ライフコーポレーション2011年、第3四半期、増収増益!
ライフコーポレーションが1/13、2011年2月期、第3四半期決算を公表した。結果は、営業収益3,570.67億円(1.7%)、営業利益67.54億円(12.9%)、経常利益65.34億円(14.3%)、当期純利益35.65億円(16.5%)と、増収増益となる好決算となった。ライフコーポレーションは現在、首都圏95店舗、近畿圏121店舗、合計216店舗(1/13現在)を展開しており、日本の食品スーパーマーケットの中でもマルエツの256店舗につぎ、店舗数が多い。しかも、首都圏と近畿圏双方にバランス良く店舗展開をしており、食品スーパーマーケットとしては東西でのドミナント化をはかっている稀なケースである。
この第3四半期決算における新店であるが、「3月に奥戸店(東京都)、4月に石津店(大阪府)、6月に神田和、泉町店(東京都)、8月に西天下茶屋店(大阪府)、9月に岸部店(大阪府)、10月に南千住店(東京都)・本山店(兵庫県)」の7店舗を新規出店しており、これら新店が営業収益の増収に寄与したといえよう。ただ、全体が216店舗であるので、105%の成長をはかるには10店舗以上欲しいところであり、後半、どこまで出店ペースを上げられるかが、さらなる増収を図ることができるかどうかのポイントとなろう。食品スーパーマーケットは一般に、既存店はトントン、新店により成長を維持してゆく業態であるので、新店の動向が成長戦略の鍵を握っているといえる。
ちなみに、今期のライフコーポレーションの投資活動によるキャッシュフローであるが、-103.24億円(昨年-81.27億円)であり、その中身、特に、新店等にかかわる項目、有形固定資産の取得による支出であるが、-88.59億円(-68.27億円)である。ライフコーポレーションの1店舗当たりの出店にかかわる資産が、前期決算時で見ると約4.5億円であるので、約20店舗となるが、この中には物流センターへの投資、約20億円もあるといえ、実質約70億円、店舗数では約15店舗となり、出店意欲は極めて高いといえる。したがって、本来、もっと出店ペースを上げたいところであろうが、やや抑制気味の出店ペースといえる。今後も、おそらく新店開発は堅調なペースで続くものと予想され、今期はもちろん、来期も新店による増収確保は可能と思われ、いつ出店ペースを上げるか、気になるところである。
一方、利益面であるが、営業収益に比べ、2桁の増益である。そこで、好調な増益を確保した要因を原価、経費面からみて見たい。まずは原価であるが、73.84%(昨年73.98%)となり、-0.14ポイント改善している。今期、ライフコーポレーションは、「平成21年10月の近畿圏に引き続き首都圏においても北部の新物流拠点として「松戸総合物流センター」を稼働いたしました。これにより、更なる物流機能の向上と店舗運営の効率化に努めてまいります。」と、首都圏において物流センターを稼働しており、今後、さらに、原価改善等につながってゆくものと思われる。結果、売上総利益は26.16%(昨年26.02%)となった。
これに対し、経費の方であるが、27.17%(昨年26.93%)と0.24ポイント増加している。残念ながら、原価以上に経費の上昇が見られ、結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.01%(昨年-0.91%)と、依然としてマイナス、しかも、若干、下がっており、マーチャンダイジング力に関しては、経費の上昇が原価の改善を上回り、厳しい結果となった。
したがって、マーチャンダイジング力は厳しい結果となったが、営業利益は2桁増であるので、その他営業収入、すなわち、物流収入、不動産収入等の増加が大きかったものと推測できる。そこで、その他営業収入を見ると、2.97%(昨年2.67%)と0.30ポイント上昇しており、結果、営業利益は1.96%(昨年1.76%)となり、増益となった。したがって、営業利益が2桁増となった要因は経費の上昇を原価の改善と、その他営業収入で補った構図であり、今後、経費をいかに引き下げるか、課題が残る決算といえよう。
ちなみに、ライフコーポレーションは、今期を、「当社は更なる競争力の強化と生産性の向上を図るべく、平成20年度よりスタートした「第三次中期3カ年計画」の「12の課題」に引き続き取り組むとともに、3年目の当期を「耐える年」「立て直しの年」「準備の年」と位置づけ、お客様の視点に立ったスーパーマーケットとしての「基本事項の徹底」に努め、総合力で差別化を図り、お客様に信頼していただけるお店づくりに注力いたしております。」と位置付けており、今年は耐え、立て直し、準備の年であるとのことである。
このように、ライフコーポレーションの2011年2月期、第3四半期決算の結果は増収増益、しかも利益は2桁の増益となる好決算となった。ただ、その中身は、特に利益面においては経費の増加が見られ、これを原価の改善と、その他営業収入でカバーしての増益であり、課題を残す決算となったといえよう。ライフコーポレーションとしては、今後、経費の改善をどうはかってゆくかが当面の課題といえ、来期からはじまる次の経営計画に経費削減をどのように反映してゆくのか注目である。
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