DRUGSTRE NEWSでアルフェネオのID-POS分析!
DRUGSTRE NEWS(ダイヤモンド・フリードマン社)の最新号、2011年2月号でドリンク剤、アルフェネオの特集記事が掲載された。その中で、アフェネオのPOS分析、ID-POS分析をもとに、商品の評価を行った。特に、ID-POS分析での評価では、3本パックの重要性が改めてクローズアップされた結果となり、中々興味深い内容となった。これまで、主に食品スーパーマーケットでID-POS分析を実施してきたが、ドラックストアにおいても、ID-POS分析が商品評価の決め手になることが実証されたといえ、今後、機会があれば、さらに、様々な商品に取り組んでゆきたい。
さて、アルフェネオは大正製薬が女性向けに開発した栄養ドリンク剤であるが、特に鉄分やビタミン補給の栄養ドリンク剤である点が特徴といえる。大正製薬といえば、リポビタンDがあまりに有名であり、男性の栄養ドリンク剤としては定評がある。実際、ドラックストア、食品スーパーマーケット等の栄養ドリンク剤の売場を見ると、男性用の栄養ドリンク剤中心の売場が多く、まだまだ女性用をメインにしている売場は少ないといえる。
今回は、このような現状を踏まえ、敢えて、女性用栄養ドリンクの売場を強く打ち出したドラックストア2社、ドラックスギヤマとサンキュードラックの売場を実際のPOSデータ、ID-POSデータで検証したものである。誌面では、実際に女性用栄養ドリンクの強化に取り組んだ事例の売場写真と、対象店舗の店長さんの声、そして、その結果のPOSデータ、ID-POSデータを提示しており、最後に、これらの総括を特にID-POS分析を中心に行った内容である。
今回、アルフェネオのID-POS分析を行ってみて、特に感じたことは、1本、3本、10本のそれぞれの位置付けが、明確になった点である。サンキュードラックではアルフェネオだけでなく、リポビタンファインも同時に分析しており、その違いも明らかになり、同じ栄養ドリンクでも、商品により、どこをメインに打ち出すかが違うといえ、興味深い結果となった。
実際のサンキュードラックのID-POS分析の結果であるが、アルフェネオについては、昨年は1本が1,677人、3本が1,395人、10本が180人の購入IDがおり、1本がメインとなっていたが、今年は、1本が1,851人(110%)、3本が1,915人(137%)、10本が302人(168%)となり、何と3本が1本を抜き去り、3本がメインに躍り出た結果となった。しかも、この時の3本のID金額PI値、ID数量PI値を見ると、どちらも約95%へ下がっており、これは、購入頻度がやや下っていると思われ、リピーターよりも、トライアルが増えていると推測できる。
一方、1本のID金額PI値、ID数量PI値は102%前後上昇しており、3本とは対照的な動きとなっており、ここではトライルアルよりも、むしろリピーターが増えていると推測できる。したがって、1本は定着しつつあるのに対し、3本は逆に、トライアルを力強く獲得しつつあり、3本がアルフェネオのマーチャンダイジングの基点となりつつあるという結果が得られたといえる。これは、ドラックスギヤマのPOSデータでも裏づけられ、3本の伸びが著しいことからも、3本が明らかに、マーチャンダイジングの基点となっていることがわかる。
同じ売場で展開したリポビタンファインと比較すると、その違いがよくわかる。リポビタンファインは1本が2,466人(昨対121%)であるのに対し、3本は1,196人(昨対133%)、10本は276人(昨対117%)であり、3本の伸び率は高いといえるが、1本の方が購入IDは圧倒的に多く、3本よりも1本がマーチャンダイジングの基点となっており、アルフェネオとの違いは鮮明である。
これだけ、特に1本と3本の違いが対照的になるのは珍しいといえ、通常の商品では、1本がトライアルを誘発し、3本、10本へと顧客が移ってゆくと思われるが、アルフェネオは、当初はそのような傾向があった形跡はあるが、今年のID-POS分析の結果を見る限り、1本よりも、むしろ3本がトライアルを生み出しているといえ、3本がマーチャンダイジングの基点となっていると読み取れることである。それだけ、顧客にとって、継続的に飲み続ける動機が強い商品であると思われ、ID-POS分析をして見て、はじめて明らかになった検証結果であるといえる。
このように、今回は食品スーパーマーケットではなく、ドラックストアでのID-POS分析となったが、結果は実に興味深い内容となり、特に、1本、3本がどのように顧客に受け入れられてゆくのかが、明確になったといえる。通常は1本がトライアル、3本がリピートと思いがちであるが、アルフェネオは今回の結果を見る限り、3本がトライアルを誘発しているといえ、商品によっては、1本よりも3本がマーチャンダイジングの基点となることもあるということが実証できたのではないかと思う。今回はID-POS分析の基本の部分だけの分析となったが、さらに、掘り下げてゆくと、次のマーチャンダイジングの展開にもつながるものが得られるといえ、次回、機会があれば、さらに、ID-POS分析を深め、マーチャンダイジングの様々な仮説構築を試みたい。
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