丸和、2011年1月度、第3四半期、債務超過!
経営再建中の丸和の2011年1月度、第3四半期決算が12/8、公表された。極めて厳しい結果となり、現時点で、丸和自身も、「当社グループは、前連結会計年度におきまして2期連続して営業損失の計上となったことに加えて、当第3四半期連結累計期間においても、営業損失16百万円、経常損失2億53百万円および四半期純損失18億96百万円を計上しており、純資産の部で債務超過となっております。」と、コメントしてり、極めて厳しい局面にたっているといえる。
丸和は、「10月22日開催の第3回債権者会議におきまして、当社グループの事業再生計画案について、全お取引金融機関の皆様から同意書の提出をいただき、事業再生ADR手続が成立いたしました。」という状況であり、事業再生ADRが成立し、経営再建の真っただ中にいるが、現時点で債務超過になったことにより、今後、親会社のユアーズ、そして、関係金融機関等とどのような対応をしてゆくか注目される。
そこで、丸和が債務超過となった要因を、この第3四半期決算をもとに見てみたい。まず、債務超過がどのような状況にあるかであるが、B/Sの純資産が-7.33億円となっており、負債が資産を-7.33億円上回った状況となり、資産をすべて処分しても、負債を補えない状況にあるといえる。その純資産の中身であるが、資本金36.05億円、資本剰余金35.78億円と資本金関係の純資産は71.83億円と多額の資本であるが、何といっても、利益剰余金が-100.52億円と、100億円を超えており、バランスが大きく崩れている状況である。昨年も-81.54億円と、バランスは崩れていたが、土地再評価差額金が21.49億円あり、これで債務超過を補っていたが、今期はさらに、当期純利益が-10.36億円(昨年-1.66億円)となったため、補えなくなったためである。
その要因は、「事業構造改革及び子会社であるリテイル・アドバンテージの外食事業の事業再編に係る特別損失として事業構造改善費用3億49百万円、減損損失7億66百万円等の損失計上の発生によりまして、四半期純損失10億36百万円(前年同四半期純損失1億66百万円)となりました。」と、特別損失、減損損失があいついで発生したためであり、これが債務超過をもたらしたといえる。
ただ、営業利益も-0.16億円(昨年-1.58億円)と、昨年と比べ大きく改善してはいるが、依然として、マイナスであり、キャッシュを増加させるところまではいたっていない。そこで、営業利益が依然としてマイナスである要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、73.71%(昨年74.17%)と、原価の改善は進んでいる。結果、売上総利益は26.29%(昨年25.83%)となり、粗利は上昇している。今期は「事業構造改革の推進により前年同期比で14店舗の減少、・・」の中、原価が改善しており、健闘しているといえよう。
一方、経費の方であるが、27.39%(昨年27.41%)と0.02ポイントとわずかではあるが、経費の削減も進みつつあるといえよう。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.10%(昨年-1.58%)と、依然としてマイナスではあるが、その幅は縮まっており、マーチャンダイジング力が改善しつつあるといえる。そして、不動産収入、物流収入等のその他営業収入であるが、1.04%(昨年1.02%)と、ここでも0.02ポイントとわずかではあるが、改善している。結果、営業利益は-0.06%(昨年-0.56%)であり、あとわずかで、営業利益がプラスに転じるところまで来ているといえよう。
したがって、営業利益段階では、売上高が253.55億円(昨年281.83億円)と、昨円と比べ14店舗減少し、全部で45店舗となり、金額的にも28.28億円減少したが、率では原価、経費が改善し、マーチャンダイジング力も上向きはじめており、さらに、その他営業収入も改善され、結果、営業利益の赤字幅が大きく減少し、経営再建は確実に進みつつあるといえよう。
ただ、先に見たように、特別損失、減損損失があいついで発生したことが大きく、これを補うまでにはいっておらず、債務超過とならざるをえなかったといえる。今後、丸和は、親会社、ユアーズの一体となって事業再建および経営効率の更なる向上を目指し、事業面、そして、財務面においての本格的な経営再建に入る予定であるが、「事業再生計画は親会社と一体となった計画であり、合併の承認を含む計画の推進については、現在具体的な協議・調整を進めている状況であり、合意は未了であるため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。」とのことで、厳しい局面にあるといえよう。
このように、2011年1月度、第3四半期の丸和の決算が公表されたが、結果は、債務超過という厳しい結果となり、今後、事業をいかに存続させてゆくか、厳しい局面に来たといえよう。ただ、営業利益段階では、原価、経費ともに改善され、依然、赤字決算ではあるが、その赤字幅は縮小されつつあり、マーチャンダイジング力は向上しつつあるといえる。したがって、まずは、資本を増強し、債務超過を解消し、再建計画通りのリストラを実施することであろう。そして、そのためには親会社ユアーズの動向がポイントとなるが、経営状況は予断を許さない状況にあるといえ、今後、年末、年始にかけて、ユアーズがどのような対策を打ち出すか、注目である。
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