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January 08, 2011

頻度と売れ筋について

   頻度という言葉は小売業界ではごく普通に使われている。たとえば、セブン&アイHの最新の決算では、「頻度品を中心とした物価の緩やかな下落が続くなど、・・」という使い方や、コンビニエンスストア事業の総括の中でも、「グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」を中心とした頻度品の品揃えを強化いたしました。」というようにである。では、この頻度はどう数値化できるのであろうか、実はこれが中々難しい問題である。なぜなら、通常のPOS分析では頻度を正確に把握することが不可能だからだ。言葉としては頻度を使っていても、実際の小売業では頻度を正確に測定できないことがほとんどであるので、感覚的な使い方になってしまいかねないといえる。

   では、頻度とは何か、売れ筋と同じなのか、違うのかを改めて考えてみたい。一般に売れ筋とは売上高の高い商品である。売上高は販売数量×平均単価となるので、実はここで3つに分かれる。1つ目は販売数量が多い場合、2つ目は平均単価が高い場合、そして、3つ目は双方が大きい場合である。通常はこの内、1つ目と3つ目を指し、販売数量、すなわち、数が売れるものを売れ筋とする場合が多く、POS分析では、販売数量の高いもの順に並びかえ、いわゆるABC分析を行い、この中のA商品を売れ筋としている。ただ、単純な販売数量の分析では店舗の客数の大小により、客数の多い店の販売数量が当然多くなるので、これを平準化するため、レシート1枚当たりの販売数量、すなわち、PI値を算出し、PI値の高いものを売れ筋とするのが一般的である。したがって、売れ筋=PI値の高い商品となる。

   さて、ここで問題だが、この売れ筋、すなわち、PI値の高い商品は頻度が高いかどかであるが、一般にはこの2つは厳密に区別されず、何となく、売れ筋(PI値)=頻度と思われているように思える。ただ、感覚的には売れ筋とは違うと直感では思っているともいえ、頻度を意識して売れ筋と区別して使う場合も多い。その場合、数字としの違いを示すことはできなくても、直感でこれは売れ筋、これは頻度が高いと感覚的に判断して使っている場合が多いといえよう。

   そこで、頻度という言葉の意味であるが、文字通り解釈すれば、顧客が繰り返し購入する商品となろう。したがって、たとえ、売れ筋であっても、その商品が顧客から繰り返し購入されていなければ、頻度が高いとはいえない。また、極論すれば、死に筋であっても、頻度が高ければ、その商品は頻度が高いといえよう。こう見ると、頻度と売れ筋は同じではなく、むしろ全く反対となる場合もあり、相関性が低いといえよう。したがって、頻度という言葉を使う時には慎重さが必要であり、できれば、その数字的裏付けが欲しいところだ。

   では、頻度をPOS分析から正確に測定できるのかどうかであるが、通常のPOS分析では100%できないが、ID-POS分析では正確に測定できる。まず、頻度の定義であるが、顧客がある期間に複数回商品を購入した比率を頻度と定義することが、最も頻度の言葉のイメージに近いといえよう。技術的には、対象商品の購入レシートをすべてピックアップする。ここまでは通常のPOS分析で可能であるが、そのレシートに顧客番号を振る、これがID-POS分析であり、そのレシートを顧客番号ごとに並び変える。そして、そこから顧客ごとに対象商品のレシート枚数を数える。これが頻度である。商品全体の頻度の場合は総レシート枚数を顧客の総数で割れば良い。数式にすると、レシート枚数/顧客数となる。そして、これを全商品で実施すれば、商品の頻度が正確に測定できるといえる。

   本来、頻度という言葉を使うのであれば、この数字に基づいて判断するのが正解といえ、単純な売れ筋、PI値の延長では判断できず、このように頻度を数値化し、商品をじっくり見詰め直す必要がある。ちなみに、PI値とこの頻度の関係であるが、ID-POS分析では頻度のことをID客数PI値と呼んでいる。そして、この2つは、IDPI値=ID客数PI値×PI値で関係づけられる。IDPI値が販売数量/ID、ID客数PI値(頻度)がレシート/ID、PI値が販売数量/レシートであるので、ID客数PI値とPI値を掛けると、レシートが約分され、ID当たりの販売数量、すなわち、IDPI値となる。このIDPI値はある期間におけるID(レシートではない)の販売数量であり、PI値のように相対値ではなく、絶対値となり、ID-POS分析ではID金額PI値同様、重要な指標である。

   こう見ると、ID客数PI値(頻度)とPI値は掛け算で結ばれ、相関しているというよりも、反比例の関係にあるともいえ、ID客数PI値(頻度)が高く、PI値が低い、逆に、PI値が高く、ID客数PI値(頻度)が低い場合もあることがイメージできよう。また、双方が高い場合も、双方が低い場合もあるといえる。実際、POSデータを分析すると、その通りとなり、ID客数PI値(頻度)とPI値は必ずしも一致するわけではなく、頻度を使う場合はID客数PI値の数字を前提に使った方が正確である。今後、食品スーパーマーケット業界にはID-POS分析が急激に普及することになろうが、その第一歩は、この頻度を正確に算出し、これまでの売れ筋との違いを認識するところから始めて欲しいところだ。

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January 8, 2011 in 経済・政治・国際 |

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