビニの対策を見ると、プレミアム商品開発による平均単価アップを重視しているようであり、PI値アップの数量強化ではないようである。
このように、この10月度のコンビニの売上速報は、全体が-3.7%(既存店-5.9%)となったが、その要因は予想された9月度のたばこの値上げ前の駆け込み需要の反動であることが明らかであり、これを除くとむしろプラスであるといえ、比較的堅調な結果となったといえよう。その意味で、たばこの影響はコンビニにとって、プラス効果の方が大きかったといえ、マイナスは予想の範囲内、むしろ、予想以上にマイナスの影響は低かったといえよう。次回、11月の数字がプラスに転じるかどうか、コンビニの今後の動向に注目である。
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