食品の動向はいかに、家計調査データ、2010年10月度!
前回に引き続き、家計調査データ、2010年10月度を取り上げてみる。前回はたばこについて取り上げたので、今回は食品全般について取り上げてみたい。食品の数字は1,954.06円(昨対99.5%)という結果であり、若干昨対を割り、やや消費は厳しいといえる。ちなみに、全体も9,272.03円(昨対99.9%)であり、わずかであるが、昨対を割っている。また、ここからエンゲル係数を算出すると、21.07%となり、約2割である。ただし、この中には外食は含まれていないので、外食を入れると25.56%となり、約1/4が食品関連の消費となり、これが日本の家計の実態である。
さて、食品であるが、全体は99.5%であるが、大分類で見ると、穀類238.77円(93.6%)、魚介類205.19円(94.8%)、肉類207.29円(98.9%)、乳卵類 109.19円(98.9%)、野菜・海藻289.65円(104.9%)、果物98.32円(103.6%)、油脂・調味料108.61円(97.7%)、菓子類192.65円(99.0%)、調理食品273.71円(102.6%)、飲料122.23円(103.6%)、酒類108.48円(98.6%)となる。ちなみに、外食は416.65円(101.6%)である。こう見ると、この10月度は野菜・海藻289.65円(104.9%)、果物98.32円(103.6%)、飲料122.23円(103.6%)、調理食品273.71円(102.6%)と、この4部門が好調であったといえる。ただ、野菜、果物は相場高によるところが大きいといえ、一時的な上昇ともいえ、実質、全体的には消費は厳しかったといえよう。
そこで、まず、昨対を上回った4部門の中身を見てみたい。野菜・海藻であるが、キャベツ7.48円(122.1%、消費世帯のみ127.3%、割合95.9%)、はくさい6.52円(121.7%、消費世帯のみ121.7%、割合100.0%)、ねぎ10.00円(120.6%、消費世帯のみ119.2%、割合101.2%)、レタス6.06円(124.5%、消費世帯のみ142.8%、割合87.2%)、なす4.94円(126.4%、消費世帯のみ114.0%、割合110.9%)という状況であり、以上が120%以上伸びた項目である。特に、消費世帯のみの数字が良く伸びており、割合、すなわち、消費世帯の数はほぼ昨年と同じである。これを食品スーパーマーケットで見ると、客数が増えた訳ではなく、客単価が増加したことになる。したがって、客単価、すなわち、金額PI値がアップしたということで、PI値か平均単価がアップしたことになるが、まさに、相場、平均単価のアップによる消費増であると推測され、野菜は相場の影響がこの結果を見ても、大きかったといえよう。
ついで、果物であるが、なし12.77円(119.6%)、ぶどう10.19円(114.1%)、キウイフルーツ2.23円(111.3%)等が良く伸びているが、主力のりんご16.74円(100.8%)、みかん15.68円(92.9%)が伸び悩んでおり、さらに、バナナも11.84 円(94.8%)と厳しい状況であり、野菜よりも伸びが低かったと思われる。そして、飲料であるが、炭酸飲料9.00円(116.7%)、乳酸菌飲料9.84円(116.9%)、ミネラルウォーター6.84円(114.6%)等が良く伸びている。また、果実・野菜ジュースも22.29円(109.3%)も好調であったといえる。こう見ると、まだ、残暑の影響が10月度は残っていたといえよう。ちなみに、アイスクリーム・シャーベットは16.26円(101.8%)とほぼ昨年並みであった。また、調理食品では、サラダ8.23円(113.3%)、冷凍調理食品 16.00円(109.3%)、調理パン10.45円(109.1%)が高い伸びを示した項目である。
一方、昨対を下回った部門であるが、特に、穀類238.77円(93.6%)、魚介類205.19円(94.8%)が95%以下と最も下がった部門である。その項目を見てみると、穀類では、何といっても米が106.61円(87.9%)となったことが大きい。ついで、食パン22.90円(94.9%)、生うどん・そば9.94円(95.7%)、乾うどん・そば2.74円(96.6%)が厳しい項目である。ただ、カップめん9.74円(103.8%)、即席めん5.32円(105.8%)は好調であり、よく伸びており、明暗が分かれた。
そして、魚介類であるが、まぐろ13.48円(95.7%)、さば3.10円(78.0%)、さんま7.61円(95.2%)、たい 2.71円(84.0%)、ぶり8.10円(92.6%)、たこ2.74円(85.9%)、えび7.81円(84.6%)、かに2.35円(80.2%)、さらに、かき(貝)3.03円(92.2%)、ほたて貝3.29円(81.0%)と厳しい項目が多い。逆に伸びた項目であるが、いわし1.48円(112.2%)、かつお3.55円(113.4%)ぐらいであり、全体的に魚介類は厳しい消費であったといえる。
これ以外の部門で特に消費が厳しい項目を見ると、牛乳44.90円(95.2%)、食用油7.48円(91.0%)、マーガリン2.32円(85.7%)、食塩1.35円(87.5%)、しょう油5.19江円(91.5%)、みそ6.77円(93.3%)、砂糖3.35円(93.7%)、ソース2.00円(93.9%)、風味調味料5.58円(94.0%)、カステラ2.03円(85.1%)、プリン4.32円(93.1%)、せんべい12.52円(94.9%)、ビスケット8.10円(90.3%)、キャンデー6.35円(82.4%)、チョコレート10.29円(94.9%)、すし(弁当)29.52円(96.8%)、うなぎのかば焼き4.74円(95.5%)、やきとり4.81円(92.5%)、そうざい材料セット10.52円(78.4%)、緑茶9.32円(81.9%)、紅茶2.00円(92.5%)、コーヒー飲料9.90円(95.9%)、清酒15.26円(95.9%)、ウイスキー3.03円(94.0%)、ワイン6.84円(68.4%)等である。
このように、家計調査データ、2010年10月度の食品の消費額は99.5%と昨対を若干下回り、依然として、厳しい消費環境が続いているといえよう。好調な部門は相場の好影響を受けた野菜、果物、残暑の影響と思われる飲料、そして、調理食品の4部門のみであり、その他の部門は昨対を割り、厳しい状況である。特に、穀類、魚介類が厳しい状況であり、これ以外にも先に見たように、多くの項目が昨対を割っており、厳しい消費状況であったといえる。現在、すでに12月に入っているが、今年の年末はこの10月度の状況を見る限り、厳しさが予想される。したがって、伸びる可能性のある項目をしっかり見極め、メリハリのある商品戦略を打ち出す必要があろう。
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