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December 29, 2010

食品スーパー売上速報、2010年11月度、101.4%!

   社団法人新日本スーパーマーケット協会から、12/27、スーパーマーケット販売統計調査、2010年11月度が公表された。この統計調査は食品スーパーマーケット業界の主要3団体、社団法人新日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会の3社合同の調査であり、今年の4月度からはじまった食品スーパーマーケット業界にとっては新たな試みである。その結果であるが、総売上高は7,321.18億円(昨対101.4%)と、堅調な結果となった。10月度が102.1%であるので、やや下がった感は否めず、ここへ来て、食品スーパーマーケットを取り巻く環境は厳しさを増し始めたといえよう。

   この11月度までの売上高の推移を改めて確認すると、11月度101.04%、10月度102.1%、9月度102.5%、8月度101.0%、7月度101.0%、6月度100.1%、5月度97.5%、そして、4月度99.1%という状況である。統計調査をスタートした4月、5月度は昨対を下回っていたが、6月以降、昨対を超えはじめ、堅調な伸びを示していたが、この11月度はやや失速、今後が気になるところだ。ちなみに、この11月度の食品スーパーマーケットの回答企業数であるが、全部で263社、地域別には北海道・東北エリア 44社、関東エリア 68社、東海・北陸エリア 62社、関西エリア 36社、中国・四国エリア 37社、九州・沖縄エリア 16社であり、総店舗数は7,089店舗、ほぼ日本における主要食品スーパーマーケットを網羅しているといえ、食品スーパーマーケットの統計数字としては、最も信頼がおけるものである。

   さて、その中身であるが、このスーパーマーケット販売統計調査は売上高を2つの角度から掘り下げており、より、食品スーパーマーケットの実態がつかみやすく工夫されている。ひとつは部門別売上高であり、ここでは、食品スーパーマーケット独特の生鮮食品を青果、水産、畜産に分け、さらに、惣菜を別途集計している。これに、一般食品・その他、非食品部門が加わり、合計6部門に分けて集計している。そして、もうひとつはエリア別であり、ここでは、北海道・東北エリア、関東エリア、東海・北陸エリア、関西エリア、中国・四国エリア、九州・沖縄エリアと6エリアに分けて集計している。この2つの角度から売上高を分析しており、食品スーパーマーケットの現在の売上動向がしっかりつかめるといえる。

   そこで、まず、部門別売上高であるが、全体が101.4%と堅調な伸びとなったが、この数字を押し上げた部門は青果111.3%(構成比12.5%)である。唯一、2桁の伸びであり、相場高の問題もあったと思われるが、好調な結果であり、構成比も12.5%と生鮮3品の中ではトップであり、この11月度は、力強く全体の売上げを押し上げたといえよう。この青果部門についで、売上げが伸びた部門は、惣菜の103.2%(構成比8.7%)である。特にこの2部門はこの11月度だけではなく、5月はやや厳しい数字であったが、それ以外は順調に売上げを伸ばしており、特に、青果部門は10月度に跳ね上がり、さらに、この11月度はそれ以上の数字となり、独走状態といえ、全体をまさに力強く牽引しているといえる。

   これ以外の部門では、畜産100.3%(構成比10.5%)、一般食品・その他100.5%(構成比44.3%)の2部門が昨対を超えた。逆に、厳しかった部門であるが、何といっても水産である。98.1%(構成比9.0%)であり、この統計をとりはじめた4月度が100%であったが、それ以降はすべて100%を割っており、深刻な状況である。そして、もう一部門、非食品も99.2%(構成比15.0%)と厳しい状況であった。非食品に関しては、水産同様、厳しい数字で推移しており、昨対を超えたのは9月度の103.0%のたばこの値上げ前の特需の時のみである。

   一方、地域別に見てみると、九州・沖縄エリア、関西エリアが比較的好調な数字である。九州・沖縄エリア104.4%、関西エリア103.1%であり、全体が101.4%であるので、全体を押し上げたエリアであるといえよう。これ以外のエリアは昨対こそ割らなかったが、厳しい状況であり、北海道・東北エリア100.9%、関東エリア100.7%、東海・北陸エリア100.2%、中国・四国エリア100.0%と、いずれも、100%強と伸び悩んだ。

   ちなみに、この11月度の7,089店舗の平均的な店舗イメージであるが、日販344.25万円、売場面積は504.63坪である。客単価を仮に2,000円とすると、客数は1,721.25人となる。また、生鮮3品は青果が構成比12.5%でトップであり、生鮮3品合計の構成比は32.0%、グロサリーは44.3%、惣菜8.7%、そして、非食品15.0%である。これが現時点における日本の食品スーパーマーケットの平均的なイメージであるといえよう。

   このように、この11月度の食品スーパーマーケットの売上高は青果のみ、相場高により好調な数字であるが、それ以外の部門が伸び悩み、全体は101.4%と、伸び悩んだ。地域別では関西エリア、九州・沖縄エリアが比較的好調であったが、それ以外のエリアは伸び悩んでおり、ここへ来て、食品スーパーマーケット業界も厳しい経営環境に入ったといえよう。この調査では12月度の景況感も調査しているが、それを見ると、客単価、売上高ダウン、利益横ばい、そして、景気悪化を予想しており、この年末は厳しい状況が予想されよう。これまで比較的堅調な売上げを維持してきた食品スーパーマーケットも、今後は一転、厳しい結果が予想され、今期の決算の動向が気になるところである。

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