コンビニ、売上速報、2010年12月度、堅調!
(社)日本フランチャイズチェーン協会が1/20、コンビニエンスストア正会員10社の2010年12月度の売上速報を公表した。結果は全体の売上高が7,191.52億円、昨対5.6%増となる堅調な伸びとなった。これで、11月度に続き、2ケ月連続のプラスであり、売上げは回復しつつあるといえよう。正会員10社であるが、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンであり、ほぼ、日本全体のコンビニを網羅しており、コンビニ全体の数字といっても良いといえよう。
また、既存店も6,628.44億円となり、昨対3.3%増であり、全体だけでなく、既存店も堅調な伸びとなり、新店による売上増ではなく、既存店の押し上げもあり、コンビニの復調が鮮明である。ちなみに、店舗数であるが、43,372店舗であり、昨対1.7%であり、店舗数の伸び以上に全体の売上げは5.6%と伸びており、既存店の伸びの方が、新店の伸びよりも大きく、全体の売上げが堅調な要因は既存店によるところが大きいといえ、コンビニの業績が回復基調に入ったといえよう。逆に、気になるのは新店の数であり、この数字を見る限り、コンビニ各社が新店を抑制し、既存店の活性化に力を入れていると思われ、今後、新店戦略をどのように進めてゆくか、課題であるといえよう。
そこで、売上げが全体、既存店ともに、堅調であった要因が客数にあるのか、客単価にあるのかを見てみたい。まずは、全体であるが、客数は116,846.9万人となり、昨対3.4%となった。これに対し、客単価は615.5円となり、昨対2.1%である。客数、客単価ともに、バランスよく伸びており、理想的な結果である。一方、既存店であるが、客数108,762.0万人となり、昨対1.3%、客単価609.4円となり、昨対1.9%であり、全体同様、バランスの良い伸びである。しかも、既存店は客数よりも、客単価の方の伸びが高く、マーチャンダイジングの改善が功を奏しているといえよう。
ところで、コンビニの売上げも、食品スーパーマーケットの年末商戦と同様、12月度の数字が各月と比べ跳ね上がるのかを見てみたい。比較のため11月、10月、そして、昨年の1月度の全体の売上げの数字を見てみると、11月度6,542.59億円(12月度対比90.97%)、10月度6,429.93億円(12月度対比89.40%)、そして、昨年1月度6,132.26億円(12月度対比85.27%)であり、明らかに12月度が突出しているといえよう。食品スーパーマーケット同様、年末年始に加え、恐らく、クリスマス関連の売上げが押し上げているのではないかと思われる。
さて、この12月度の売上げが堅調な要因を別の角度、商品面から見てみたい。コンビニは大きく商品構成を4つに分けて管理しているが、それぞれの構成比は、コンビニの中核商品、ファストフードの属する日配食品33.2%、加工食品27.9%、たばこの属する非食品33.7%、サービス5.2%である。ほぼ、日配食品、加工食品、非食品が約30%づつの構成比であり、バランスがとれているといえよう。
そこで、それぞれの伸び率であるが、特に、この12月度は、11月度同様、たばこの属する非食品がどのような結果となったかがポイントであるが、結果は、非食品が何と8.5%と、大きな伸びである。(社)日本フライチャイズチェーン協会も、この売上速報の中のコメントで、「たばこ税増により一時的に減少したたばこの売上も金額ベースで大きく前年を上回り、全体の売り上げを牽引した。」とのことで、たばこが再び、コンビニの売上げの伸びを支えるまでに回復したといえよう。実際、ここ最近、コンビニのたばこの品揃えが増えており、以前は100SKUぐらいが標準であったが、100SKUを優に上回るコンビニが増えており、たばこはまさに、コンビニの中核商品といえよう。
この非食品以外では、日配食品5.3%と堅調な伸びを示しており、その中核商品であるファストフードの数字も回復基調にあるといえよう。ただ、加工食品が2.5%、サービス2.1%と、この2部門については、全体が5.6%であるので、やや伸び悩んでおり、課題といえよう。特に加工食品は、食品スーパーマーケット、ドラックストア等と直接競合する商品も多く、その影響もあるといえよう。
このように、この12月度のコンビニの売上速報は11月度に続き、堅調な売上げの伸びを示しており、数字を見る限り、明らかに、回復基調に入ったといえよう。特に、既存店の数字が堅調であり、客数、客単価ともにバランス良く伸びており、底固いといえる。また、懸案のたばこの動向であるが、非食品の数字を見る限り、明らかに、回復しており、値上げ問題も3ケ月で完全にもとにもどり、それ以上の数字となっているといえ、たばことコンビニとの関係がより、強くなったといえよう。消費環境は依然として厳しいものがあるが、コンビニは回復基調といえる。来月以降も、堅調な売上げが期待できるものと思われるが、その数字がさらに上向くのか、横ばいとなるのか、気になるところである。
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