RDS/POSデータをどう活用するか!
RDS/POSデータセミナー終了後、関係先でRDS/POSデータの活用がはじまった。このPOSデータは自店のPOSデータとRDSの全国約100社の食品スーパーマーケット、約400店舗のPOSデータの中から、自店が所属する地域のPOSデータとの比較ができ、結果、自店のマーチャンダイジングの改善に活かすことが可能な貴重なPOSデータである。食品スーパーマーケットであれば、全国どこでも、この価値あるRDS/POSデータをRDS(財団法人流通システム開発センター)に申し込めば、無料で自社のPOSデータと比較可能な形で入手することができる。
そこで、改めて、このRDS/POSデータをどう活用するかについて、解説したい。現在、このRDS/POSデータについては、体験版として、本ホームページから菓子パンに限り、無料で診断を受け付けているが、すでに、数社の診断を実施しており、その診断ポイントも含め、解説してみたい。
まず、最初の着眼点であるが、RDS/POSデータはJICFS(JAN Item Code File Service)の標準小分類に自社のPOSデータを再分類して比較可能な形に集計してくれるので、JANコードがあるPOSデータはすべてRDS/POSデータと比較可能となる。現在、JICFSに登録されているPOSデータは食品関連では、加工食品 423,949件、生鮮食品 17,717件、菓子 203,867件、飲料・酒類 180,451件、その他食品 37,036件の合計863,020件であり、これに非食品を入れると登録データ総合計は5,017,891件となる。意外に、生鮮食品も多く、きのこ類、果物、塩干、加工肉、惣菜など生鮮3品の中で取り扱われている商品もかなり登録されているといえる。ただ、地域特有の日配食品、米、地域ブランドなどはない場合もあり、その場合は比較可能な商品で活用することになる。
たとえば、どのような分類があるかであるが、たばこ、その他農産、菓子パン、ビール、その他畜産、発泡酒、畜肉ソーセージ、カップ麺、ヨーグルト、牛乳、スナック、・・などであり、食品で約300近い商品分類となっている。特に、このその他農産、その他畜産等に生鮮食品の青果、畜産の商品があり、意外に便利である。その他農産には約650SKUが比較可能となっており、JAもがみぶなしめじ、ドールPHバナナレギュラーTQCX、JAもがみしんちゃんエノキ200g、JAえのき茸200g、坂本青果たまねぎ1kg、更埴ほんしめじ100g、金丸物産えのき茸信州の拘り茸200g、信和たまねぎ、住田きのこえのき200g、弘果ハローキティ完熟バナナくん800g、住商フルーツバナージュバナナ600gなど、バナナ、えのき、たまねぎなど、主力商品も多く、意外に便利である。
さて、実際にどう活用するかであるが、まずはじめの活用は約300に分類されたRDS/POSデータの商品群と自社の商品群ともマッチングさせ、金額PI値の順に並び変えることである。そして、ここがポイントであるが、自社のPOSデータと比較し、金額PI値が自社の方が高い商品群を優先的にピックアップし、自社の強い商品を最優先で活性化する、これがポイントである。実際の9月度のある事例であるが、ベスト10を見ると、たばこ、菓子パン、生麺・ゆで麺、その他畜産、その他加工水産、納豆、豆腐、漬物、パーソナルアイスその他、半生菓子、生菓子という結果となった。9月度は全国的にたばこの値上げ前の駆け込み特需が発生したため、たばこがNo.1となったが、これを抜くと、菓子パンが実質No.1であり、ここからも、菓子パンが食品スーパーマーケットにいかに価値ある商品であるかがわかり、今回の菓子パンの無料診断を是非活用して欲しいところだ。
一方、同時に、店舗の活性化の極意はワーストにも目を配ることである。実際のワースト5を見ると、ビール、リキュール類、焼酎(乙類)、スポーツドリンク、その他雑酒であり、この商品群等をベスト商品群と同時に、いち早く、マーチャンダイジングの改善を行いたいところだ。特に、焼酎(乙類)は平均単価が米についで、食品スーパーマーケットでは高い商品であり、平均単価を改善し、金額PI値をアップするためにも、重要なカテゴリーである。
このように、いま取り組むべき重点カテゴリーが決まると、ここからは、単品の比較検討となる。たとえば、最重点カテゴリーの菓子パンでは、RDSには約1,000種類の菓パンが食品スーパーマーケットでは毎月販売されているが、自社が取り扱っているのは通常100SKUから200SKUぐらいであるのが実態である。したがって、広く視野を広げ、この約1,000SKUから、重点商品を選ぶと同時に、月間、300SKUの品揃えに挑戦するだけで、菓子パンの数字は飛躍的に上がる可能性が高く、このような点からRDS/POSデータを活用してゆくことがポイントである。
RDS/POSデー活用の醍醐味は、自社のデータだけではわからない重点商品の発見、現在の自社の取り扱っている商品の強さ、弱さの把握、そして、自社ではけっしてわからない取り扱ったことのない自社にとっては隠れた重点商品を見つけ出すことが可能なことにあるといえる。特に、小規模、中規模の食品スーパーマーケットにとっては必須のツールであるといえ、その醍醐味を是非味わって欲しいところだ。
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