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February 28, 2011

消費者物価指数(CPI)、2010年1月、依然デフレ基調!

   総務省統計局が2/25、2011年1月度の消費者物価指数を公表した。結果は、「(1) 総合指数は平成17年を100として99.4となり、前月比は0.2%の下落、前年同月と同水準となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は99.0となり、前月比は0.4%の下落、前年同月比は0.2%の下落となった。(3)食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は96.9となり、前月比は0.7%の下落、前年同月比は0.6%の下落となった。」とのことである。消費者物価指数には、このように総合指数が3つあり、文字通りの総合指数、相場の影響を強く受ける生鮮食品を含む食品を除いた総合指数、そして、さらに、国際相場による影響を受ける資源エネルギーを除いた総合指数と、それぞれの段階での総合指数が公表されている。

   それぞれの数字を見ると、平成17年度を100とした場合は99.4、99.0、96.9、前年同月日は0.0、-0.2%、-0.6%であるので、食料品、資源エネルギーの上昇の影響が出ているといえ、これを除くと、いずれもマイナスであり、依然として、デフレ基調が続いているといえよう。実際、この2つの指数が過去4年間に渡ってグラフ化されているが、それを見ると、デフレ基調が依然として続いているのが明らかである。

   まずは平成17年度を100とした場合の過去4年間の折れ線グラフであるが、昨年10月がやや上昇し、上に山をつくっているが、その後は3ケ月に渡って、3つの総合指数がいずれも右下がりに下降しており、上昇する気配が感じられない状況といえる。長期トレンドみると、3年前の平成20年の後半が最も高いプラスの数字、103近くまで上昇しているが、それ以降、この1月まで、ほぼ右下がりで、すべての総合指数が下がる傾向が鮮明である。

   一方、前年同月、これは棒グラフであるが、丸2年間、プラスマイナス0の平均から下向きの棒グラフが続いており、昨年10月からはほぼマイナスの横ばいの状況が続いている。総合指数のみはプラスマイナス0に近い数字にまでは上昇しているが、食料を除く総指数、さらにはエネルギーを除く総合指数は一貫してマイナスであり、プラスに上向く気配が感じられない状況である。

   したがって、この状況を見る限りでは、依然としてデフレ基調が続くと思われ、食品スーパーマーケット業界にとっては、一部、生鮮品等の食品を除き、厳しい価格競争が2011年度も継続するのではないかと思われる。

   ちなみに、この2つの消費者物価指数のトレンドを示すグラフ以外にも、様々な図表が公表されているが、その中で寄与度をプラスマイナスで表した総合指数の積算グラフがある。これを見ると、この1月度の総合指数が0.0%となった要因は、プラス要因が生鮮食品0.27、たばこ0.27、ガソリン0.19、灯油0.11が大きな項目であり、逆に、マイナス要因は公立高校授業料-0.40、私立高校授業料-0.11、その他-0.18であり、これに-0.20の生鮮食品を除く食糧が加わる。
  
   こう見ると、高校授業料、たばこはよく理解できるが、食品は完全に2極化しており、生鮮が物価上昇、非生鮮が物価下落という様相を呈しており、インフレ、デフレ双方に影響を与えるという捻じれ現象となっているといえる。
   
   そこで、その食品について、もう少し掘り下げてみたい。まず、物価上昇となっている部門であるが、何といっても果物が異常値であり、前年同月比17.9である。特に、みかん35.5、りんごB 18.4、いよかん13.7、いちご12.0、レモン8.8と軒並み大きく上昇している。下がったのはバナナ-3.0のみであり、果物が明らかにほぼすべてに渡って全面高の様相を呈しているといえる。ついで、生鮮野菜の4.3である。キャベツ14.4、さといも23.0、かんしょ23.8、たまねぎ29.4、にんじん25.3等、異常値が続出しており、ピーマン-14.1、レタス-16.4等、下がったものもあるが、全体的には上昇傾向が強いといえる。
   
   一方、これ以外の生鮮部門であるが、肉類-0.4、魚介類-0.1と、他の生鮮食品はむしろ若干下がっており、生鮮食品全般ではなく、あくまで果物、野菜のみであるといえる。さらに、その他の部門であるが、穀類-3.4、油脂・調味料-2.3、菓子類-0.6、調理食品-0.2、飲料-1.8、酒類-1.3と、すべてマイナスである。したがって、食品全体は0.2とプラスになったが、それは果物、野菜の異常値がプラスに引き上げた要因であるといえ、食品が全体的に物価が上昇している訳ではなく、むしろ、食品全体としては、依然として、デフレ基調が続いているといえる。
   
   このように今年に入ってのはじめての消費者物価指数、2011年1月度は総合指数が0.0となり、一見するとデフレ脱却かとも思える数字であるが、その中身を良く見ると、生鮮食品、資源エネルギー等の上昇による影響が大きいといえる。特に食品では、生鮮食品、しかも、果物、野菜の異常な相場高にひっぱられた感があり、その他の食品は依然としてマイナスが続いている。したがって、今年も当面、このデフレ基調が続く可能性が高いといえ、食品スーパーマーケット業界としては、厳しい経営環境が続くものといえよう。

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