食品スーパーマーケット、直近の株価動向!
食品スーパーマーケット業界の本決算へ向けての直前の四半期、第3四半決算の公表が始まったが、投資家は食品スーパーマーケット業界をどう見ているのか、その動向を直近の株価をもとに見てみたい。食品スーパーマーケット業界は約50社が上場しており、小売業全体では約350社であるので、約15%となり、小売業界の中でも上場企業としては大きな柱となっている。北海道から九州、沖縄まで食品スーパーマーケットの上場企業はあり、今後、さらに増えるものと思われ、小売業界の中で、食品スーパーマーケットという確固たる地位を築きつつあるといえよう。
ちなみに、食品スーパーマーケット業界は現在、主要業界団体が3つある。最も大きな業界団体は昨年8月に日本セルフサービス協会(1958年設立)と全国スーパーマーケット業界(1982年設立)が合併し、その後、今年の9月に社名変更した新日本スーパーマーケット協会であり、現在、正会員数は412社である。ついで、日本スーパーマーケット協会(1999年設立)であり、通常会員102社である。そして、もうひとつは、オール日本スーパーマーケト協会(1962年設立)であり、会員企業数57社である。したがって、この主要3団体だけで、企業数571社となり、店舗数では優に10,000店舗を超える。この内、約50社が上場しているので、約10%といえ、今後、食品スーパーマーケット業界の上場企業が倍になっても不思議ではなく、経営内容が安定し、成長戦略が確立された食品スーパーマーケットの上場が期待できるといえよう。
さて、その株価であるが、5日移動平均乖離率、すなわち短期トレンドで見るとベスト10は、No.1フジ4.66%(1,838円)、No.2丸久4.27%(786円)、No.3エコス2.50%(451円)、No.4イオン北海道1.73%(294円)、No.5マックスバリュ中部1.61%(879円)、No.6アオキスーパー1.51%(740円)、No.7オークワ1.42%(845円)、No.8マルエツ1.24%(326円)、No.9マツヤ1.16%(610円)、そして、No.10平和堂1.12%(1,076円)である。
短期間では大きく上昇している株価はないといえ、投資家は食品スーパーマーケット業界を静観しているといえよう。ちなみに、小売業全体のベスト5であるが、ステラG50.0%(3円)、バナーズ42.85%(10円)と、この2社は異常値であるが、ついで、メガネスーパー9.19%(190円)、Gテイスト8.33%(52円)、ヤマノHD7.40%(29円)であり、やはり異常値が多く、100円を大きく下回る企業が上位を占めており、小売業は厳しい株価の企業が多いといえよう。
そこで、逆に、長期トレンド、26週移動平均乖離率で同様に、食品スーパーマーケットのベスト10を見てみると、No.1マルヤ18.60%(153円)、No.2原信ナルスH13.98%(1,198円)、No.3フジ12.14%(1,838円)、No.4ヤオコー9.27%(2,591円)、No.5アークス8.34%(1,234円)、No.6マックスバリュ中部7.06%(879円)、No.7イオン北海道6.90%(294円)、No.8ハローズ6.64%(722円)、No.9バロー5.85%(687円)、そして、No.10オークワ5.45%(851円)である。これも先ほどと同様、小売業全体のベスト5を見ると、ジンズメイト65.89%(360円)、ベクター50.65%(152,100円)、VTHD50.58%(259円)、ステラG50.00%(3円)、コナカ50.00%(348円)である。
では、ここから短期、長期トレンド双方においてベスト10に入った食品スーパーマーケットを見てみると、全部で4社ある。フジ(短期No.1、長期No.3)、マックスバリュ中部(短期No.5、長期No.6)、イオン北海道(短期No.4、長期No.7)、そして、オークワ(短期No.7、長期No.10)である。実際、チャートを見ると、フジは10月中旬以降株価が右上がりに上昇しており、特に、週明け12/20は1,866円となり、ここへ来て年初来最高値を更新した。マックスバリュ中部も10月中旬以降見事に右上がりに急角度で上昇しており、年初来最高値960円に迫る勢いである。イオン北海道もマックスバリュ中部とほぼ同じ動きを示しており、10月中旬以降、右上がりに上昇している。年初来最高値が295円であるが、この株価を上回るのは時間の問題といえよう。そして、オークワであるが、9月以降、上げ下げを繰り返しながら右上がりに上昇している。
したがって、この4社は明らかに短期、長期トレンド双方が食品スーパーマーケットではベスト10に入り、実際、チャート見ても、右上がりの上昇と、食品スーパーマーケット上場企業の中では投資家が現在、最も注目している食品スーパーマーケットであるといえよう。全体としては大きく上昇している食品スーパーマーケットは少ないといえるが、ここに上げた4社を含め、短期、長期のベスト10の食品スーパーマーケットの株価の動向は注目といえよう。
このようにデフレの消費環境により、売上げが伸び悩み、厳しい経営状況にある食品スーパーマーケット業界であるが、その株価を見ると、大きく伸びている食品スーパーマーケットは確かに少ないが、堅調な伸びを示している食品スーパーマーケットは確実に存在している。また、その中には先に上げたフジ、マックスバリュ中部、イオン北海道、オークワのように投資家からも、ここ最近、注目されている食品スーパーマーケットもある。現在、食品スーパーマーケット業界の第3四半期決算が公表されはじめ、ほぼ、これで、今期の予想が明確になるといえる。年末から、来年1月にかけ、食品スーパーマーケットの株価がその結果では大きく動くものと思われ、ここ数ケ月間の株価動向が気になるところである。
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