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February 09, 2011

PI値とチェーンストア、その相性!

   チェーンストアとPI値は実に相性が良い。通常、チェーンストアにおいて店舗から上がってくるPOSの生データは売上金額が最優先となり、ついで、売上数量、そして、レシート枚数(客数)となる。この3つしか、現場から上がるPOSデータはなく、それが日々、場合によっては時間帯別にリアルタイムで上がってくるのが実態である。ちなみに、ID-POS分析の場合はこれにIDが加わるだけであり、通常のPOS分析も、ID-POS分析も原理的には延長として考えられる問題である。

   したがって、このPOSデータをチェーンストアとしてどう活用するか、これがPOS分析の課題であるといえる。単純なPOS分析では、この生データをほとんど加工せずに分析する場合が多い。売上金額順、売上数量順、レシート枚数(客数)順である。そして、これをABC分析することにより、各店舗の良い悪いを判断することになる。ただ、これでは分かりにくいので、昨年対比を算出し、そこから問題点を発見する場合もあり、これが一般的なPOS分析の実情といえよう。

   そこで、PI値であるが、PI値の面白さは、昨年対比がなくとも、ABC分析をすることがなくても、チェーンストア全体をたったひとつのPI値という指標で俯瞰できてしまうところであるといえる。その意味でPI値は戦略論であり、数字自体は実に細かく、小数点以下、第2位ぐらいまで算出し、しかも、食品スーパーマーケットの全単品約10,000品目のPI値まで算出するので、ミクロ分析のような印象があるが、活用方法は全く逆でマクロ分析であるといえ、戦略論である。チェーン全体がどのような顧客からの評価を得ているのか、各店はどうか、各店舗間の評価はどうか、さらには、部門、カテゴリー、単品はどうか、次々に頭の中で掛けめぐる疑問をPI値というたったひとつの指標でひも解いてゆく、これがPI値の醍醐味といえよう。

   特に、店舗数が100店舗を超えると壮観なPI値の曼荼羅ができあがり、これをじっと眺めているだけで、全店、各店、各カテゴリー、各単品のイメージが頭の中に描かれ、現場の問題点、課題等が自然に浮かびあがってくる。その意味で、PI値はミクロから入るのではなく、マクロ、まずは全体像をつむところから入ると良い。そして、実際にイメージをもった上で、現場にゆくと、なぜ、PI値がこんなに高いのか(顧客からの絶大な支持がある)、逆になぜこんなに低いのか(顧客から支持を失っている)かが、現場で実感できることが多い。特に、現場の担当者に一言質問するだけで、その答えから、要因がつかめることが多々ある。逆に、その数字を示し、たとえば、このバナナは全店No.1のPI値だが、なぜNo.1かを現場といっしょに考える。逆に、なぜ、ワーストなのかを考える。そして、全店No.1をとにかく見にゆき、その担当者どうしが会話するだけで、全体の活性化につながってゆくことになる。

   もちろん、慣れてくると、逆の場合も自分を鍛える意味で効果がある。すなわち、まず、現場にゆく、そして、何が良いか、何が問題かを直感で判断する。そして、PI値を見る。直感とPI値とが重なっていたか、ずれていたか、これを繰り返すことにより、直感力がつき、数年もすれば、現場での直感とPI値とのズレがほとんどなくなるといえる。

   ところで、PI値の見方であるが、通常、PI値というと、売上数量/レシート(客数)、いわゆる数量PI値に焦点があたるが、本来のPI値の活用のポイントはキャッシュに焦点を当てた金額PI値(客単価)、すなわち、売上金額/レシート(客数)が基本である。数量PI値は、金額PI値=PI値×平均単価であり、金額PI値(客単価)、すなわち、キャッシュをお客さまからいただくための課題を発見する指標のひとつにすぎない。その意味で、平均単価も数量PI値と同様に、金額PI値の構成要素であり、この2つの指標を課題発見のツールとして駆使し、目標はあくまで金額PI値で判断するのが本来の活用の仕方である。

   したがって、仮に数量PI値が上がっても、平均単価が下がりすぎ、金額PI値が下がってしまえば、それはお客さま1人1人からいただけるキャッシュが減ったことになるので、失敗である。同様に、平均単価を引き上げても、PI値がそれ以上に下がれば、金額PI値は下がってしまうので、これもキャッシュが減り、失敗である。PI値活用の極意はこのバランスであり、PI値、平均単価双方の絶妙なバランスが成立した時、はじめて、金額PI値が上昇し、キャッシュが増えてゆく。まさに、経済学の原理、需要供給の法則がそこに隠されているといえ、顧客と商品との接点、これをしっかり、捉えられるかどうかが、PI値活用の決め手といえる。

   このように、PI値はチェーンストアにおいては顧客の声をダイレクトに反映する指標であり、店舗数が増えれば増えるほど、その効果が増し、たったひとつの指標で経営者から現場までが、共通にマーチャンダイジングの良しあしを判断できる指標であるといえ、実にチェーンストアにとっては相性の良い指標であるといえる。そして、この原理がマスターできば、次世代のPI値、ID-PI値もスムースに導入が可能となり、PI値ではけっして見ることのできなかった新たな世界を誰でも垣間見ることができよう。

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