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March 08, 2011

家計調査データ、2011年1月度、食品98.0%!

   総務省統計局から3/1、家計調査データの最新、2011年1月度が公表された。結果は、外食を除く、食品スーパーマーケットで取り扱っている食品のみで見た場合、1,743.58円(1世帯1日当たり)となり、昨年対比では98.0%と低調な数字となった。なお、全体の数字は、消費支出9,328.74円となり、99.1%であるので、食品の方が低く、2011年度、食品スーパーマーケットとしては、厳しい消費環境でのスタートとなったといえよう。ちなみに、食品ではここ最近全体の消費を牽引してきた野菜、果物の伸びが止まり、これも、食品全体の消費を押し下げた要因のひとつであるといえる。

   そこで、食品について、伸び悩んだ要因を、大分類の現状をもとに見てみたい。まずは伸びた部門であるが、生鮮肉162.35円(100.2%)、飲料106.84円(101.8%)のみであり、この2部門だけが100%以上の部門である。ただ、いずれも微増であり、この1月度の食品関連の消費がいかに厳しい状況にあったかがわかる。

   したがって、この2部門以外はすべて、昨対を下回っており、その結果を見ると、牛乳37.45円(92.6%)、魚介類199.23円(94.0%)、穀類177.03円(94.7%)、菓子類196.06円(95.0%)、酒類90.32円(97.3%)、果物79.29円(97.5%)、野菜・海藻244.06円(99.1%)、主食的調理食品105.55円(99.2%)、油脂・調味料100.13円(99.6%)という結果である。これを見てもいかに、この1月度の消費が低迷気味であるかがわかり、ほぼ、食品は全面的に低調ぎみの消費環境であったといえる。

   ここで、食品以外の消費項目で気になるものを見ておきたい。まずは、たばこであるが、たばこ28.61円(89.5%)、消費世帯のみ230.01円(121.7%)、消費世帯の割合12.4%(73.6%)という結果である。全体は依然として10%強の減少となり、厳しい状況にあるが、たばこを購入している世帯の数字は121.7%と上昇しており、復調も見られる。ただ、たばこを購入する世帯が12.4%となり、昨対73.6%となったため、消費が回復しない状況といえる。したがって、約3割弱の世帯が値上げを機に購入を控えている状況といえよう。

   また、高校授業料の無償化の影響であるが、国公立高校12.13円(34.7%)、私立高校52.68円(88.5%)という状況であり、特に、国公立高校の消費への影響は大きいといえる。さらに、資源エネルギー関連の消費であるが、電気代、都市ガス代などはほぼ昨年並みで推移しているが、灯油は125.03円(130.5%)と大きく上昇しており、家計に響いているといえよう。ただ、ガソリンは178.26円(105.0%)と微増にとどまっている。

   さて、食品であるが、全体は先に見たように低迷気味で推移しているが、個々には伸びた項目もあるので、まずは、伸びた項目を見てみたい。はくさい4.16円(121.7%)、にんじん6.39円(122.2%)、ぶどう0.35円(183.3%)、ゼリー2.35円(130.4%)、ハンバーグ2.68円(122.1%)、ミネラルウォーター5.97円(139.1%)が120%以上伸びた項目であり、これを見ても、大きく伸びた項目がなく、この1月度は、食品全体を牽引する項目不在の厳しい消費状況にあるといえよう。

   ついで、110%以上の項目を見てみたい。かつお1.77円(110.0%)、ぶり12.71円(118.0%)、キャベツ6.03円(110.0%)、じゃがいも7.48円(115.4%)、さといも2.61円(114.1%)、たまねぎ9.42円(117.7%)、れんこん2.74円(114.9%)、ぎょうざ6.32円(118.1%)、コーヒー15.48円(111.4%)、乳飲料3.13円(115.5%)である。こう見ると、110%以上の項目も少ないといえ、食品全体が低迷気味で推移していることがわかる。

   では、逆に、伸び悩んだ項目であるが、乾うどん・そば2.52円(76.5%)、かに5.97円(70.6%)、ほたて貝3.16円(77.2%)、なし0.19円(46.2%)、メロン0.42円(61.9%)、食塩1.06円(73.3%)、まんじゅう3.87円(73.2%)、ウイスキー2.16円(67.0%)と、以上が80%未満の項目である。ウイスキーがさすがにハイボールのブームも終焉といえ、かなり大きな落ち込みである。

   ついで、90%未満の項目を見てみたい。スパゲッティ2.94円(88.3%)、かれい3.81円(88.1%)、さば2.61円(80.2%)、さんま1.03円(80.0%)、たい2.32円(85.7%)、たこ2.45円(82.6%)、えび 7.03円(85.5%)、しじみ 1.16円(87.8%)、たらこ6.03円(89.9%)、魚介の漬物6.19円(87.7%)、ブロッコリー3.90円(89.6%)、干ししいたけ1.23円(88.4%)、かき(果物) 0.97円(83.3%)、食用油6.32円(87.5%)、うなぎのかば焼き3.26円(80.2%)、しゅうまい2.45円(87.4%)、コーヒー飲料6.74円(83.9%)という状況である。比較的、魚介類関連が多いといえ、今期も魚介類は厳しい年となりそうである。

   このように、2011年度に入って、はじめての家計調査データ、1月度の結果であるが、消費環境は昨年同様、厳しい環境にあるといえ、消費者物価指数でもデフレ傾向が鮮明であり、家計消費にもその影響が表れているといえよう。特に、この1月度はこれまで好調であった野菜・海藻が99.1%、果物が97.5%、そして、主食的調理食品(惣菜)が99.2%と昨対を割っており、食品全体を牽引する部門が不在となったことが大きく、全体的に消費環境が低迷しているといえる。この1月度の消費環境が厳しい状況であったことから、今期前半も当面厳しい消費環境が予想され、食品スーパーマーケット業界としては、今期前半は攻めよりも、守りをしっかり固めることが経営課題といえよう。

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