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December 24, 2010

オークワ、2011年2月期、第3四半期、減収増益!

   オークワが12/22、2011年2月期、第3四半期決算を公表した。いよいよ、食品スーパーマーケット業界も2月期決算企業の第3四半期決算の公表が本格化しはじめたといえる。今後、年末年始にかけて、あいつで、第3四半期決算が公表されると思うが、本ブログでは主要食品スーパーマーケットの決算内容をいち早く分析し、最新情報として、取り上げてゆく予定である。そのオークワの結果であるが、営業収益2,135.92億円(-0.8%)、営業利益37.51億円(11.4%)、経常利益39.43億円(13.5%)、当期純利益16.54億円(44.0%)となり、減収となったものの、利益は大幅な増益となった。

   オークワ自身は、「小売業界におきましては、猛暑効果で盛夏商品の販売が好調であったものの、依然として業態を超えた企業間競争の激化による客数減、及び消費者の生活防衛意識の高まりによる客単価の下落が続き、非常に厳しい経営環境となりました、・・」とコメントしており、客数、客単価ともに厳しい状況であったとのことである。オークワは食品スーパーマーケットの業態として、主力のレギュラー(SSM)に加え、ディスカウントタイプのプライスカット、スーパーセンター、高質スーパーのメッサを擁しているが、今期は特に、「主力の「レギュラー」業態とディスカウントタイプの「プライスカット」業態は、外部環境の悪化により、販売が低迷いたしました。」とのことである。結果、「既存店売上高の前年同期比は第1~第3四半期累計で97.0%)となりました、・・」とのことで、これが減益の原因であるとのことである。

   ただ、新規出店はスーパーセンター桜井店(3月:奈良県桜井市)、SSM加古川野口店(4月:兵庫県加古川市)、SSM美濃加茂店(9月:岐阜県美濃加茂市)、SSM海南野上店(11月:和歌山県海南市)、スーパーセンター美濃インター店(11月:岐阜県美濃市)と5店舗出店、新店は順調に推移し、合計150店舗を超えたが、後半に集中したため、既存店の落ち込みをカバーできず、減益となったものといえよう。それにしても、オークワの地元は和歌山県であるが、この新規出店を見ると、奈良県、兵庫県、和歌山県と近畿エリアだけでなく、岐阜県の中京エリアへも出店しており、食品スーパーマーケットとしては、幅広いドミナント展開といえる。特に、ここ最近は中京地区のドミナント化に注力しているといえ、オークワにとっては、第2の戦略ドミナト地区となりつつあるといえよう。

   一方、好調な利益の要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、75.09%(昨年75.20%)と、0.11ポイント改善している。結果、売上総利益は24.91%(昨年24.80%)となった。一方、経費の方であるが、26.67%(昨年26.84%)となり、0.17ポイント改善している。これについて、オークワは、「業務改革については、本年1月の組織変更により「業務改革室」を設置し、全社ベースで業務の見直しを行っております、・・」とのことで、まさに、この業務改革の成果といえ、原価、経費双方が改善したものといえよう。

   したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.76%(昨年-2.04%)となり、依然としてマイナスではあるが、数字は改善しており、収益性が高まったといえよう。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.59%(昨年3.67%)のり、結果、営業利益は1.83%(昨年1.63%)となり、増益となった。こう見ると、厳しい経営環境の中、売上高は既存店が伸び悩み、厳しかったが、このような中で、今期の利益が大幅増益となったのは、原価、経費双方がほぼ均等に改善したことが大きかったといえよう。

   これを受けて、残り、四半期となったが、今期本決算の予想であるが、営業収益2,904.00億円(0.3%)と、この第3四半期決算の-0.8%と一転、増収予想である。恐らく、後半に集中した新店の効果と業務改革による既存店の活性化が寄与するとの予想であると思われる。一方、利益の方は、営業利益62.00%と第3四半期決算の11.4%と比べやや低い予想であるが、これは、デフレの影響がより深刻になるとの予想であろう。そして、経常利益63.50億円(6.4%)、当期純利益28.00億円(18.7%)と、営業利益に応じ、やや低い予想であるといえる。ただ、全体としては、この第3四半期の減収増益から、増収増益、堅調な予想であるといえる。

   このように、オークワの2011年2月期、第3四半期決算は減収大幅増益という結果となったが、減収幅はわずかであり、後半に集中した新規出店が本決算にはプラス効果となり、本決算は増収が予想される。また、大幅増益になった要因は原価、経費共にバランスよく改善されたことが大きく、理想的な利益改善といえよう。今後、後半にかけてはデフレの厳しい経営環境が引き続き継続するものと思われるが、一層の業務改革が求められよう。オークワはこの1月に業務改革室を設置し、この決算結果を見る限り、効果を上げはじめているといえ、今後、さらに、業務改革室がどのような改革を打ち出すか、その動向に注目である。

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