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November 28, 2010

日経MJで小型食品スーパーマーケットの記事!

   11/26の日経MJで小型食品スーパーマーケットの記事が掲載された。見出しは、「小型スーパー個性競う」、「ヨーカ堂こだわりの商品、イオンローコスト運営、マルエツ通常店を凝縮」であり、各社の小型食品スーパーマーケットの現状を取り上げている。本ブログでも取り上げたイトーヨーカ堂の食品館阿佐が谷店も取り上げられており、都心型小型店がにわかに注目されつつあるといえよう。

   記事の中では、イトーヨーカ堂以外にも、イオンのまいばすけっと、マルエツのマルエツプチ、成城石井も取り上げられており、その違いを一覧表でも解説しており、興味深い内容である。記事を読む限り、この4つの都心型食品スーパーマーケットは3つのタイプに分かれているという。ひとつは、イトーヨーカ食品館堂阿佐が谷店、成城石井型のこだわり商品を強化したアップスケールタイプの食品スーパーマーケット、イオンのまいばすけっとの小型ディスカウント型の食品スーパーマーケット、そして、マルエツプチの通常凝縮型の食品スーパーマーケットである。

   記事の中でも言及されているが、イトーヨーカ堂食品館と成城石井は基本コンセプトが良く似ているという。まず、イトーヨーカ堂食品館であるが、想定顧客層を「生活に比較的ゆとりのある高齢者、共働き夫婦、単身者」としており、698円のポン酢など通常店にあまりない商品も多いという。さらに惣菜にもこだわり、398円、498円の弁当に加え、698円のキンメダイの煮付け弁当、さらには、1,500円前後の人形町今半の弁当まであるという。そして、記事では、「ヨーカ堂のこだわり路線をさらに推し進めているのが成城石井だ。」と解説しており、最新の六本木ヒルズ店を取材している。

   実際、成城石井とイトーヨーカ堂食品館阿佐が谷店の売場は良く似ており、ブログでも言及したが、随所に成城石井のにおいのする商品があり、基本コンセプトが似ているといえる。イトーヨーカ堂食品館は、今後、1年以内に東京23区に10店舗、将来は首都圏に100店舗を展開する計画であるというが、これを統括するのが、成城石井の元社長、大久保氏とのことで、似てくるのは当たり前といえば当たり前であろう。

   ただ、記事の中でも言及されているが、イトーヨーカ堂食品館の店舗面積が880平米であるのに対し、成城石井は100から180平米と1/4以下の超小型店であり、ここ最近は特に商業施設内、駅中などに出店しており、出店戦略に違いが見られる。ちなみに、この店舗面積の違いが商品構成にどのような違いがあるかであるが、決定的な違いは、生鮮食品と日配食品であり、この商品群が店舗面積の差となっているといえよう。また、成城石井は酒が特に強化され、ワイン等が充実しているが、イトーヨーカ堂食品館はあまり酒は強化されてはおらず、ここも大きな違いである。したがって、両社は競合するというよりは、合い補いあう関係ともいえ、今後、駅中は成城石井、駅周辺はイトーヨーカ堂と補完関係を築くことも可能であるといえ、同一商圏内に両店舗が同時に成り立つことも十分に考えられることである。

   これに対して、イオンのまいばすけっとであるが、店舗面積は成城石井に近く、150平米から250平米であるが、とにかく価格訴求が基本戦略であり、しかも、商品を約2,000品に絞り込んでいるのが特徴といえる。この面積ではさすがに生鮮食品、日配の充実は難しく、グロサリー主体の商品構成とならざるをなくなる。すでに150店舗近く首都圏に出店しており、小型食品スーパーマーケットとしては、今回の記事にはないが、ローソンストア100(ショップ99)と並び、店舗数がかなりの数となっており、業態としても確立しつつあるといえよう。

   そして、マルエツのプチであるが、記事の中では「通常の食品スーパーを凝縮した形」と表現されているが、実際、商品数は約3,000品目、売場面積は140平米前後ということで商品数をコンビニ並みに絞り込み、面積はコンビニよりも一回り大きいといえ、その分、生鮮食品、日配等を充実させているといえる。特に、出店戦略が「都心部のスーパーが少ない地域」への出店であるといい、まさに、食品スーパーマーケットの空白商圏を補う業態というコンセプトであるといえる。

   今回記事には掲載されていないが、首都圏ではいなげや、カスミ、テスコ、JRに買収された紀ノ国屋なども小型店開発に積極的であり、今後、都心型小型食品スーパーマーケットの競争が激化してくるものと予想される。ただ、まだまだ、採算性にあっているとはいえず、当面ビジネスモデルとしての検証が続くと思われるが、都市部でのニーズは確実に増加しているといえ、消費者にとっては望ましい動きであるといえる。

   このように、日経MJで都心型、小型食品スーパーマーケットが特集されたが、100店舗以上を出店し、業態が確立されつつあるのがイオンのまいばすけっと、ローソンストア100(ショップ99)ぐらいであり、あとは、ここ最近本格展開がはじまった、ないしは計画されている企業であり、ビジネスモデルとしては、まだまだ実験段階であるといえよう。ビジネスモデル確立には、恐らくもう数年かかるのではないかと思われるが、今後、本命となる可能性の高いイトーヨーカ堂食品館の2号店がいつ、どこに出店するのかが気になるところである。

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