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December 26, 2010

GMS、食品スーパーマーケットのアジア戦略!

   GMS、食品スーパーマーケットともに国内需要の低迷があいつぐなか、各社、ここへきてアジア市場へ熱い視線を注ぎつつある。特に、この数年、徐々にアジア市場、特に、中国への参入に力を入れ始めており、今後、国内から、アジア、特に、中国へと進出するGMS、食品スーパーマーケットが増えてゆくのはないかと思われる。そこで、ここでは、2010年の中間決算をもとに、現状のアジア市場への日本の主要GMS、主要食品スーパーマーケットの参入状況を見てみたい。

   まずは、セブン&アイHであるが、すでに、アジア市場は営業セグメントのひとつとなっており、北米についで、その他に区分し、営業収益、営業利益を公表している。このその他は、中国のことであり、この中間決算では営業収益447.22億円(構成比1.7%)であり、伸び率は112.8%、全体が100.5%であるので、まだまだ構成比は低いが、伸び率は高いといえる。ただ、営業利益は11.77億円(営業収益比2.6%、構成比0.9%)、伸び率は72.6%であるので、厳しい状況であり、当面、営業収益優先で進んでゆくものと思われる。セブン&アイHは現在、中国の北京、上海にセブンイレブンを93店舗、GMSを北京に9店舗、四川省成都市に4店舗、そして、食品スーパーマーケットを北京に1店舗展開しており、GMS、コンビニが軌道に乗りはじめているといえよう。

   ちなみに、コンビニではすでにファミリーマートが先行しており、中国国内で359店舗を展開している。特に、ファミリーマートは、今期、国内店舗数を海外店舗数が上回っており、今後、中国は特に重点地区として、店舗数が急増することが予想され、セブンイレブンとも、激しい競争が予想されよう。

   次に、アジア戦略を強く打ち出しているイオンであるが、イオンはセブン&アイHよりもセグメントが明確であり、セブン&アイHがその他で分類しているのに対し、アジア等で分類しており、アジアを意識した営業戦略が展開されている。その現状であるが、営業収益1,375.38億円(構成比5.5%)と、セブン&アイHの約3倍とすでに、年間では3,000億円弱と主要セグメントに育ちつつあるといえよう。ただ、伸び率は97.5%と伸び悩んでおり、気になるところである。一方、営業利益は71.74億円(営業収益比5.2%、構成比12.4%)であり、しかも、伸び率は121.2%であり、利益が大きく改善しつつあるといえる。

   イオンは現在、中国に57店舗(GMS28店舗、SM6店舗、その他23店舗)、タイ11店舗(SM11店舗)、マレーシア26店舗(GMS22店舗、SM4店舗)の合計94店舗(GMS50店舗、SM21店舗、その他23店舗)を展開している。このその他は、イオンストアーズ香港のジャスコリビングプラザ・10ドルプラザ・弁当ショップ等であり、GMS以外にも幅広くアジアでの展開を行っている。

   そして、セブン&アイH、イオン以外の各地のGMS、食品スーパーマーケットであるが、平和堂が平成10年、10年以上前から中国に参入しており、中国湖南省長沙市にGMSを出店している。ここ最近の営業収益であるが、いずれも中間決算時であるが、2008年91.00億円、2009年91.25億円、2010年118.96億円と順調に数字を上げており、昨対130.4%と好調である。一方、営業利益は2008年8.08億円(営業収益比8.8%)、2009年8.69億円(営業収益比9.5%)、2010年9.16億円(営業収益比7.7%)である。また、2009年9月には、株洲店がオープンしたので、現在3店舗での展開であり、まだまだ全体の売上構成比は6%強であるが、今後、中国市場は平和堂にとって重要な成長市場となろう。

   また、ユニーであるが、1987年に香港島で1号店をオープンし、現在「APITA CITYPLAZA (太古城 中心)店」として営業している。その後、今年、2010年6月には、「UNY 生活創庫 LOKFU (楽富)店」をオープンし、現在2店舗を展開している。そして、2011年初春に香港の九龍半島に位置する九龍湾(カオルーンベイ)に、海外初のピアゴとなるユニー香港3号店「PIAGO TELFORD(徳福)店」を出店する予定である。さらに、2012年には、いよいよ、中国、上海に1号店を出店する予定であり、その後、10店舗程度の中国での出店を検討しているという。

   以上が、すでにアジアに進出している主要GMS、食品スーパーマーケットであるが、今後、進出を考えている企業もある。イズミヤは来春、中国蘇州市での1号店開店を目指して、準備を進めている。特に、今期、伊藤忠と資本・業務提携を行い、その中で、提携対象分野として、「中国を中心とした海外事業展開の推進」がうたわれており、今後は伊藤忠とも連携して、中国市場への参入がはかられてゆくものといえよう。

   このように、現時点ではGMS、コンビニ主体でアジアへの進出が始まっており、特に、GMSは中国が有望市場として認知されつつあり、先行しているイオン、激しく追随しつつあるセブン&アイH、そして、平和堂、ユニー、さらには、今後、イズミヤの参入も予想される。また、コンビニでは先行しているファミリーマートにセブンイレブンが追い上げており、今後、他のコンビニの参入もあるといえよう。残念ながら、食品スーパーマーケットはまだ少ないが、いずれ、アジアへ本格進出する時期がくるものと思われ、どこがアジア戦略を打ち出すか注目である。

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