マックスバリュ東海、2011年2月、第3四半期、増収増益!
マックスバリュ東海が1/6、2011年2月期、第3四半期決算を公表した。結果は売上高1,148.89億円(10.0%)、営業利益27.29億円(31.1%)、経常利益27.14億円(30.3%)、当期純利益9.75億円(14.6%)となり、増収、大幅増益となる好調な決算となった。マックスバリュ東海は前期本決算が増収減益、前前期決算も増収減益と厳しい決算であったが、今期は、この第3四半期を含め、中間、第1四半期ともに増収、大幅増益となる好決算が続いており、今期は現在までのところ好調に推移している。
そこで、増収、大幅増益となった要因をまずは増収面から見てみたい。今期マックスバリュ東海は、「上半期の3店舗に加え、9月にマックスバリュ富士水戸島店、10月にマックスバリュ富士江尾店、11月にマックスバリュ富士宮万野原店と静岡県富士・富士宮エリアに3店舗の新店を開設いたしました。その結果、当第3四半期会計期間末における店舗数は92店舗、・・」とのことで、新店を合計9店舗、全店の約10%に当たる店舗数を出店したことが大きいといえる。
一般に食品スーパーマーケットの既存店は100%前後で推移するが、マックスバリュ東海も、「第2四半期累計期間においては対前年同期比96.0%でしたが、当第3四半期会計期間においては同100.3%になりました。」とのことで、累計では100%をやや下回っていると思われる。したがって、この新店9店舗が全体の売上を大きく押し上げたといえよう。それにしても、この時期に、これだけ新店を出せる財務力は他社にはないマックスバリュ東海の強みといえる。
実際、この第3四半期のキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは53.89億円(昨年33.91億円)と、大幅増益が寄与し、大きく改善している。そして、新店開発に関係する投資活動によるキャッシュフローの中の、有形固定資産の取得による支出は-25.93億円(昨年-81.69億円)である。これは、マックスバリュ東海の1店舗当たりの出店に関する資産が前期決算から試算すると3.86億円であるので、この第3四半期では6.7店舗、前期では21.1店舗に匹敵するキャッシュフローであるので、合計27.8店舗となる。したがって、今期すでに9店舗を出店しているが、今後、まだまだ出店余力は高く、高成長が続くものといえよう。
これに対し、さらに好調な利益の方であるが、その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、75.11%(昨年74.71%)と、0.40ポイント上昇している。マックスバリュ東海自身も、「家計所得の伸び悩みが予想される中、お客さまの生活防衛意識による節約志向が継続し、依然として厳しい経営環境が続いております。」と、コメントしており、原価の改善は厳しい経営環境であったとのことである。結果、売上総利益は24.89%(昨年25.29%)となった。
一方、経費の方であるが、24.46%(昨年25.17%)と、0.71ポイント改善しており、大きく経費を削減している。特に、今期は、「「高コスト体質からの決別 オペレーション改革元年!!」を当事業年度のスローガンに掲げるとともに、基本の徹底と1円の積み重ねを大切にするという小売業の原点に立ち返り、店内作業の効率化と生産性の向上に取り組んでおります。」とのことで、高コストを意識した経費削減に取り組んでおり、その成果が表れたといえよう。
結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.43%(昨年0.12%)と、大きく改善した。ただ、その比率は0.43%であり、食品スーパーマーケットのトップクラスが3%以上であるので、今後、さらに経費削減に踏み込む必要があろう。そして、これに、物流収入、不動産収入等のその他営業収入が1.95%(昨年1.89%)加わり、営業利益は2.38%(昨年2.01%)となった。したがって、原価の減少を経費削減で大きくカバーし、増益を確保した形であり、これに売上増があいまって、大幅な増益につながったといえよう。
それにしても、今期9店舗の新規出店はラッシュともいえ、しかも、キャッシュフローを見る限り、来期も今期以上の新規出店が予想され、いよいよ、来期100店舗を突破する可能性が高まったといえよう。ここまで積極的な新店開発が可能な理由は、マックスバリュ東海の財務の強さにある。特に、自己資本比率が61.9%と極めて高く、決算公開企業約50社の前期決算で見るとベスト5に入る。したがって、負債に依存することなく、新規出店が可能であり、これがマックスバリュ東海の新店ラッシュを支えている財務余力である。
このように、マックスバリュ東海の2011年2月期、第3四半期決算は増収、大幅増益となったが、その要因は、堅固な財務体質に支えられた積極的な新規出店を行ったことに加え、「高コスト体質からの決別 オペレーション改革元年!!」を当事業年度のスローガンに掲げ、経費削減を実現したことが大きかったといえよう。ただ、経費削減は進んだとはいえ、マーチャンダイジング力はまだまだ低い状況であり、なお、一層の経費改善が課題といえよう。今後、本決算までわずかの期間であるが、今期は2期ぶりに、増収増益の好決算が期待できそうである。
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