売上速報、食品スーパーマーケット2011年1月度、微増!
2/25、オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、社団法人 新日本スーパーマーケット協会、3団体からスーパーマーケット販売統計調査(1月実績速報版・12月実績確報版)が公表された。回答企業数は263社、7,109店舗であり、日本の主要食品スーパーマーケットを網羅する食品スーパーマーケット業界では最大規模の統計データである。結果は総売上高7,464.35億円、昨年対比101.8%となり、堅調な結果となった。コンビニ業界のこの1月度の売上速報が107.2%であるので、食品スーパーマーケット業界はやや厳しい売上げであるといえよう。
そこで、この101.8%の売上げとなった要因をまずは、部門別に見てみたい。この販売統計は食品スーパーマーケット業界の統計データということで部門の集計についても、通常の小売業界よりも、生鮮食品等を重視した統計データとなっており、生鮮3品の青果、水産、畜産はもちろん、惣菜についても、その構成比と昨対を示しており、より、食品スーパーマーケットの実態を反映した公表内容になっている。特に、構成比は重要であり、これを見るとことで、食品スーパーマーケット業界全体がどこに力を入れているかがわかり、この統計資料は、食品スーパーマーケット業界にとっても貴重なデータである。
さて、まずは、伸びた部門であるが、何といっても青果であり、構成比12.5%、昨対103.9%という結果であった。各部門と比べひとつ頭が抜けての伸び率であり、全体の数字を大きく底上げしているといえる。ただ、この1月度の消費者物価指数を見る限り、青果のみが異常な物価高であり、果物17.9%、野菜4.3%であり、物価高が、結果として、食品スーパーマーケットの青果部門の売上を押し上げている構図であり、必ずしも、青果部門のマーチャンダイジングの成果とはいえず、この103.9%という数字もその辺を考慮して見る必要がある。
一般に、食品スーパーマーケットの青果部門は相場と連動して動く傾向が強く、相場が上がれば、売上げが上がり、相場が下がれば売上げが下がるという、相関関係が強いといえる。したがって、今後、青果の相場が落ち着いた時が本当の青果部門の真価が問われる時であるといえ、当面、相場のゆくえに注目といえよう。ちなみに、この販売統計調査には昨年の4月以降の数字の推移が折れ線グラフで示されているが、これを見ると、昨年の9月以降、青果部門が他の部門に先駆けて突出しており、明らかに異常な動きであるといえ、相場に強く影響を受けた動きといえよう。ただ、この11月以降は伸び率は依然として高いが、グラフは下向きに動いており、今後、どの辺で落ち着くか、しばらく様子を見る必要があろう。
次に、青果についで伸びた部門であるが、構成比8.7%の惣菜であり、伸び率は102.6%である。惣菜も青果についで、ここ数ケ月好調であり、先のグラフを見ても、5月以降、一度も昨対を割ったことがなく、堅調な推移となっている。ほぼ、この1年、食品スーパーマーケット業界は青果と総菜が全体の数字を牽引してきたといえよう。やや気になるのは伸び率は高いが、構成比が他の生鮮食品の10%強と比べ低い点である。惣菜はまだまだ企業間格差が大きいといえる。惣菜を強化した食品スーパーマーケットでは構成比は優に10%を超え、12%、13%のところもあるので、食品スーパーマーケット業界全体としては、今後、この好調な惣菜をさらに、どう強化していくかが大きな課題といえよう。
この2部門についで、伸びたのは、伸び率102.4%の畜産である。構成比は10.3%であり、青果についで、生鮮3品の中では、No.2の部門となっている。そして、これまで問題であった水産であるが、久しぶりに、昨対100%を超え、100.5%となった。構成比は残念ながら9.5%に留まっているが、この統計をとりはじめた昨年4月以来、昨対をクリアーできず、厳しい数字が続いていたが、この1月は、ほぼ1年ぶりに昨対をクリアーしており、今後、この数字が安定してゆくのかどうか、気になるところである。
以上が生鮮食品と惣菜のこの1月度の結果であるが、これ以外の部門では、一般食品、その他が102.0%と堅調な伸び率であり、構成比は43.6%であるので、安定した数字である。グラフを見ても昨年の6月以降、安定したプラスを維持しており、食品スーパーマーケット全体をしっかり支えている部門である。そして、最後が非食品、構成比は15.4%であり、昨対は100.0%と、やや伸び悩んでいるが、昨対はクリーしたといえる。したがって、この1月度はすべての部門が昨対をクリーしており、部門としても見ても、堅調な結果であったといえよう。
このように2011年度はじめての食品スーパーマーケットの売上速報であるが、結果は101.8%という堅調な伸びであり、各部門で見ても、特に、青果、惣菜が引き続き、好調であり、しかも、この1月度は全部門昨対を割った部門がなく、まさに、堅調な伸びであったといえる。消費者物価指数を見ても当面、青果以外はデフレ基調が続くものといえ、今回の食品スーパーマーケット業界の堅調な売上げが今後も継続するか否か、次回以降の売上速報に注目である。
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