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November 02, 2010

N006:直売所のバーコードとは?

   ここ最近、直売所を調査するケースが増え、全国の直売所を見る機会が増えた。首都圏はもちろん、先週は仙台、来週は北海道、次の週は名古屋、大阪、そして、月末は福岡の直売所を調査する予定である。そこで、最近気になっているのが、直売所のPOSの状況である。その中でも、バーコードの活用が特に気になる。食品スーパーマーケットと同じ13桁のバーコードを使いながらも、その使用方法が実にユニークであるからである。食品スーパーマーケットの生鮮食品の管理に活用するインストアコードに近い活用の仕方であるが、それともまた違い、独特な活用がなされている。

   ところで、通常の13桁のバーコードは、初めの2桁が国別番号であり、次の5桁が企業名であり、その次の5桁が商品名であり、最後の1桁がチェックデジットとなる。余談だが、このチェックデジットであるが13桁のバーコードでは1桁となる、これが何をどうチェックしているのかが以前から気になっていたが、調べてみると実に便利な数字である。まずは、その算出方法であるが、日本のバーコードの総元締めともいうべき、(財)流通システム開発センターによれば、「456995111617の場合、すべての偶数位置の数字を加算する。1の結果を3倍する。すべての奇数位置の数字を加算する。2の答えと3の答えを加算する。最後に“121”の下1桁の数字を“10”から引く。この場合は“10”から“1”を引き算した答えの“9”がチェックデジットである。 下1桁が“0”となった場合は、チェックデジットはそのまま“0”となる。(“0”の場合は“0”)」ということである。

   かなり複雑な計算をしているが、すべての13桁のバーコードはこのような計算をして算出しているということである。では、このチェックデジットをどう活用しているかであるが、大きくは2つの目的があるという。ひとつはスキャンの読み取りミス防止、そして、もうひとつはバーコードの書き変え(偽造)チェックであるという。どうして、このたった1桁の数字でそんなことができるかであるが、POSレジでは一度バーコードをスキャンすると、先に上げた計算に当てはめ、チェックデジットを計算し直すとのことで、その時算出された数字とバーコードのチェックデジットの数字とが違っていた場合、読み取りミスと判断できるという。同様に、数字が書きかえられた場合もチェックデジットの数字と合わなくなることが起こり、偽造等のチェックに活用可能であるという。

   POSレジがスキャンと同時にそんな計算を一瞬の内にしていたとは驚きであるが、このチェクデジットがあるおかげで、読み取り精度が数億分の1ぐらいになるというので、これまた驚きである。たった13桁のバーコードであるが実に興味深いといえよう。

   さて、本題に戻るが、直売所は食品スーパーマーケットと違い、同じ生鮮品、特に青果物を扱っているが、バーコードの活用方法が全く違う管理を行っている。ここに直売所で実際に購入したミニトマトがあるが、このバーコードは1306310302308という13桁の数字が付けられている。では、この13桁はどう管理されているかであるが、はじめの1が店舗番号のようである。次の4桁、3063が出荷者名、次の3桁、103が品名、すなわち、ミニトマト、次の4桁、0230が価格、そして、最後の8がチェックデジットである。ちなみに、このチェックデジットを先の計算式に充てはめると15×3+7=45+7=52となり、10-2=8で確かに、チェックデジットは8となる。

   したがって、食品スーパーマーケットと直売所のバーコードの活用の決定的な違いは出荷者管理をバーコードで管理していることであるといえる。したがって、商品ごとの分析に加え、出荷者ごとに通常のPOS分析が可能となり、さらに、これをクロスさせ、商品ごと、出荷者ごとのPOS分析も可能となる。そして、この出荷者がキーとなることで、生産者へ対しての様々な情報提供が可能となり、これを携帯電話と連動させれば、売上速報、在庫状況の随時提供も可能であり、実際、そのような活用が一部の直売所ではなされている。これは生産者のID-POS分析であるともいえ、恐らく、ID-POS分析のノウハウがほぼそのまま消費者ではなく、生産者版でできるのではないかと思う。

   ただ、残念なのは、13桁の限界もあり、この事例のように、13桁に込められる情報は店番、出荷者名、品名、価格の4つであり、これ以上の情報を付加することは物理的に無理があるといえる。出荷者にとっては、さらに、直売所への出荷数量、容量、販売期限、出荷時刻など付加できれば、付加したいところであろう。

   こう見ると、直売所の今後の商品管理を考えた場合、現在の13桁のバーコードよりももっと柔軟に対応でき、先に上げた直売所特有の様々な青果物の情報が付加できれば、生産者にとってメリットが大きいといえよう。たとえば、直売所特有の在庫問題、物流問題、生産者の生産計画、新商品開発等にデータを活かすことができれば、より生産者の所得の安定に寄与し、さらには所得の向上も繋がることになろう。実は、現在、まさに、2010年から始まった新たなバーコードがあり、これを活用することによって、この問題が解決できる可能性が極めて高いといえる。それはGS1データバーであるが、これについては稿を改めて取り上げてみたい。

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